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2022年2月23日水曜日

ロシアのクレオパトラ

  
 ∧∧
(‥ )プーチン大統領の演説の
\−  要旨が流れてきてる
    えーと
    ウクライナはロシアの領土
    ウクライナのNATO加盟は
    止まらない
    ロシアを守るために
    親ロ地域の独立を承認する
    以下云々
 
 
 (‥ )なるほどはいはい
     という内容だな
 
 ウクライナのNATO加盟はもう止められない。ゆえに即時開戦の危険を冒してでも、全軍の4分の3を集結させるという無茶ぶりをしてでも、18世紀末にエカテリーナ女帝が確保したクリミアをなんとしても保持する。
 
 ∧∧
( ‥)要するに
    私はロシア帝国の領土を
    保持したい
    だな
 
  (‥ )米国の国連大使が
      プーチン大統領は
      帝国時代に戻りたいだけだ
      と言ったそうだよ
      言い得て妙だな
 
 そしてつまるところこれは、ロシアは帝国臣民の共有財産になることに失敗した、ということであった。ブランドの確立に失敗したとも言える。
 
 ∧∧
(‥ )多民族の帝国が
\−  臣民の共有価値になる
    なんてことは
    ローマ帝国とか
    現在ならアメリカかなあ..
    そういう国を
    抜かせば
    ほぼほぼ例がないからね
    まあこの失敗自体は
    しょうがないけどね
 
  (‥ )ともあれだ
      結局、ロシア帝国は
      ロシア人の帝国
      でしかなくて
      そうでない
      他の民族全員から
      嫌われて肘鉄くらった
      それがこの結果なのよね
 
 
 ロシア帝国を継承したソ連邦は、中央権力が弱体化したとみなされた瞬間に支配下の各民族から反乱を起こされて解体し、ピョートル大帝(在位1682〜1725年)が確保した領土まで縮小を余儀なくされた。

 *厳密に言うとこの時代に確保したバルト三国はすでに独立、NATOに属しており、現在のロシアはピョートル大帝の重大な戦果さえ失ったげろげろな状態と言った方がいい。プーチン大統領の強い危機感はロシアの立場からすれば当然なのである。
 
 ∧∧
(‥ )かように崩壊するロシアを
\−  第二次冷戦を覚悟してまで
    経済制裁で日干しになる
    危険を冒してまで
    なんとか保持しようとする
    プーチン大統領
    歴史的にはなんと
    評価されますかね?
 
  (‥ )ロシアのクレオパトラ
      とでも言えば
      いいんじゃね?
 
 アレクサンドロス大王の死後、分裂した版図のうちエジプトを制覇したプトレマイオス王朝。その最後の国王クレオパトラは、しかし、もはや何も持たぬ徒手空拳も同様な無力な状態で、新たな覇王、軍事国家ローマと対峙せざるをえなかった。
 
 ∧∧
( ‥)それでも
    ローマの有力者
    カエサル
    アントニウスに
    次々と同盟を申し込んで
    己の力量のみで
    国家の滅亡を
    20年近く先延ばした
 
 
  (‥ )プーチン大統領は
      ユーラシア最強の陸軍を
      率いる為政者だから
      クレオパトラよりは
      武器があるけど
      経済がなー
      だめだめだしな
      状況が絶望的だよね
 
 だからプーチン大統領はロシアのクレオパトラと呼べば良いのではないだろうか? もはや滅亡が決まった国家の運命を個人の力量だけでなんとか阻止しようと奮闘する姿は、そう呼んでもかまうまい。
 
 
 
 以下追記
 
 ∧∧
(‥ )ロシアは中国へ
\−  天然ガスを売るから
    問題ないはずだ
    という意見もあるよね
 
  (‥ )ある程度事実だよね
      そういう意味では
      孤立無援の
      クレオパトラとは
      違うねえ
 
 問題はだ、ルーブルも人民元も国際通貨ではなく、単なる紙屑だという点にあった。
 
 ∧∧
(‥ )いくら中国が発展しました
\−  と言ったところで
    首根っこは
    米国ドルに
    つかまれてるからね
    恒大グループも社債は
    人民元では払えたけど
    ドルでは払えなかった
 
  (‥ )中国がいくら
      ロシアの天然ガスを
      買うと言っても
      買取価格は
      国際市場から乖離して
      いるわけではないし
      意図的に高く買い取る
      のも無理あるし
      どうにもならんのだわ
 
 つまるところプーチン大統領の大胆な決断の足もとが、実力ではなく他人任せ。すなわち、市場を無視したノーカーボンによる原油の高騰とそれによる臨時歳入、土地バブルがはじけた中国の、将来性未知数な購買力に依存していることに違いはないのであった。
 
 
     
 
 

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