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2014年6月11日水曜日

心というものは平気で嘘をつくので信用できない

 
 看板持ちのバイトは効率が悪すぎる
 
 今から2年前のこの話=>hilihiliのhilihili: 看板持ち
 
 ∧∧
( ‥)時給1200円でも
    駄目だろうと
 
  (‥ )おいらがやったのは
      1000円だったかな?
      でもそこから
      200円上がって
      1日8時間
      1600円の賃上げでも
      食費が補填できる
      ぐらいだからね
 
 看板持ちが外でするバイトである以上、外食で休むことになるから食費が高い。これはたとえカップラーメンをコンビニで買って食べても問題は同じだ。カップラーメンは値段に対して量も得られるカロリーも少なすぎる。支出に対して収入が少なすぎる。赤字だ。
 
 ∧∧
(‥ )あなたの看板持ちの記憶は
\‐  どれも寒い記憶だね
 
  (‥ )寒いから余計に
     そう思うのかもしれないな
     寒い時に動かぬままにいる
     これは猛烈な消耗でね
     まったく得した気分に
     ならないのだよね
     実際、金がどんどん
     出て行ったからな
     赤字だ赤字

 
 もしかしたら、季節が良かったらここまで悪いイメージは抱かなかった可能性もある。例えば天候の良い5月だったらどうか? 夏が終わって涼しくなった秋ならどうか?
 
 ∧∧
( ‥)焼け石に水じゃね?
 
  ( ‥)世間では看板持ちの
    ‐□ みじめさがよく
      言い立てられるけども
      もしも時給が良かったら
      見ている奴はともかく
      やっている奴はそうは
      思わないはずなんだよね
 
 つまり、みんな無意識のうちに計算しているのだ。得た金と消耗したカロリーを考えている。体が計算していると言って良いのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)つまり看板持ちのバイトが
    語るみじめさは
    表向きは境遇の悲惨だが
    実際にはカロリー計算による
    赤字の告発であるのだと
 
  (‥ )カロリー上、
      充分な黒字なら
      みじめとか言わずに
      別の問題点を...
      例えば
      退屈だとか
      そういうことを
      言い立てるだろ
 
 実際、そういうバイト自体は存在するらしい。つまり、時給は良いが、あまりに退屈なので辞めたと。そしてこの愚痴には、みじめだから辞めた、という表現は見当たらないのだ。
 
 やはりあれだ、この見解から解釈すると、看板持ちのバイトが語る”みじめさ”、例えば、分譲マンションの看板を持つ自分に会場への道を尋ねる夫婦がまぶしく見えた、というのは割り引いて考える必要がある。
 
 
 ∧∧
(‥ )案内を見て
\‐  分譲マンションを買いにきた
    夫婦まぶしいのではなくて
    今、この場の時給が
    足りないことを
    嘆いているのだと?
 
  (‥ )消耗に対して
      これでは赤字だ!
      という体の絶叫を
      心が勘違いしている
      そういう可能性だな
 
 他人の成功した人生とバイトである自分の境遇、この強烈な対比を見て心が嘆く、そういうことも当然あろう。確かに確かに、思い出したくもないが、そういうことばかり嘆いて、そんな愚痴ばかり聞かせる馬鹿が、かつての仕事仲間にいたことを思い出す。
 
 だがしかし、実際にはこうではないのか?
 
 損耗が激しすぎる この時給では破滅だ、なんとかしろ!
 
 という体と脳の警告を、心が、「つまり人生の失敗と惨めさですね? ああ、つらい おれの人生はどうしてこう...」 と勝手な翻訳をしているのではないのか?
 
 ∧∧
(‥ )まあ、その翻訳でも
\‐  おおむね正しいのですけどね
 
  (‥ )いや、間違いだね
      なにがいけないって
      肝心の金の話
      時給の話
      収入と支出の話が
      塗りつぶされてしまって
      いるではないか
 
 実際、看板持ちをなげく人々の話をもう一度、よーく聞き直してみよう。文章中のどの表現も、どの言葉も、全部、時給が足りない、という話に着地するのではないだろうか?
 
 思うに、どうも心って奴は無駄にロマンチストであるらしい。収入と支出、時給と金の話を、人生だの、惨めだの、そういう壮大かつ抽象的な単語でごまかしてしまう。
 
 ∧∧
( ‥)問題の最重要点を
    はぐらかしているのだと
 
  (‥ )看板持ちの問題点は
      たったひとつ
      安すぎる
      それだけだよ
 
 みじめって言葉は、ごまかしにしからない。そしてこれは、心は常に嘘をつくということでもあるのだろう。端的に言ってしまえば心というものは信用できたものではないということだ。奴らは平気で嘘をつく。
 

 
 

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