正午よりも少し前、散歩に出かけると、どういうわけかコウモリ(多分、アブラコウモリ)の左腕がアスファルトの上に落ちていた。

∧∧ なにがあった?
(‥ )
–( ‥)さあねえ
梅雨が開けて今年の夏は強烈で、神奈川県中央はなかなかに暑い。炎天下の中、歩くのがいささかきつい状況。体温は上昇し、まるで走った時のように息が上がる。
∧∧ なぜこんな状況で散歩を
( ‥)
–( ‥)いや、なんとなく
公園の木陰で本を読み、そして、なすすべもなく帰る。
(  ̄  ̄)あー疲れた
∧∧
( ‥)意味ないな、おい
木陰で、「プルターク英雄伝」岩波文庫版 11巻 ディオーンを読んだ。
∧∧
(‥ )シチリア島の独裁者に
\– 仕えたけども、
プラトンさんを敬愛していて
彼を呼んで独裁者を
感化させようとして、
追放されて、でも故郷の人の
ために挙兵して戦って
そして死んだ人ですね
(‥ )なんかな、邪魔者を
ちゃっちゃとぶち殺せば
いいのに、
それを友人たちからも
勧められているのに、
それは徳に反する、とか
そういうこと言って、
結局、それで身を滅ぼして
しまうのよね。
∧∧
(‥ )英雄伝は英雄達の対比ですけど
\– ディオーンさんは
ブルートゥスさんと対比
されているんですよね
(‥ )対比というか、
ギリシャとローマの
似た者同士を比べるというか
まあ、似てるよね。
どっちもプラトンに傾倒して
そして徳を重視して、
ゆえに死んだ。
作者の評価はまた違うけど
そういうことだよな。
∧∧
( ‥)これは、プラトンさんの
理論の敗北?
(‥ )じゃねえか?
少なくとも、プラトンの
哲学を使ったけども
2人とも、現実を
コントロールできなかった
そういうわけだよね。
考えてみれば現実世界の外に理想のイデアがある、そんな前提を敷いた時点で、現実を否定することは出来ても、現実を記述することはできない。ましてやコントロールできるわけがない。
∧∧
(‥ )破滅は当然だった、
\– そういうことですかね
(‥ )プラトンのやったことって
結局、なんだったんだろうね
単に現実世界からイデアなる夢の国に逃げようとした。それだけだったのか?
善かれと思ってやったことだろうけども、それは結局、人を殺しただけだったのか?
この話はある意味、これの続き=>hilihiliのhilihili: そこが謎