自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年4月14日月曜日
それは考えて作られた間違いでしかない
その人物はネット上の掲示板で、隕石衝突でクレーターが出来る、そして隕石衝突で火山噴火が引き起こされ、クレーターの中央に丘が出来るのです。そう力説したのであった。
∧∧
(‥ )クレーターの中央には
\‐ 丘や山がぽつーんと
出来てることが
あるからね
(‥ )でもあれって、
隕石衝突の爆発とその反動で
できるんだよな
実際、人類が実験によって作ったクレーターでそういう丘が出来た時、それは衝撃によって地下の粘土層が盛り上がったものだった。明らかに火山活動ではない。
そして天然のクレーターの構造もそうなっているのである。地下の堆積物が全部、上へせり上がっているのだ。
つまり、冒頭の意見を述べた人物が、この事実を知らないことは明らかだったし、そういう本を読んでいない事も明らかだった。
そもそもクレーターについて書かれた本は日本語には事実上、一冊しかない。しかしそこには”粘土層の盛り上がり”という事例がちゃんと紹介されている。このことを考えると、冒頭の人物はクレーターに関してまったく調べることすらしないまま、たった1冊の文献を読むことすらしないまま、勝手な思いつきを自信満々に述べたことは明らかだった。
つまり、冒頭の主張は考えて作られた間違いでしかないのである。
さて
ネットで見た言葉に曰く。
考えるな調べるんだ。
∧∧
(‥ )まあ、そりゃあそうでしょうね
\‐
(‥ )確かに、考えるという
行程は大事なんだけどね
だが、考えるという行程は、「こうじゃないか?」というあたりをつけるだけの作業だ。言って見れば、調べるために考えているだけでしかない、とも言える。
∧∧
( ‥)考えて”分かること”など
ごく少ない
(‥ )というか科学ではないね
数学だろうね
いや、数学ですらないんだろう。数学だって様々な思いつきを発明品として付け加え、そうして革新的な進歩をしてきたのだ。0、マイナス、無理数を表示する√、虚数、複素数、筆算、小数点、大容量の計算を可能ならしめる対数、微分、積分、無限を扱う際の新しい決まり事。
これは、単純に論理的に考えたという結果ではあるまい。
仮に単純に論理的に考えてこのような発想が発明されるというのであれば、ではなぜユークリッドの幾何原論では二次方程式を充分に解けないのか? なぜ天才たるアルキメデスは芸術的とも言える、しかしその場限りの技巧を使った積分と微分の証明しか出来なかったのか? なぜニュートンは自ら微分積分の基礎を作りながら万有引力の証明にそれを使えなかったのか?
考えて出来るなら、全部を理路整然と導いてもおかしくないだろう。
考えれば論証できるというのなら、ではなぜ人は0やマイナスや微分、積分、虚数に疑いの眼を向けたのか?
∧∧
(‥ )論理は発明を産まないって
\‐ ことですかね?
(‥ )それを考えるとだな
時々、いるではないか。自分は考えたよ、自分は考えて成果を出したよ、考えることこそが大事だよ。
まあ、言うのは勝手だが、以上を踏まえると、どうも不安を感じてしまわないか?
つまり
お前の言っているその成果と業績とやらは、本当に成果なのだろうか?
実際には、ずっと底辺をのたうちまわって、その事実から逃れるために、自分は考えたから大丈夫だ、そう虚勢をはっているだけではないのか?
本当にお前の成果は成果なのか?
それにひょっとしたら
お前の業績はただの嘘っぱちじゃねえのか? 冒頭の人間が調べもしないで考えた故の間違いを、堂々と主張してしまったように、お前も知らぬままにそれをしているのじゃないのか?
∧∧
( ‥)その懸念を考慮せよと
( ‥)考えただけでは
‐□ それが正しいとしか
思い込めなくなるのでな
考えた正しさは、その正しさを保証してくれない。
それゆえ、考えた時間を誇示して自分の意見の正しさを正当化したり、考えの論理性を誇ることで正当化することは、あまりにも危険すぎる。
ブログ アーカイブ
-
▼
2014
(726)
-
▼
4月
(61)
- こればっかりはどうにもならぬ
- 仕事してねー やべー 俺やべー
- 太陽光発電では生活できない人類が機械にまかせて遊び暮らそうとは...
- 機械に労働をまかせて働かないで暮らせる社会はありえない
- 月齢25と26
- 科学ライターは殲滅しなければならぬ ただの一人も残さずに
- 月齢24の月(1日遅れ)
- なぜお前は私を選ばなかったのか?
- もう明日のことが分からないってことは確からしい
- 寝てしまったので
- 月齢23の月(去年のもの)
- 人は輝かしき青春に一生拘泥する
- 獣にプログラムを上書きしただけ
- 確かに昔、アメリカは憧れの国だった
- 間違った中二病も物事を説明できる
- ああ、やっぱ中二病だったんだ
- 真面目に考えると八方ふさがりなので
- 理想の民主主義とかそういう雑なことより
- 闇の三原色
- その胡散臭さは本来からあまりにかけ離れすぎている
- 戦争ごときではリセットできないらしいので
- 19日の朝は曇りだった
- ツバキがアステリドだった
- キリンの長い首とオカピの短い首
- 月の海と雨と椿と
- 月齢16日 クレーターは上書きされる
- 月齢15日、フンボルトの海は見えず
- 忘れていないか? 自分が把握していない経費がこの世界に存在することを
- 月齢14の月とマレ オリエンタレ
- 文章は任意の部分を無駄なく広げられるので
- それは考えて作られた間違いでしかない
- 因果関係は判定できず、雑な詭弁を義憤にかられて語る
- 月齢12の月とワルゲンチン
- タンブルウィード
- 月齢11の月
- 海辺の不法投棄
- 二つの球状星団
- 2つの人工衛星
- ヘルクレス座とエルタニン
- へび座の球状星団
- 明るい灰色の空に天の川を見た
- 星が王子様
- 4月の重油騒動
- ホンヤドカリ無惨
- 2014年:火星逆行中
- 混沌たるサボタージュ局
- 金を賭けなければギャンブルではないが、それだけで勝てるわけでもない
- 仕事は結局、認識か
- 巨大なクマさん
- 4日の月とアルデバランと5日の太陽
- それができなくなる、それが老い
- 主人公のお行儀が良いからこそ
- やれないことが色々とあります
- みんなが我慢していたものをあえてやる
- 要約すると、確かに彼は愚かだったのだけども
- 脳が悪口を区別できないというのなら
- 物書きと”分かった問題”
- 安易に言うと100人いれば100人に1人の...
- 理解するにはどの大前提を捨てたら良いと思う?
- あのマッチポンプぶりはただ事ではない
- ぺらい専門用語を使うのがいけない
-
▼
4月
(61)