自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年7月11日金曜日
我ら、19世紀からのカビ臭い亡命者
∧∧
(‥ )進化論には数式が
\‐ 無いではないか
(‥ )遺伝子の平衡や
動態を記述する式は
とっくの昔から
あるけどな
ご存じないと
∧∧
(‥ )チンパンジーは人間に近づく
\‐ 進化をしていないじゃないか
(‥ )ああ、それは進化論じゃ
ないよねえ
それは、存在は上下の一列に並んでいて、エスカレーター式に繰り上がるという考えであって、中世期の世界観である。
*例:人間は天使になる。そうなるとチンパンジーが人間になる
これは進化論を理解できない人間の思考が、実は中世期のままであることを意味しているのだろう。
**言い換えると、中世期の人間の思考は人間の思考としては非常に当たり前のものであったことを示している。つまり我々は彼らの”無知”をまるで笑えないわけだ。
∧∧
( ‥)実際、今でも
マイナス×マイナスが+に
なることを理解できない
人たちがいたり
今でも虚数は計算に便利だから
導入したものでしかなく
存在しないと考えている人が
いますからね
人は中世期のままなのだと
( ‥)極めつけは
‐□ この発言だな
”真実だというのなら証明、あるいは再現実験をしなければならない”
しかし残念、人生とは再現実験できないものである。そしてお前の理解はお前の人生そのものに包含されている。つまり人生は再現できず、ゆえに理解もまた再現できない。なれば、お前の人生と、ひいてはお前の理解も真実ではありえないことになる。つまり”真実は再現実験できなければならない”とは必然的に真理たりえない。
∧∧
(‥ )たぶん、
\‐ 真実とは再現できるもの
これを言ってしまったのが
まずいのでしょうね
(‥ )真実は証明されるものだ
主張がそれだけだったの
ならば
それは本来の数学的な
証明の言及で終わったのだ
それを再現実験なんて言い出して、自然科学の領域にまで話を無条件に拡張するからおかしなことになる。
そして、歴史は再現できないから科学ではない、と主張する人間が、自分の過去の経験から物事を論じるような、そういう無自覚なとんちんかんをしてしまうのはありがちなことだ。
そもそも再現という言葉自体、時間と過去に関する言及だ。
今や、自然科学が扱う技術は論理や帰納だけではない。用いるものの中には、統計学や過去推論、確からしさというそれまでになかった概念があるし、それらは論理や帰納という古い概念では扱えない概念でもある。このように、理解の根底で使われる概念そのものが大きく変化する。これは数学でも自然科学でも起きたことであった。
それを考えると
∧∧
( ‥)それを考えると
19世紀って本当に
大きな転換点だったの
でしょうね
(‥ )過去を論じる地学
確率と因果関係を論ずる
統計学の黎明期
統計熱力学の萌芽
それと関連するように
登場した進化論
虚数の存在と複素平面
無限と無理数に関する
理解の前進
これは人類史を塗り替える
大きな出来事だよな
これに比べればコペルニクス革命、天動説から地動説の転換も別にたいしたものではない。なぜって、そもそも地動説はかなり古い仮説で、当時すでに2000年の歴史があったからである。
*そもそもコペルニクス革命というものは起こっていないし、歴史的な事実でもなく、存在すらしていない。天動説から地動説への交代は何十年以上もかけてじょじょに起こった出来事だ、こういうの革命とは呼ばないよね、というのはここでは取りあえず論じない。それに、論じたところで結論は同じである。
∧∧
(‥ )19世紀は本当に大きな
\‐ 転換点で
そこから認識や理解が
まるで変ってしまったのだと
(‥ )19世紀以前の理解は
普通の人間の理解
それ以降は
理解が普通でない領域に
突入してしまった
そういうことなのだろうな
そして、この大変化についてこれなかった人々が大勢いる。そういうことなんだろう。
つまり、我々は19世紀以前の時空からやってきた、カビ臭い亡命者なのだ。
さて、蛇足的に付け加えると
∧∧
(‥ )人間はなんで進化して
\‐ いないんだ? という
質問もあるね
(‥ )いや、普通に進化して
いるじゃんよ
北米の先住民の集団は、集団ごとに血液型の偏りが激しかったりするし、東南アジアやオセアニアでは脂肪を蓄積しやすい体質の人が多いし、マラリアが流行する地域では鎌形赤血球を初め、他の地域ではあまりないような変異が色々と見られる。
∧∧
( ‥)創始者効果とか
遺伝的な浮動
あからさまな
自然淘汰の結果だよね
( ‥)こういうこと
‐□ なにもしらんのな
あるいは多分、X-メンに登場するミュータントみたいなものを進化だと思っているのだろう。そして多分、先のような疑問を抱く人はメンデル遺伝についても理解していないことは疑いない。
ブログ アーカイブ
-
▼
2014
(726)
-
▼
7月
(60)
- 蟻と卵黄
- あなたの欲しいエロはそこにありましたか?
- 原点回帰は笑えません
- 能力があると自負する人は自爆します
- 守護聖人
- 放置しても効果的に見えるのなら連呼ですませるだろう
- 個人の話ではなく組織の話として
- 事故はサイコロの目を覆せない
- 答えは理系なら単純、文系なら複雑 というありがちな...
- 私は確かに捕まえた(多分)
- 夕立の後の空
- 僕らが苦難の中で掴むもの、それが宗教
- 真の民主主義が精神論
- 自分好みの百合に救われる
- 途方に暮れるのはいつもの話
- 働くお母さん
- 2014.07.24 16:00 36度 58パーセント
- カバの話 ゾウの話 問題提起の話
- 創作物の限界こそが我々の脳神経と認識の限界
- 地球収縮・地球膨張
- 有権者お勉強計画
- 僕らは歴史を把握する必要があり、古本は役に立つ
- 教科書が当時すでに時代遅れで駄目になりかけていた事例
- 俺、馬鹿だから分からない、うはっ! なんたる傲慢発言
- パラダイムシフトは教科書を読まない口実にされる
- なぜか疲れている
- 確かに教科書はまずい味がする
- そこにあるのは多分、永遠の”べき”
- 助け合いは報復と暴力がなければ成立しえない
- 騒がしき昨日
- 抜けるような虚空の下で矛盾と整合性を
- 精神論は良いぞ、具体的なことを考えずにすむ
- 読書家の脳神経がただの”ふるい”になっている可能性
- 検証抜きの読書は独りよがりの累積
- 本を読んで分かって理解して、それが一体何だというのだ?
- 確かにスポーツは良い ちゃんと基準がある
- 夏の世界を歩く夢
- イカは貝類である
- 我ら、19世紀からのカビ臭い亡命者
- 使っていない神経をいきなり使っている感じ
- マスコミの不寛容さ
- 文明の勝利
- 弱体化とは迂遠なごまかし:ラミア戦争とフィロポイメーン
- 雪かきの時も精神論で批判していたよな
- 造影剤と熱と血液の軌道
- 作詞作曲 武田信玄
- 深い深い理解
- 努力だ頑張りだ、それはごまかしと言うのだ
- お前の人生のイデアはどこにある?
- 私たち自身の現状の理解がまったくトンチンカンである可能性
- 私たちにも言い分があるということは、分かってほしい
- 何が分からないのか分からない
- なるほど、これは効果絶大
- 極端な例は高低差を誇張された地図のように
- 響く足音
- 人間はプログラムから自由になれぬ
- 長期計画
- 核自爆もパフォーマンスで自己主張
- 重大な要素だけから単純な見通しを
- 終わりゆく民主制
-
▼
7月
(60)