自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年3月24日月曜日
多分、見られていると考えるべき
理解すること、それ自体に意味はない。
∧∧
(‥ )理解とは便利な仮説と見るべき
\‐ でしょうね
(‥ )なにも分からない、
では
どうしようもない、
からな
取りあえずこうだろう、
で話を進めて様子を見る
このためにこそ
理解は使われるのだ
つまり、理解というものは実のところ、付け焼き刃でしかない、とも言える。それでも理解が必要とされるのは、それが無いよりましだ、だからでしかない。
∧∧
( ‥)理解というものは必要だ
しかしまた、
極めて危険なものでもある
( ‥)理解が妥当かどうかは
‐□ 現実と照らし合わせて
みないといけない
だが、照らし合わせ、この動作、これ自体がうまく機能しないと理解を是正することができない。
∧∧
( ‥)つまり理解は理解自体を
保証してくれない
(‥ )これが理解の恐ろしい
ところだ
分かったは分かった自体を
保証できないから
分かったという確信が
あっても
実は全然分かっていない
そういうことが起こる
普段はそれでも良いのだ。なぜなら皆が同じ理解の枠組みにいるので、自分の間違いが見えてこないからである。だがしかし、まれに理解の枠組み、それ自体が組み変わってしまうことがある。
∧∧
(‥ )その時、始めてこれまでの
\‐ 理解が間違いであったことが
分かる
(‥ )科学の歴史では何度か
これが起きた
それゆえに、賢し気に文化人とか思想家とか、ああいう連中は言うのである。
科学者と言えども人である。所詮は主観で物事を判断しているだけなのだ。だから私たちの主観だって、データの客観的な裏付けが無くても認められるべきではないか?
∧∧
( ‥)でも、この主張には
致命的な点がある
(‥ )客観的データがなくても
うんぬん、というのも
さることながら
これ、別に科学者に限ったことではなくて、全員がそうだよな。
単純に、これまでは”理解の枠組みが組み変わる”このイベントが発生した時、科学者以外のリアクションが記録されなかったがゆえに、科学者のみが愚かしく見えたにすぎない。
∧∧
(‥ )でも時代は変わったよね
\‐ ネットの存在で人々の反応は
すべからく観測できる
ようになった
(‥ )stap細胞の一件を見れば
それが分かる
テレビがないから直接見たわけではないが、割烹着を着る研究者を無意味に持ち上げたかと思うと、今度は手のひらを返したように捏造、陰謀論、色々な見解が噴出したようで
∧∧
( ‥)陰謀論、捏造
あるいは博士論文が
あれやこれだ
しかしこれらもまた
”理解”なのだと
( ‥)理解ってのは無様なものでな
‐□ 論文を読む事ができないと
自分の理解の枠組みにまで
物事を落とさないと
理解できないのだ
だから物事を勝手に
都合良く還元してしまう
女性だから、というのは男女関係に還元した試みだろう
他人の業績をねたましく思ったからだ、というのは人間関係に還元した試みだ
企業が、というのは企業競争に還元した試みだし、論文の手続きがうんぬんとまくしたてる思想家は、私は手続きしか理解できない愚か者です、と自白しているに等しい。
∧∧
( ‥)だが、本来そうであっては
いけないのだと
(‥ )論文を読み、なおかつ、
論文の理屈と前提が
どうなっているのか?
あるいは
反対意見から見た場合
反対の理屈と前提が
どうなっているのか
それを
把握しないといけないのだ
弱ったことに、思いつきや前提が破綻していても、データが恣意的でも、それにも関わらず結論も主旨も正しかった、ということがこの世界では起こりうる。それをも考慮しないといけない。
*この話=>hilihiliのhilihili: 6022:2001 自分はそろそろここから出たいんだ
∧∧
(‥ )そして新発見は、それ自体が
\‐ 仮説でもあるからね
(‥ )弱ったことにさ
新発見とは、
この現象はこうであろう
という
解釈に基づいた
仮説なんだよね
だから、解釈自体が
間違っているのだが
発見自体が正しいという
ことも起こりうる
つまり、既存の枠組みから否定することが意味をなさない場合がありうる、というだけでなく、新発見の枠組みから見ても欠陥があるではないか、という指摘すら意味をなさない場合がありうる。状況はいつでもややこしい。
∧∧
( ‥)それを全部考慮せよと
( ‥)それが出来ない自分は
‐□ これはいくらなんでも
ぶっ飛びすぎでしょ
と思っていても
今は態度保留って
わけでね
追試には時間がかかるし
それまでに状況を
把握できるかな?
とはいえ、確実に言えることがある。
理解の枠組みが大きく変わる時、科学者は保守的で新しい発見を拒んだ、科学者といえども人間だ、という素人受けするこういう俗説、これ自体が私たち自身に牙をむく時が必ずやってくる。
∧∧
(‥ )ネットで接続された世界では
\‐ 炎上という新しい案件が
生じてしまったように
これまでと違った挙動が
起こりうるし、
それまで見えてこなかった
人々の反応が認識され、
記録されてしまう
(‥ )だから、確実にいるのだ
今、ネットで人間の反応を収集している奴が確実にいる。
この時、このなにがしはこのような反応を示した。愚かである。
この時、このなにがしは人間関係に還元することでしか物事を理解できなかった、愚劣である。
この時、このなにがしは陰謀論でしか理解できなかった。明らかに調べていない。
この時、この者は手続きでしか理解できなかった。論ずるに及ばず。
確実にいる。ネットにおける人間の反応を収集して、貴重な標本として分類し、標本箱にせっせとピン留めしている奴が。
∧∧
( ‥)そういう人間の反応を
検討する学問領域が実際に
あるからね
( ‥)今回の案件がそれに
‐□ 該当するのか?
それはまだ分からん
しかし、このことは
忘れちゃいかんよ
連中からすれば我々は培養基の中でうごめくショウジョウバエ、貴重なデータをもたらす便利な実験動物でしかない。彼らは今、確実にこちらを見ているはずだ。
冷酷な目でこっちを見ている観察者の視線がある。それを忘れてはいけない。
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