自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年9月22日日曜日
夢のアマチュア
tumblrというサービスは果てしない抜粋と引用で成り立っている。
∧∧
( ‥)...あなたは他人様の
tumblrを眺めて喜んでる
だけですよね
( ‥)おれ、本を作るのが仕事よ
‐□ なんでぼんやりの時間まで
編集作業をしなければ
ならんのよ。
めんどっちー編集作業は
人々の自主性に
まかせるべきだ
tumblr。あれは抜粋と引用と相互リンクによる編集作業。格言、エロ、政治、二次元、萌え、セックス、トリップ、退廃、気取り屋、苦悶、詩人、そして死。
ああ、これでは雑誌の終焉だ。ついに人々は自ら編集作業を行い、自ら読むものをはぐくみだした。
∧∧
( ‥)ネットに切り崩される
出版界で、あなたは
どのぐらい生き延びられるか
( ‥)ネットでは行き着けない
‐□ 情報を紙に書いて売る。
相互にリンクしているが
完全に重なり合う事の
ない三つの世界、
ネット、書籍、論文を
行き来して、
持ち帰った情報を売る。
どこまで、いつまで
生きていられるかねえ。
tumblerには引用にコメントをつける機能もある。引用自体が、”私はこれを選択した、reblogした”という意思表示に他ならないせいか、コメントがついているケースはあまり多くない。
∧∧
(‥ )というかコメントをつける
\‐ ことについては、むしろ
否定的な意見が多いみたい
ですね
(‥ )確かに、人気のある名言に
ただ乗りしているような
自己顕示欲丸出しな
コメントとか、
ここがおかしい! と
意気込んでコメントしてるが
引用とかみ合っていない、
あるいは、
そもそも指摘が間違いだ、
とか、
そういう痛いコメントが
しばしばあるよね。
*考えてみれば大量のテキストや文章、発言の中から抜粋されたものは、大きな分母から選ばれている。反対に、今、自分でそれにコメントをつけるというのは、手持ちのカードでしか勝負できないわけで、分母が極めて小さい。つまり双方の分母には大きな開きがありすぎる。分母が多いものから秀逸なものが選ばれると仮定すると、reblogにコメントするのはチャレンジ精神が旺盛だとも言えるが、あまりに無謀な勝負を挑んでいるとも言える。
とはいえ、たまにだけども、本文とコメントがうまくかみ合っていたり、むしろ本文よりもコメントが秀逸なものもある。コメントが秀逸なので、それでreblogされているものも、ごくまれだがある。
∧∧
(‥ )まあ、評価。それもまた見る人
\‐ 次第ですからね
(‥ )さっき見たのは、かなり前に
見た抜粋が再び引用されて
流れてきたものでね、
その引用はこんなの
共産主義は頭いい奴が何度も挑戦して、100パーセント失敗した理論で、1回も成功してない。しかしその試みによる犠牲者は1億人以上。冗談でも止めてほしい。
∧∧
( ‥)それ考えると、マルクスさん
すごいよね。たった一人で、
ほぼ1冊の著作で人類に
ここまで大きな損害を
与えたと。
(‥ )しかも、あんな長くて
冗長で要領を得なくて、
実はよく読まれていない
著作で、あの影響力ですよ
ライターとしても注目だし
なによりあの効果と結果!
人類抹殺を秘かにもくろむ
人たちからすれば、
カール・マルクスって
あこがれの存在なのよね。
彼にはあそこまで出来た。では、この俺が。
という感じ。
∧∧
( ‥)不謹慎な
( ‥)そうだね。でも本当に
不謹慎なのは無邪気に
実行した連中、
失敗を認めずに粛清という
責任転嫁をした連中だがな
ともあれ、この引用、何ヶ月か前に見たと思うのだけど、今日、流れて来たものを見たらコメントがついていた
人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、こうもなろう。
∧∧
(‥ )ああ、ガンダムF91の敵役
\‐ 鉄仮面カロッゾ・ロナさんの
台詞ですね
=>人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば、【ピクシブ百科事典】
(‥ )懐かしいな、カロッゾさん
ガンダムF91はビデオで
見たよ。コンパクトな
モビルスーツがきれい
だったよねえ。
ただ、奥さんに逃げられて鉄仮面になったカロッゾさんはなんか微妙。いや、その微妙がたまらん、と言うべきなのか。
その微妙さは、今から聞き直せば、10分の9、という、いかにも中途半端な数に現れている。
∧∧
( ‥)理想郷は理想状態で
ないと成立せず、
理想状態は理想状態という
単一の状態、つまり
変化しない状態をさす
(‥ )生物は変化する事、
それそのものだ。
だとすると理想状態
つまり単一状態への
固定とは、
死に他ならない
考えてみれば理想郷に到達する話はそこで最終回か、あるいはそこで人類滅亡なのだ。幼年期の終わりもエヴァンゲリオンも、新約聖書におけるヨハネの黙示録もみんなそう。
理想郷は終わりであって、そこに生は無い。少なくとも現世の生の延長ではない。
つまり、理想郷とは死、そのものに他ならぬ。
なれば理想郷を渇望する者、10分の9などと言ってはならぬ。答えは10の10、そのすべて、これのみ。ただのひとりも残してはならぬ、もちろん自分も殺してすべてを破壊したその瞬間、その時に始めて理想郷は降りてくる。
殺し尽くさねば理想郷は現世に顕現しない。
∧∧
(‥ )事実、マルクス主義を信奉して
\‐ 理想社会建築に邁進した人は
どこも粛清ですねえ
(‥ )強制収容所、逮捕、
拷問、虐殺
理想は最終回答であるがゆえ
自らの間違いを認めることが
彼らには出来ない。
なれば誤りはすべて他人が
犯したことであって
ならば誤りは是正せねば
ならぬ。
そんなところだろうな。
発想がいかれてるが、
発想がおこちゃまなんだよね
誤りを犯したものを排除すれば理想社会になるはずだ。だが殺しても殺しても理想状態にはほど遠い。
∧∧
( ‥)それは当然だと
(‥ )人々が生きている限り、
理想状態などありえない
だとしたら....
