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2015年1月8日木曜日

あなたの理屈では、近親相姦を避けることを説明できませんよね?


 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  ( ‥)ああほら、後さ
    ‐□ ちょっと気になるの
      だよね
 
 人間が種として採用した生存戦略は、弱者保護によって将来有望になるかもしれない有害遺伝子を保護することである。
 
 この説明を、すばらしい! と感じた人は
 
 
  (‥ )あれか?
      自分は有害遺伝子を
      持たないけども
      有害遺伝子を持つ人を
      差別しないで
      保護してあげなくちゃ
      そう思ってるのか?
 
 ∧∧
( ‥)...そう、なりますかね?
 

  いやいや心配ご無用。お前も有害遺伝子を持っとるがな。
 
 
  ( ‥)あなただって有害遺伝子を
    ‐□ 持ってるだろうに
      何を言っているのだ?
      そう言ったら
      どう思うのかな
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 
 これ自体はこの話である=>hilihiliのhilihili: 劣悪遺伝子の排除とは無茶な設定です
 
 実際、誰もが有害遺伝子を持っているということは微妙に知られていないらしい。
 
 いや、あるいは中途半端に知られているというべきか。
 
 例えば近親相姦をすると
 
 ∧∧
(‥ )今までマスクされていた
\‐  有害遺伝子が発現する可能性が
    高まるから
    生まれてきた子供の
    成長や健康に影響が出る
    可能性が高まりますね
 
  (‥ )そこまではなんか
      みんな知っている
      らしいのだよね
 
 でもどうしてそうなるのか、それがよく分かっていないらしい。
 
 近親相姦をすると遺伝子がおかしくなる、そう思っている人もいるようだ。
 
 あるいは中には、これ自体がデマだと考えた人もいる。曰く、近親相姦の実験なんかしたら人権問題になる。出来るわけがない、つまりこれは根拠の無いデマだ、というわけである。
 
 ∧∧
( ‥)兄妹、親子ではないけども
    昔は日本でも近親結婚は
    多かったから
    そのデータを対比して
    算出しているのだけどね
 
  ( ‥)まあ世の中には
    ‐□ 知らないが故に
      びっくりな結論に
      飛びつく人が
      いるものなのだ
 
 現実はもっと単純だ。性のある生物は両親の遺伝子を半分ずつもらって、それを一対、ワンペアとして用いる。近親結婚をすると両親の血がつながっているから同じ遺伝子が子供でペアになりやすくなる。それゆえ、もともと血筋が持っていた有害遺伝子が発現する機会が多くなる。それだけの話。別に近親結婚したから遺伝子が変化するとか、そういうことではない。単に祖先の共有があまりにも近いから。同じ有害遺伝子がペアになる確率が高まる、それだけのことだ。
 
 ただ、その結果は無視できないものとなる。
 
 ∧∧
(‥ )生物の多くが近親交配を
\‐  避けるのは
    近親交配によるこういう
    困難を避けるためだよね
 
  (‥ )より適切には
      近親交配を避ける個体が
      有利になる
      そうしてそういう性質が
      進化で形成される
      そういうことだな
 
 生物の勝負は一世代ごと、その場限りの真剣勝負。目先の損得で勝負が決まる。そうである以上、近親相姦を避ける個体や、それを司る遺伝子が有利になるのは当然。人間にもそういう性質が組み込まれているらしい。子供の頃からずっと一緒に育つと、血はつながっていないのに結婚を避けるようになるという傾向など。
 
 近親相姦を行なうと、誰もが持っている有害遺伝子が発現する可能性が増える。それゆえ近親者との結婚を避ける性質が有利になって数を増やした。そういう単純な理屈であり進化だ。
 
 しかし一方、こういうことも知られていないようである。近親結婚を長く続けていると、むしろ優良な個体が誕生してくるようになる。
 
 ∧∧
(‥ )近親交配を続けると
\‐  有害遺伝の発現で個体が死ぬ
    すると個体ごと
    有害遺伝が取り除かれるから
    優良個体が多くなる
    もしも
    有害遺伝の発現による
    繁殖力の低下や成長の悪化
    健康の不良など
    そういう困難をかいくぐった
    系統であればこれが可能
 
  (‥ )ネズミとかで確認された
      話だよな
      人間で出来るかどうかは
      知らないが
 
 しかし、そういえば、近親交配を続けたのに繁栄した王朝があるのはなぜですか? そう以前、人に聞かれたことがある。
 
 ∧∧
( ‥)それはこういう事例だと
    思います?
 
  (‥ )人間にそんなことが
      出来るとは
      あまり思えないの
      だけどね
      どうなんだろうねえ
 
 質問された時にもそう答えた記憶がある。
 
 人間の繁殖力で、何世代にも渡る繁殖力の低下や健康の不安など、そういう危機を乗り越えられるのであろうか? 
 
 そもそもその王朝は本当に近親結婚を繰り返していたのか? 
 
 疑問は尽きないが、その王朝のことを調べていない以上、なんとも言い様がない話だ。
 
 *将来的には調べる必要があるだろう。
 
 ∧∧
(‥ )でもあれだね
\‐  優生学主義者の人たちには
    近親相姦すると良いよ
    そう言えばいいわけですかね
 
  (‥ )繁殖プログラムをうまく
      作れば可能なのかねえ
      とはいえ
      優生学主義者も含めて
      大概の人間は
      どん引きする計画だよな
 
 あるいはこうも言えよう。
     
 弱者保護は将来を見据えた遺伝的多様性を確保するためである。人間の生存戦略はそれだと豪語し、そしてそれを信じる人には、以上を踏まえて次のように問うてみても良かろう。
 
 近親交配の弊害を乗り越えれば健康になれます。将来を見越した進化が出来るというのなれば、これもまた成立するはずですよね、と。
 
 ∧∧
(‥ )なんて答えるでしょうね?
\‐ 
  
  (‥ )優良な遺伝子だけを集めた
      個体群は環境変動で
      全滅してしまうのです
      それも知らないのですか?
      そう言い返して
      くるんじゃね?
 
 だがそれだけでは問いに答えたことにならぬ。
 
 彼らが擬似的な進化論もどきで弱者保護を正当化した理屈の根底には、将来の利益を考えれば目先の損失を突破できる、そういう無茶ぶりが隠されている。そうであれば問いは深刻に考えるべきなのだ。
 
 あなたたちが無自覚に前提にしている事柄、損失を出しても将来の利益を考えて生物は進化できる。それが本当に起こるのであれば、我々が近親相姦を避ける傾向があることは説明できませんよね? と
  
 あの回答を成り立たせている論法では、人間が近親相姦を避ける理由を十分に説明することはできない。
 
これは=>hilihiliのhilihili: 1000円と1000ペンの続きでもある。
 
 
 
 

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