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2022年2月4日金曜日

包囲される中で会談する二人

   
 ∧∧
(‥ )北京冬季オリンピック
\−  本日開幕
    同時に訪中した
    プーチン大統領と
    習近平最高指導者が
    会談
 
  (‥ )日米英豪による
      中国包囲網が
      NATOがらみで
      ウクライナにまで
      広がる中で
      中露首脳会談が
      当のオリンピック開催地で
      行われるとは
      平和の祭典とやらが
      聞いて呆れるわ
 
 とはいえ、政治とは本来こういうものであったろう。本家である古代ギリシャのオリンピックだって、これと似たようなことをやっていたのではなかろうか?(そういう記録があるか文献未確認だけども)。
 
 ∧∧
(‥ )ただウクライナでの緊張は
\−  インド洋進出を目論む
    日米英豪と中国との緊張とは
    性質が違うよね
 
  (‥ )中国のは
      しなくても良いことで
      ロシアのは断固として
      受け入れられないこと
      だからな
 
 本来、ロシアはモスクワを中心とした比較的小さな大公国で、モンゴル帝国に服属した後に自立。定住民の銃器使用で遊牧民の勢力がじょじょに失われていくに従って拡大。
 
 17世紀のピョートル大帝時代に現在のロシア連邦の土地にまで広がる。しかしこの時点ではまだ、より先進地域だった中央アジア諸国は併合していない。
 
 ∧∧
(‥ )続く18世紀に
\−  クリミアハン国とか
    アストラハン国
    カザフを服属
    あるいは征服したわけで
    ソ連邦崩壊で独立した
    中央アジア諸国は
    日本でいうと
    江戸時代以降の
    獲得だったのよね
 
  (‥ )まあだから反感が
      強いわけだよな
      ウクライナでは
      民間人がロシア侵攻を
      見据えて武装してるけど
      自分たちの独立を
      守る気まんまんだよな
 
 かように中央アジア諸国民からすれば、ロシア人は所詮は近代(日本で言うと江戸時代中期以後の新参の)侵略者で、今、国内にいるロシア人も将来的に駆逐されるべき異民族でしかないし、実際、いずれそうなるだろう。*そもそも石油が尽きれば馬の時代に逆戻りで、そうなったらユーラシアはトルコ系遊牧民に蹂躙される。
 
 ∧∧
(‥ )でも反対にロシアからすれば
\−  この3世紀の間に獲得した
    領土の全てを
    ソ連邦崩壊で
    全部一気に失ったわけでね
    戦略的な重要地
    黒海艦隊の基地である
    クリミア半島を断固
    死守しようとするのは
    当然なのである
 
  (‥ )それを考えると
      プーチン大統領
      よく頑張ってるよな
 
 気候が悪いせいか、あるいはロシアは所詮のところ新興国家で、歴史も経済も根っこが浅いせいか、あるいはその浅い根っこもロシア革命以来、100年続いたマルクス主義のせいで全部失ったのか。

 自由化してもなお、国はまるで発展せず、産業に見るべきものはなく、プーチン大統領が軍事的な策謀で解体していくロシアの領土をなんとか繋ぎ止めるのみ。
 
 ∧∧
(‥ )ウクライナの
\−  NATO加盟なんて
    絶対受け入れられないよね
    喉元にナイフを
    突きつけられるような
    ものですからなあ
 
  (‥ )そういう当然のことが
      話し合いで決着つかず
      もちろん
      ウクライナからすれば
      クリミアが不法占拠され
      大勢の死者が出ているわけで
      NATO加盟を考えるのも
      これまた当然ではあるの
      だけどな
 
 しかしまあ、いやはやこじれたこじれた。
 
 
 一方、中国のインド洋進出は、なんとしてもシーレン防衛は自分で行うぞ、という自主自尊自立な姿勢。それは立派であれど、努力したところで、成功したところでなんの意味もないし、黒字にもならない政策で意味がなかった。

 この野望はつまるところ経済の勢いでやってしまった散財ともいうべきであって、米国のイラク戦争のようなもの。必然性もないし、評価も難しい。
 
 ∧∧
(‥ )そういう中国が抱える
\−  トラブルと
    ロシアの必死の防衛戦は
    一緒には語れないよねー
 
  (‥ )とはいえだ
      包囲されるもの同士
      共闘しないと
      いけないわけでな
      なかなかに苦肉だね
 
 そしてその会談は平和の祭典に出席するという口実で行われるわけで、なかなかに楽しい見ものであった。
 
 
 *100年続いたマルクス主義で全部失った。100年も計画経済していれば、市場経済を知るものはロシアでは全員死んだはずで、これは伝統の短い新興国の経済成長には致命的であったろうという意味。
 
 反対に中国は毛沢東の統治(49〜76年)以後は鄧小平による市場経済への移行を始めるわけで、純粋な計画経済は30年未満しかない。中国が歴史の長い文明国であることも踏まえれば、かの国が比較的速やかに経済大国へ戻れたのは当然だと言える(ただし信用を作ることに失敗したので人民元は国際通貨にはなれず終いであった)。
 
 
 
 

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