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2015年11月7日土曜日

教科書がつまらないから、という逃げ

 
 教科書を面白くする努力はなぜ行われないのか?
 
 ∧∧
(‥ )だそうですが
\‐  
 
  (‥ )それは詭弁だよね
 
 例えば教科書という枠組みをとっぱらって見よう。参考書でもなんでも良い。

 そうすると、漫画、萌え、対話形式、口語、あらゆる試みが存在することが分かるだろう。
 
 問題は、そういった面白く教える試みが成功したか? という点にある。
 
 ∧∧
( ‥)成功した試しはないね
 
  ( ‥)みるみる分かる
    ‐/ 面白く学べる
      そういう本は山ほどあれど
      どれも成功したことがない
 
 それを踏まえれば冒頭の話、すなわち、教科書が面白さを追求しないのは怠慢ではないのか? が詭弁であること明白だ。

 それは話を教科書という枠組みに意図的に限定することで、

 あたかも、物事を分かりやすく学べるようにした試みが、一切存在しないかのように見せ
 
 そしてそのような”斬新な試み”をすれば劇的な効果が上がること
 
 そして、それを行わないのは教科書を作る人々の怠慢であること
 
 そして自分はその被害者であるかのようにたばかっておる。
 
 ∧∧
(‥ )実際、教科書が面白くないのは
\‐  必要な基礎を全部
    叩き込む必要があるから
    それをずらーって
    並べたからだよね
 
  (‥ )必要最低限度の
      ことだけでも
      膨大な数があるからな
 
 例えば、今時はそうではないかもしれないが、メンデル遺伝を誰もが覚えたであろう。血液型のA型にもAOとAAがあることは良く知られている。
 
 劣性、優性、という性質が遺伝にあることも知られている。
 
 ここまでは基礎だ。
 
 さて、この基礎を踏まえると次のことが言える。
 
 平均すると100人に1人が、ある劣性の遺伝子を持っているとしよう。
 
 つまり、この遺伝子が発現するのは、100人×100人の組み合わせで1回だ。
 
 この確率でこの遺伝子はペアになり、これまで隠されていた性質を発現させる。
 
 ∧∧
( ‥)100×100で1人
    つまり1万人に1人だ
 
  (‥ )この変異が遺伝病とされる
      ものだったら
      1万人に1人の奇病って
      扱いになるんだが...
 
 実は100人に1人が持っているわけで、そんな珍しくもない。
 
 ましてや遺伝病とされるようなものは種類が100よりずっと多い。
 
 ∧∧
(‥ )つまり誰もが何かしら
\‐  有害な変異を持っている
    そういうことになる
 
  (‥ )劣悪な遺伝子を
      排除しようとか
      そういう試みに
      意味が無いのは
      このせいだよね
      優生学の夢はついえたのだ
 
 もちろん、優生学とは反対に、遺伝的多様性は重大なので、そのためには弱者を保護して劣悪な遺伝子でも保全しましょー、とかそんな脳内お花畑なインチキ理論武装も必要ない。

 すでに我々の遺伝子は有害、無害、致死に至るまであらゆる変異の巣窟であり、貯金はいくらだってあるのだ。進化に即座に対応できる。

 我々が弱者を保護する際に、以上のようなエセ科学な理論武装をする必要などどこにもない。相互扶助は生き抜く際の保険だよねー、と言えば良いだけの話。
 
 ∧∧
(‥ )ともあれ
\‐  メンデル遺伝ひとつでも
    このように教科書では
    語られない
    現実と応用があるのである
 
  (‥ )でもこのことを
      語り始めたらそれだけで
      教科書の1章が
      つぶれちまうからな
      省略されるよね
 
 つまり、基礎以上の事は個人で獲得すべきことなのだ。そのための図書館であり、そのためのより高度な教科書であり、あるいは参考書である。それらは全部、あなたがたの手が届く範囲にある。
 
 ∧∧
(‥ )でもそこには目を向けず
\‐  面白い教科書はなぜないのか?
    それを話題にする
 
  (‥ )ここまでくれば
      その動機が分かるよな?
 
 
 それは逃げだ。
 
 教科書さえ面白かったら、俺はこんなことになっていなかったはずだ。そう言い訳していないか?
 
 
 
      
 

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