自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年4月1日火曜日
ぺらい専門用語を使うのがいけない
夢を見た。どういうわけか高校時代の、もう縁が切れてしまった連中と映画を見に行くのだ。なぜかあの時のままの姿だった。あるいは、お互いに大学生になっているのかもしれない。映画館はビルの何階だかにあるという。しかし、エレベーターの扉が開くと、そこは居酒屋で、映画が始まるまでそこで時間をつぶすのだと。それにしても朝っぱらからやっている居酒屋があるものなのだろうか? 経営者の子供が遊んでいるのだが、これで良いのか?
明るい日差しが差し込む中で飲んでいると学生がやってきた。若い連中だと思いながら、考えてみれば自分も今は同じ年齢になっているのだ。彼らが言うには自分たちは「日本コメント学会」にきているのだという。
∧∧
( ‥)なにそれ?
( ‥)知らんよ というか
‐□ それを聞いている途中で
目が覚めた
検索をかけた限りでは、どうもそんな学会は存在しないようである。
さて
専門用語は、しばしばもったいぶった虚構の内容を指すファンタジーになってしまっている場合がある。
∧∧
(‥ )専門用語はどれも内輪で
\‐ 発明された単語であるけども、
現実的に使える単語なのか
創作物を示す
単語でしかないのか
そういう違いがありますよと
(‥ )それを考えるとあれだ
いずれにせよ、
何かを理解するには
専門用語を知らねばならん
そういうことでもあるよな
指輪物語の専門用語を知らないと物語は把握できない。
∧∧
( ‥)物語の専門用語を把握して
理解できるのは物語である
( ‥)だが、把握できることは
‐□ 把握できるのだ
学問の世界では、物語をつむいで物語でしか通用しない専門用語を発明してしまう場合がある。
∧∧
(‥ )つまり、虚構でしかないけど
\‐ 彼の虚構を把握するには
彼の専門用語を把握すべき
そういうことだね
(‥ )つまり、どんな時でも
専門用語はちゃんと
把握しなさいってことでも
あるわけだな
その意味で、科学は専門用語だらけで分からない、というのはただの愚か者であるし、これは科学に限らない、それがどんな学問でも、例えそれが独りよがりの虚構でしかない学問でもそうだ。
独りよがりの俺様理論でも、一応、彼の専門用語には目を通さなくてはいけないだろう。くだらないことではあるが。
∧∧
( ‥)科学の世界でもそういう
独りよがりの専門用語が
乱発されることがあるけども
( ‥)ルイセンコ主義者とか
‐□ マルクス主義の研究者が
そうだったよなあ
まあ、あれはもともとが
マルクス主義に由来する
単語なんだけどね
メンデル遺伝は観念的であり誤りである
そういう言い方を彼らはよくしたのだ。
∧∧
(‥ )観念的って仮説的ということ
\‐ なのかなあー、と思うけども
そうではないのですよね
(‥ )仮説的という意味では
マルクス主義もそうなのだ
社会が向上的な発達を行う
そういう力を内在している
そう仮定した以上はね
だが、どうも彼らはこれを仮定ではなく、真理と見なしたらしい。そして真理とは論証する必要がないものだ。真理だとしたからには、論証を放棄して良い。後は彼ら自身のやりたいことをすべてこの”真理”で裏打ちしてどんどん言葉をつむいでいった。
∧∧
( ‥)そのひとつが
メンデル遺伝は観念論である
として否定することだった
(‥ )平たく言えば、自分たちに
都合が悪いものは
観念論だ、そういうこと
なんだけどね
言ってることを
把握するのに
時間がかかったもんだよ
そして時間をかけて暴いてみれば、つまらない専門用語なんである。マルクス主義者やルイセンコ主義者たちの言っていたことは、検討してみればくだらない虚構の堆積でしかなかった。要約すれば、自分たちは正しい、自分たちに都合の悪いことは間違っている、ただそれだけでしかない。
∧∧
(‥ )そんな専門用語で
\‐ 飾り立てるべきでは
なかっただろう
(‥ )しかし、そういう時もだな
専門用語を使う
べきではない
そう批判しては
いかんのだな
彼らの専門用語は雄弁ではあるが薄っぺらい。翻訳すれば内容の無い、貧しい虚構でしかない。
そう言うべきなのだろう。
彼らの言葉を回路として組み上げて検討すると、それは裏打ちがなく、作り話を積み上げた使えないがらくたでしかない。
そう批評するのが多分、正しい。
∧∧
( ‥)専門用語は論証すべきであり
検証され続けるものである
(‥ )それを怠った
マルクス主義は破滅した
まあ、そういうことだな
メンデルの考えた遺伝子、核物理学者の考えた電子、ニュートンの考えた重力、いずれもそれを仮定した後で、それ自体を論証しようしたもので、なおかつ論証の過程でその有様も変わっていった。そうして確からしさを積み上げていったのだが、そうしない人々もいた。彼らの場合、ぺらい専門用語を検証抜きにそのままにして、次々に物語を積み上げていった。それがいけなかったのだろう。
語りは雄弁だが、実際には裏打ちがないのだ。いや、あるいは裏打ちがないからこそ雄弁さが際立つようになる、というべきなのか。
∧∧
(‥ )人がやれることは有限で
\‐ 論証に時間を裂けば
専門用語はそっけない
(‥ )だが論証に時間を
裂かないと
専門用語は次の用語を作り
ぺらいままどんどん雄弁に
なっていく
そういうことかもね
これはhilihiliのhilihili: 雄弁に語る専門用語はちょっとやばいかもしれないの続き
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