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2015年1月29日木曜日

天空にかかる家の夢

 
 
  ( ‥)そういえば先日
      妙な夢を見たな
 
 ∧∧
( ‥)夜の夢でしたっけ?
 
 自分のいる部屋は砂の中だった。どうも砂丘を掘って、くりぬいてつくったらしい。砂の天井、砂の壁、砂の階段、そんなものがどうして崩れないのか理解に苦しむ部屋だ。
 
 机などはあった。しかしどれも半ば砂に埋もれている。
 
 窓もあった。砂丘のぎりぎり。部屋は砂丘を掘られて出来ているから、床は人間の背丈ほど掘り下げられていて、窓はちょうど外の地面と同じ高さだった。
 
 そして、見える景色は真っ暗。
 
 外に出てみると、そこはなだらかな勾配の砂浜だった。海が見えるが、波の音がしない、波が砕ける様子も見えない。静かな世界だ。本当に海だったのかも分からない。しかし水面の向こうは水平線が広がるのみで、なにも見えぬ。広大であることは間違いない。
 
 星も見えぬ真っ暗な空。波もたてぬ果てしない水面。かすかに分かる灰色の砂浜。
 
 空にはしかし妙なものが浮いていた。どういうわけか家である。なかば逆さまになって、かしがった姿勢でじっと天空にかかっている。まるで自分がこの世界の月であると言わんばかりだ。
 
 ただ、でかい。空の四分の一あまりを覆っている。そしてなぜなのか、どうしてなのか、家には二つの眼があった。
 
  (‥ )死んだ後の世界って
      あんなもんかな?
 ∧∧
( ‥)死んだ後には
    何も無いでしょ?
 
 死は感覚の喪失だ。そこには何も無い。
 
 ∧∧
(‥ )小説の言葉だよね
\‐
 
  (‥ )とはいえだ
      星が見えて
      望遠鏡があるのなら
      あの夜の世界でも
      いいかもしれん
 
 いや...永劫の夜は飽きるだろう。昼が無いというのは、飽き飽きするに違いない。というか、あの無駄にでかい家は夜空の邪魔である。
 
 あるいはしかし、夜の世界なのに砂丘には植物が生えていた。あの世界は昼が来るのかもしれない。それとも単純に夢の舞台装置として、脳が設定しただけだろうか? 確かに、以前みた夢の夜空には星があったが、星座がおかしかった。ペガサス座とカシオペア座の位置関係が間違っていたし、ペガサス座の大きさも変だったのだ。かように夢の世界とは現実が再現しきれていない。
 
 それにしても、なんで自分の脳は天空にかかる巨大な家を作り出したのであろう?
 
 ∧∧
( ‥)先日、星を見るために
    夜の海にいったし
    引っ越しもしたいから
    そんな夢を見たんじゃない?
 
  ( ‥)かもしれないな
    ‐□ 人間いつ死ぬか分からんが
      死ぬにはまだ早いし
      まだやらねばならんことが
      あるからな
 
 しかし、仕事は進行こそしているが、なかなか進まないのである。
 
 
 

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