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2014年3月19日水曜日

6022:2001 自分はそろそろここから出たいんだ

 
 話題のstap細胞
 
 捏造うんぬん、という話が広まる中
 
 ∧∧
(‥ )メンデルさんの業績も
\‐  当時からすれば捏造だと
    言われたかも....
    という論評がありますね
 
  (‥ )ああ、まあそうだろうね
 
 メンデルの論文、岩波新書の「雑種植物の研究」は、このblogでも、今からほぼ4年前の2010年にちょっとその該当箇所について触れたのであった。

=>hilihiliのhilihili: 結局はその人の腕でしょう
 
 ∧∧
(‥ )エンドウマメの色が
\‐  黄色6022:緑2001
    pp22より引用
 
 (‥ )まあ、なんだ、その数字を
     見た時、びっくり仰天したし
     これが言われていたやつかと
     納得もしたけどね
 
 確かにメンデルの法則では黄色と緑は雑種2代目で3:1に分離するけども、6022:2001という数字は論外だ。あまりにもきれいすぎる。確かに交配実験の結果からこういう数字が得られる可能性、それ自体は無くはないが...
 
 ∧∧
( ‥)まずありえない
 
  ( ‥)これを読んでいた時、
    ‐□ お茶を飲んでいたら、
      おれは口から飲み物を
      吹き出していただろうな
 
 メンデルのこの数字が捏造かどうかは知らないが、恣意的なデータである事はまず間違いないだろう。
 
 ∧∧
(‥ )怖いよね、このことは
\‐  結果的には正しいのだけど
    データの取り方が
    めちゃくちゃだった
    そういう事例だものね
 
  (‥ )つまり困ったことに
      データの取り方が恣意的で
      めちゃくちゃでも
      結論は正しいってことが
      この世ではありうるって
      ことなんだよな
 
 まあ、考えてみれば当たり前である。
 
 旦那が浮気をしているみたいなの。名刺の中に女の子のものがあるの。
 
 そりゃあ、あるでしょう...
 
 ∧∧
( ‥)実際、名刺は浮気相手のもの
    ではなかった
    しかし、旦那の浮気自体は
    現実に起こっている
    そういうことはありうる
 
  ( ‥)メンデルは物理や数学が
    ‐□ 得意だったそうでね
      物事の背景に数学的な
      秩序があると思い込んで
      法則を思いついたのかも
      知れないんだよな
 
 そしてその思いつきに沿って実験を進め、おおむね正しいという確証を得たので、結果的に恣意的なデータを取った。そういうことはありうる。というか、状況からしてそうだろう。彼には確信があったのだ。
 
  (‥ )さらにいえばさ、
      物事の背景に単純な
      数的比率があるというのは
      プラトン主義だと
      思うのだけどね
      生物学の、
      しかも19世紀の
      研究としてはかなり特異な
      事例じゃないかと
      思うのだけども
 
 ∧∧
(‥ )それを考えるとやはり
\‐  怖いですよね
 
 これはつまり、思いつきがめちゃくちゃでも、データの取り方が恣意的でも、当たってる時は当たっているってことだから。
 
 確かに世の中、そんなものではないか?
 
 ∧∧
( ‥)あなたはstap細胞の話が
    出た時、blogでも現実でも
    この話題は誰とも
    しなかったよね?
 
  ( ‥)正直な話
    ‐□ 最初の感想は...
 
 言ってる内容は分かるが、言っていることが訳分からん、これは一体全体なんだ?
 
 だったので
 
 ∧∧
(‥ )でも、捏造じゃないか?
\‐  という話が出てきても
    それみたことかと
    研究を否定するでもなく
    blogではお茶を濁すような
    話をするだけだ
 
=>hilihiliのhilihili: 理解は理解そのものではないので
 
  (‥ )おれはずっと怖くてね
 
 物書きだろうが研究者だろうが、なんだろうが、科学に興味を持つ者は、いずれ遅かれ早かれ”盤のルールそれ自体が書き変わる”という事態に遭遇する。その時、どういう対応をするかで残りの人生が決まる。
 
 時代についていけずにガラクタになっていく古い理論にすがってそのまま心中するか、
 
 あるいは否か、という二者択一。
 
 ∧∧
( ‥)まあ普通に、ああ、おれが
    間違っていた、
    それですむのですけどね
 
  ( ‥)それがさ、皆がその
    ‐□ 単純なことが出来ないのだ
      だからいつもいつも
      思うのさ
      自分はいつか
      この意味において死ぬ
 
 じゃあ、自分が死ぬのはいつだろう? いつ、どんな死を迎えるのだろう?
 
 だからいつもいつも疑う。新しい異様な発見があった時、いつも考える。これが来るべき、そしてついにやってきた自分の死だろうか? と
 
 ∧∧
( ‥)別に本当に死ぬわけじゃ
    ないけどね
 
  (‥ )それはそうだ、だが、
      見方によっては
      単に死ぬより
      なお悪いけどな
 
 時代についていけなくなった老醜は普通に見る話だし、その有様たるや、あまりの醜さに正視に耐えないほどだ。
 
 これがあの偉大な教授だった人の末路か..というあの有様
 
 ∧∧
(‥ )まあ、それに今は
\‐  なにもできないしね
 
  (‥ )物事の判断には論文と
      分野の動向をすべて
      調べないといけない
      しかし、現在、
      1日につき2.5枚の
      イラストを描く状況では
      なにもできんのでな
 
 論文を読む事ができない以上、stap細胞に関してはなにひとつ分からず、そして、ひょっとしたらいつかくるはずの、これが俺の死なのだろうか? そうぼんやりと脇目で眺めるだけだったりする。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、本当だったら
\‐  確かにこの意味では恐ろしいこと
    なんですよね
 
  (‥ )すべての意味が変わる
      理解の枠組みが変わる
      すると自動的に
      批判も肯定も解釈も意味が
      組み変わってしまう
      大前提が瓦解した批判に
      もはやこれまでの意味も
      価値もないからな
      ルールが変わるとは
      そういうものだ
 
 確かに、盤のルールが仮に変わってしまうとしても、盤それ自体はそこにあって、それゆえ、なにもかもが変わるわけではない。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、変わることは
    間違いない
 
  ( ‥)しかもメンデルみたいな
    ‐□ こともあるわけだ
      それを考えると
      ひるんでしまうのだよね
 
 捏造うんぬんで話が終わったらどうってことのない話だ。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、もしそうでない場合
    すべてが融解してしまう
    そこに恐怖を覚えると
 
  (‥ )ああ、しかしだな
      本当はそれを望んでいる
      のかもしれんね
 
 この人生は、いささか飽きた。そろそろ起きてくれないか? すべてのルールと解釈が意味を変える融解の時。100年か、200年に一度は起こるはずだろう?
 
 ∧∧
(‥ )世界は頑健で、
\‐  そうは変わらないのですけどね
 
  (‥ )それは知ってるよ
      だからこそ
      おれはそろそろここから
      出たいんだ
 
 
      
 
 

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