彼らはいつ気づいたの
だろうな?
エリートだけ残すのは
本末転倒、
殺し尽くさねば理想郷は
顕現しない、
このことにいつ気づいた?
あるいは、最後まで気づいていなかったのか?
∧∧
(‥ )それを考えれば、創作とはいえ
\‐ 人類の10分の9を抹殺って
かなりピントがずれた
発言なんでしょうね。
でも言い換えれば
理想主義者ってのはもともと
こういう勘違いさんだとも
言えるし、
そういうキャラとして
カロッゾさんは
創造されたのかもしれない。
(‥ )狂気の発言ではあるけども、
お茶目さんだよね。
奥さんに逃げられて
鉄仮面をつけたというのも
彼は大量殺人を犯す
度し難い狂人だけど、
基本的に勘違いしてる
お茶目さんな
キャラクターなのですよ、
という意味なのかね?
制作にそういう意図があったのか、どうなのか。いずれにせよ、どうもカロッゾさん、二次創作を見ても、畏怖の立ち位置というよりは、概してネタ的な扱いをされているらしい。やはり、鉄仮面がいけないのか、あるいは、怖かろう〜、とか、そういう見ている者のハートを射抜くような台詞がいけないのか。
∧∧
( ‥)マルクスさんもそうだと?
(‥ )本気でみんなを生きたまま
理想郷へいざなうことが
出来るし、それを理論的に
予言できた。
それを信じていたのなら
お茶目さんだろうねえ。
だが、現実は違う。そんなんでは駄目だ。自分を含めて全員を殺す者こそ、真の理想主義者。10分の9など、ただの子供のお遊びでしかない。
∧∧
(‥ )幸せにいざないたいのなら
\‐ 人類を絶滅のコースへ
導かねばならない
(‥ )そういう意味では、
例の発言、
原子力ってお湯を
沸かしているだけ
なんですか?
がっかりしました。
あの発言は啓示。
これは、裏を返せば、人間の技術は超絶的で夢のようなことが出来る。無邪気にもこんな馬鹿げた妄想を、皆が信じ込んでいることを示唆している。
無限でクリーンなエネルギー。部品交換の必要がなく、メンテナンスの必要性を無視できるほど頑健な機械。電気をそのままの形で貯蔵し、自在に取り出し、大空を、大海原を経済的に移動できる運輸装置。
これらは妄想でしかないが、しかし、これを信じているというのなら、そこにこそ付け入る隙があるのだ。
∧∧
( ‥)実際には過去に植物が
化学的エネルギーに変換した
太陽エネルギーを
石油、石炭を燃やして、
時間を圧縮するという
浪費的な形式で取り出し、
熱を水蒸気に変換して
タービンを回してなんとか
発電し、
位置エネルギーやはずみ車の
ような運動エネルギーで
電力を貯蔵し、あるいは
蓄電池のように基本は
ボルタ電池と同じだろ?
という方法でしか貯蔵できず
石油でないと運輸装置は
十分に機能せず、
複雑な機械は維持すら大変で
核融合は夢のまま
(‥ )そして石油の尽きる日が
じりじりと近づく。
それが現実。しかし、
甘っちょろい夢を与えれば
人々はこういう
過酷な現実から眼をそらし
油断するよな?
人類の文明は指数関数的に発展してきた。だから未来はもっと....
ああ、そうとも。しかし、忘れておりませんかな?
石炭に代わるものはあるか? 無い。あるとしたら、それは石油ではないか?
これは200年前の議論だけども、我々はここから一歩も出ていない。忘れておりませんか? 指数関数的発展とやらがなんと無力なことか、この事実を。
出来ないものは出来ないのだ。掘削技術の発達で石油を絞り出し、時間延ばしをしているが、これを人々は石油が尽きるという警告は嘘であると受け取った。
あらゆる技術。大深度掘削、四方にドリルを伸ばし、水圧で岩石を破壊する技、水を送り水圧で残された石油を絞り出し、あるいは炎で焼いて流動性を高め、あるいは界面活性剤で溶かしだす。そういう技術の成果をまったく無視して、石油は化石燃料で有限というのも嘘だ、石油業界の嘘だ、実は石油は地下で無機的に合成されていて尽きることはない、そう受け取った。
そういう甘ったるい夢を見ている間に、時間切れは容赦なく接近する。だが、ここにこそ付け入る隙がある。
∧∧
( ‥)そして時がくれば
もはや手遅れ。
地球は有限で逃げ道がなく
環境は破壊され、
人口は維持できず、
混乱が波及すれば
指数関数的な発展どころか
維持すらできず、
解決策を発見する能力、
それ自体を喪失する。
(‥ )人類を理想郷へいざなう
道、ここに開けり。
10分の9などたわ言である。そうではなく、10分の9から先。ここからが本当の勝負。
思うに、マルクスたちは、ただのアマチュアだったのだ。彼らは夢のアマチュアだったのだろう。
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