自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年3月22日土曜日
神は否定された論はサピエンス種の発露でしかないだろう
昔、こんな評価を見つけたことがある
∧∧
(‥ )あなたのことだけども
\‐ ”この人は宗教を信じている
のではないだろうかwww”
という内容
(‥ )これは自分にとっては
非常に難解な主張でな
日曜日に教会へいくわけでもない、メッカに祈りを捧げるわけでもない、ガネーシャに詣でるわけでもない、神社にさい銭を入れたことはあるが、あれは日本人のほとんど全員がしていることだ。葬式には仏僧が呼ばれるが、ブッダの教えは原文知らないからなんとも言えない、南無阿弥陀仏?
∧∧
( ‥)でもあなた、
”あなただから
言うけども、実は私は
宗教をしていてね”
と告白されたこととか
あるよね
( ‥)ムスリムの話をふむふむと
‐□ 聞いていたら
同席した日本人から
北村さん、うなづいてるけど
本当にそんなこと
信じてるの??
と言われたこともあるな
なんのことやら? と思いつつ、ふと気がついたことがある
先日、人から次のように問われた。
神の存在を簡単に否定する方法はありませんか?
否定の証明はほぼ不可能なので、そんな方法はありません。進化論が出来るのは神の存在を仮定しなくても生物の有様が説明できること、しかしそれだけでなく説明能力が高いこと、予測が立てられる事、余計な仮定が必要ないことなどです。
∧∧
(‥ )そう答えたら、創造論に対する
\‐ 進化論の優位を論証するのが
こんなに複雑なのか?
と驚かれました
(‥ )逆にいうとさ、
進化論さえあれば
神なんか即座に否定できる
そう思い込んでいる人が
すごく多いってこと
なんだよな
確かに、もっと雑な議論をする人もいる。
科学的にいって神の存在は否定されている
∧∧
( ‥)それって、
科学は正しい
科学は神を否定している
ゆえに神の否定は正しい
そういう三段論法だよね
( ‥)あからさまに間違いだけどね
‐□ 科学に間違いがあるのは
誰もが知る事
科学が神の否定証明を
行っていない事もまた事実
つまるところ、こうである、科学的に神の存在は否定されている、とは露骨な間違いでしかない。
∧∧
(‥ )でも、そう思い込んでいる人は
\‐ 非常に多いと
(‥ )というかな、
神は科学的に否定された論
これに敵対する
創造論者たちさえも
そう思っているんだよね
科学がいつも正しいわけではない、彼らはしばしばそう主張するが、言ってしまえば、これどまり、である。このことは創造論者、彼ら自身の理解が、敵対している”神は否定された論者”と同様に、致命的に不十分であることを示している。それも同じ場所でつまずきの石につまずいているのだ。
実際、神の存在は否定された、と信じる人も、
それに反論して、科学は間違っていることがあるから、ゆえに神の存在は否定されてはいない、と主張する創造論者も、
どちらも以上の三段論法の第二番目にある致命的な部分、
科学は神の存在を否定した
この部分が間違いであることにまったく気づいていない。
∧∧
( ‥)つまり論理構造ではなく
説明能力の優劣で
創造論が敗北し
進化論が勝利した
このことをいずれの陣営も
理解していない
あるいは説明能力の優劣で
あったはずの話が
いつの間にか
論理構造の優劣に
すげ替えられている
しかも、否定、肯定、両派が
どちらも同じ間違いをしている
( ‥)さらに言えば、
‐□ 創造論の敗北=神の不在証明
ではないはずなのに
それが成り立つといずれも
思っているわけでね
つまり
どういうわけかこの部分で
論理の飛躍を行う人が
いるということだ
説明に必要ない=存在しない
ではないはずなのだが、これが成り立つと思い込んでいるらしい。
つまり、理解が二重の意味で間違っている。
∧∧
(‥ )でも、これを指摘すると
\‐ 神は否定された論者からは
お前は宗教の肩を持つのか?
と言われることになると...
(‥ )単純に言うと
そうだと思うけどね
これはすでに
科学の論争ではなく
もはや宗教戦争なのだ
神の存在は科学的に否定された、というのは根拠不明か論理に飛躍がある理解だ。そしてこれを金科玉条に奉じるというのは、”神は科学的に否定された論”、これ自体が宗教であると言える。
そうではないか?
そもそもホモ・サピエンスは他の絶滅した人類と違って、宗教を持つ特異な種族なのだ。根拠のない思い込みに強く拘泥するのは種族的特性だとも言える。
ならば当然ではないか?
根拠の無い論理的に飛躍のある事柄を無批判に信じ込む。
ホモ・サピエンスの、それもそういう傾向が非常に強い個体なら、こんな飛躍を充分な検討もなしに信じ込むなど当然。実際、創造論者も、神は科学的に否定された論者も、いずれも少数派である。
∧∧
( ‥)でっ?
