自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2015年6月20日土曜日
法的曲解を合法かどうか認めるのは人々
物事を調べるには金がかかる。例えば1時間検索すれば時給換算で1000円以上の労働となる。
∧∧
(‥ )でもほとんどの人は
\‐ 1時間以上
検索することはない
(‥ )人間のほとんどは
1000円以下の情報で
満足してしまう
そういうことだな
ネットの情報はタダだが、タダの情報は所詮はタダだ。そう言うと激怒する人間もいるが、これはまったくの事実だ。情報には値段があり、値段によって内容が変わる。
∧∧
( ‥)それで?
( ‥)ビザンチン帝国の
‐/ 裁判の話
原典が分からなくてな
それはこんな話である。ビザンチン帝国、実態はギリシャ帝国だが、それは東ローマ帝国である。西方の蛮族共が自称したカール大帝だの、神聖ローマ帝国皇帝だのというまがい物とは違う。ビザンチン皇帝はまぎれもないローマ帝国の後継者。
11世紀、ビザンチン帝国において、夫を殺された夫人が殺人犯を告訴した。裁判に入る前にまず議論があったという。かかる夫人はそもそも殺人犯を告訴できるのか?
古来ゆかしきローマ法を引用した討論が行なわれ、告訴は可能であるとされた。そうして裁判が始まる。
*元文献は日本語のビザンチンの本では手頃かつ有名なものなので、ここではあえて書名を示さない。それに、この文脈で引用するのは迷惑をかけるかもしれぬ。
∧∧
(‥ )でもこの
\‐ ”夫人の告訴は可能である説”
これは実のところ
トンデモ解釈であると
(‥ )ローマ法って女性の
法的権利をほとんど
認めていないのだよね
真面目に考えれば
女性の告訴は認めません
残念でしたー
で門前払いのはずなのに
法律をこじつけ解釈して
オッケーにした
らしいのだよな
出来れば引用だけではなく、原典を知りたいところ。しかし、少し調べただけでは出てこなかった。
∧∧
(‥ )まあ探せばそのうち
\‐ 出てくるでしょう
(‥ )1時間程度探しただけ
だからな
ビザンチン社会とローマ法
女性の権利や扱いの
歴史的進展の文献は
幾つか出てきたけど
以上の原典には
まだたどりついていないね
ともあれ、以上の話を踏まえて考えると色々なことが言えよう。
∧∧
( ‥)時代にそぐわない
古い伝統的な法律を
遵守すべき金科玉条と
奉りながら
建前は建前、本音は本音で
現状に合わせて
法律をひん曲げて解釈して
運用すれば良いじゃない
(‥ )それを期待されているのが
裁判所や法学者である
わけなんだけどね
昨今は、集団的自衛権を違憲であるとする憲法学者たちに不満が続出しているようである。
ようするにこんな紙切れの条文を文字通りにしか解釈できない引きこもり共のせいで俺たちの命が脅かされてはたまらない、という不満だ。まあ確かに憲法学者の給料が税金であることを考えれば、怒りが増すのも当然だろう。自分たちに養われている寄生虫のくせに、いざという時に役に立たないどころか、有害となれば駆除したくもなろう。
∧∧
(‥ )中国の南沙諸島埋め立て
\‐ 軍事基地建設問題で
米中、日中、で
軍事衝突が起こる可能性が
指摘されてますから
その時に法学者のせいで
おかしなことになったら
困りますと
(‥ )法学者が現状を見ないで
国家を運営する
イランを笑えなくなって
しまうわけだなあ
まあ実際にはイランと違って日本の法学者に最高権力があるわけでもなし、多分、戦争が起これば、なし崩しに物事が進んで、しかもうやむやになって終わりってことなのだろう。その時には新しい学閥が作られて、既存の学閥と置き換えられているのかもしれない。さもなければ、法学者たちが街頭に引きずり出されて民衆にリンチされて物事が変わるのだろうか? 確かに殉教を選ぶ人はいつでもいる。それは尊い行為と賞賛されるかもしれないし、頑迷な石頭と笑われるのかもしれない。
∧∧
(‥ )いずれにせよ
\‐ 現実を見据えて
法律を曲解しないと
法律は現実に
轢きつぶされるだけですよと
(‥ )反対に
現実が法律に従うべきだ
そう主張する人もいるな
だがそれだと
法律は世界のすべてを
包含していると言うのと
等しい
それでは
俺のプログラムにバグは無い
と言っているのと
変わらないたわ言だよね
なんでも曲解すれば良いというわけでもなかろうが、現実を決めるのが人々の要望であることを考えれば、それに従わなければ打ち捨てられるだけなのだ。現象の背景にある物理的な力を無視するわけにはいかぬ。
∧∧
( ‥)法的曲解を合法と認めるのは
法学者ではなく
実際には
人々の要望なのである
( ‥)そこを見極めないと
‐/ 後でどえらい目に
あうからね
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