自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年6月7日土曜日
薄くて同じ内容の本は消費者と真摯に向き合った結果
例えばこんな言い様がある。
一度売れだすと、なんでそういう書き手は、あの人もこの人も、どうして皆、同じ中身で内容の薄い本を次々に出すのか?? 恥ずかしいと思わないのか??
∧∧
(‥ )こういう意見がありますよと
\‐
(‥ )ああ、それは
消費者に対して
真摯に向き合った
結果だけどね
まず、売れたからには、売れた本を書いたあの人に本を書いてもらおう、という要望が殺到するのは当然。
∧∧
( ‥)たちまちネタ切れ
(‥ )いや、ネタ切れは
この場合、
そんな問題ないんだ
なんでかというに、そもそも人間は本をそんなに買わないのである。たまたまなんとなくその本を手にした、そういう人が多ければ多いほど、その本は売れる。
そうである以上、同じ内容、同じネタの本を幾つ書いても、次々に新しい客がひっかかる。というか、本を売るにはそうでなければならない。そうだとしたら同じ内容の本を何度も書く事に何の問題もない。
∧∧
(‥ )でも大量にこなしていると
\‐ 中身は当然、薄くなるよね
(‥ )それも問題ない
なんでかというに、人間が読める本の内容なんてたかがしれている。本をがんがん読んでいると自負する人も、実はそんな大層な本を読んでいるわけではない。もったいぶっていても中身が薄いか、あるいは確かに凄い内容なのだが読み手の頭脳がついていけずに、表面的なことだけをなぞって読んだつもりになっているか、ほとんどの場合、そのどっちかだからだ。
*例えば、そう考えると科学史における書籍が、読まれている割には正常に理解されないのはなぜか、ということが説明できる。これは教授の肩書きを持つ自称知識人でさえ、めちゃくちゃな解釈をして、それを堂々と見解として申し述べていることから明らかだ。言ってしまえば、自分はこの本を理解できている、自分はこの本を読んでいる、自分は読書家である、というのは、大いなる幻想でしかないということを示している。
つまりだ、人々に売りつけるには、馬鹿にされるような薄い内容の本で充分なのである。実際、それを馬鹿にする人も、いざ濃い内容の本を前にするとまったく手が出ないのだから。もちろん、本人は、俺は濃い内容の本を読んだと主張するであろうが、主観的な報告と客観的な評価は別である。同じではない。
∧∧
( ‥)そうして本を次々に
生産する
作業が間に合わないから
コピペや
ゴーストライターを
使うようになる
( ‥)だが問題ない
‐□ 売れるとは
皆の要望に応じるとは
そういうことだ
もちろん、この作業はいつか終わりを迎えるのである。なんとなく書店でその本を手にする人、たまたま手に取ればその本を買う人、という潜在的な購買層はいつか枯渇してしまうからだ。
∧∧
(‥ )そうしてブームは終わり
\‐ 本はじょじょに消えていき
忘れ去られ
そして次のブームが
始まる
(‥ )それを考えるとだな
冒頭の言い様は
当然ではあるが
それと同時に
理不尽な内容よ
なぜ売れている人は同じ中身で薄い内容の本を次々に出すのか? それは消費者と真摯に向き合った結果に他ならない。売れているものこそ消費者の要望に沿う商品である、そのことを考えれば、それは明らかではないか。批判は当然ではあるが、同時にそんな言い様は理不尽以外の何ものでもないのだ。
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