科学的に神は
否定されていないよ
と言うと、
怒りだす人や
はあ? 何言ってるのお前?
とか言い出すと
( ‥)つまりなあ、
‐□ 自分の信念の中にある
”神は否定された”という
ご本尊を否定されて
必死なわけだよね
∧∧
( ‥)つまり彼らの怒りは
お前は俺じゃない宗教の
肩を持つのか?! という
反応であろうと
(‥ )それ以外の何だって
言うんだ?
仮説の説明能力の高さと質をこそ競え。
科学ならば当然ではあるけども、創造論者や、神の存在は科学的に否定された論者はそんなことを考えていない。
彼らにとっては仮説の説明能力の高さなどどうでも良い。これは自らの信念を守る戦いでしかないのだ。根拠無き信念を守る戦い、ようするに宗教戦争である。
彼らの論は、仮説の説明能力の高さを競おうとか、ダーウィンが種の起源で緻密に展開した論証のようなものからほど遠い。
つまり、創造論者は言うにおよばず、神の存在は科学的に否定された論も科学などではない。どちらもただの宗教であり、宗教を信じる神経構造を持つように進化した猿、ホモ・サピエンスの発露にすぎないだろう。
ブログ アーカイブ
-
▼
2014
(726)
-
▼
3月
(63)
- 雄弁に語る専門用語はちょっとやばいかもしれない
- 正義の味方よ本音を語れ
- 弓の構えと怨念メカ
- 休みなしの通勤なら、3時間労働ですかね
- なんでも知ってるよ それは原理的にただの思い込みである
- 頑張る人間は抽象的な言葉をやたらと使いたがる
- ワニトカゲギス科を例えば羅列する
- サイボーグ高齢化社会
- 昔に比べるとずいぶん知見が増えてはいる
- 一党独裁制はいいぞ(アミバ様風に)
- 絵を描くということも、所詮は経済でしかないので
- 夢を知りたいわけで、現実を知りたいわけじゃなかろう
- つまり彼のやっていることは全部まったく無駄ってことだよね?
- 車の仕組みを知らない人の評論は薄い
- 体力がないと、どちらをするべきか? になる
- お役所の書類は25文字以上あります
- まあ挫折すると恨みしか残らないからね
- 幸せ機関
- 多分、見られていると考えるべき
- 雇用の無い未来に起きることはかなり明白である
- 説明に必要ないと言われて打撃を受ける存在とは、つまり
- 神は否定された論はサピエンス種の発露でしかないだろう
- 黄昏時には影が足下にまでやってくる
- 外注した方が安いとは、豊かな雇用が産まれないということで
- 自動車に代わるものがなければ奴隷にするしかないじゃない
- 致命的な間違いというと、ひとつあった
- 6022:2001 自分はそろそろここから出たいんだ
- 理解は理解それ自体を破壊するように振る舞う
- カルメン無惨
- 子供の延長である以上、大人は愚かで劣った存在でしかない
- 写真が見たいとか言う、にわかの意見は壁の向こう
- 深海生物とグラビアアイドルは似ている
- スクラップブックを作ればいいじゃない
- 深海にも色覚に関する淘汰がある
- 作者は世界線をさまよう主人公と同じ
- 分かった、その報いが人生だ
- その時刻は確実に接近する
- たぶん、修羅場に
- 誰かがあの歪みを引き受けたはずだが
- 理解は理解そのものではないので
- 陰謀の中に陰謀があるのだ
- 主人公はチェオだったのかもしれない
- そうか、やつらがお前たちのところへ....
- ぐらぐらしている岩をつつくと、当然、落ちる
- あの運動エネルギーは人によって使用方法が違う
- 倫理とは相互監視なり
- 社会にいるから社会人だというのは詭弁と見なされうる
- 理解の方程式が変わる
- 火星急ブレーキ
- つまり我々には幸せになる未来が存在しないということだ
- 中二病を引きはがした奥になにがある?
- マスキーラットカンガルー
- 無貌の神を引き寄せるには、さてどうすれば良いものか
- あの握手はくみしやすいシグナルではなかったか
- 事態は絶えず気に入らない状況である
- 直接選挙制は強制終了しかできない
- 自分より馬鹿な人間は苦もなく騙されるであろう….
- なぜ振られたのか分かっていないらしい
- 面白い≠効果的
- 意地悪な問いがこの世界にはありうる
- 女神はいらない 無貌の神が必要だ
- 部族間抗争に組み込まれていく過程だよね
- 民主主義が滅びるなら、ファシズムもまた滅びるのだろう
-
▼
3月
(63)