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2012年2月23日木曜日

その極端な反応には謎がある

 *の続き
 
 性淘汰。それは恋愛を組み込んだ科学理論
 
 ∧∧
( ‥)理論の部品として恋愛や美意識、好みを使う
    これほどアナーキーな科学理論って
     珍しいですよね。
 
    ( ‥)でも、注目を浴びたのは
      -□ 生存競争を組み込んだ自然淘汰説
        の方だったのだよな。
 
 どういうわけか自然淘汰説は人々の心を騒がすものだった。少なくとも”お利口さん”な文化人や知識人たちにとってはそうだった。
 
 ∧∧
(‥ )強いものが勝ち残るから植民地支配正当じゃー
\-   強者を肯定する理論はきっと間違っているに
     違いないので労働者万歳!!
      反応と曲解が極端にふれますよね。
 
     (‥ )なんかもう、見ていて痛々しい
         のだけどもね。
 
 ああ、そういえばあれだ、生存競争とは、生存するものが有利であるという前提からスタートして、有利なものが生存するという答えを導く、つまり循環論法だから意味などないのである!! そう、得意気に指摘してみせた哲学者や文化人もいたのであった。
 
 ∧∧
( ‥)特徴Aを持つ場合、特徴Bを持つ場合、
    状況Cにおいて、子孫を残せる確率は
     前者と後者で比較すると1対1.005である
     これのどこが循環論法?
 
    (‥ )生存競争で使う生存と有利という用語を
        循環的になるように、勝手に定義した
        だけだから。
 
 そんな無意味なオレ様定義で、どや?!! と得意満面な顔をされても、どうにも馬鹿っぽい。
 
 *ようするに、「これはトートロジーだ!!」と気づいたのではなく、「これをトートロジーな形式へ書き換えてしまえ!!」だったということ。しかしご本人たちは意図的にそう歪めたわけではなく、真面目にそう思っていた(勘違いしていた)らしい。
 
 ∧∧
(‥ )だけど、それを真剣に言い立てた
\-   時代と人があったわけですよね
 
    (‥ )言い換えると、そうでもしないと自分たちの
        アイデンティティーが崩壊しかねないくらい
        自然淘汰説にはインパクトがあったのよ
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、性淘汰の方が過激じゃありません?
 
     (‥ )そこが反応の不思議よね
 
 実際、我々の文化、娯楽、メディア、そのほとんどすべては恋愛に関係することなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)それなのに性淘汰は鼻で笑って
\-   否定したわけでしょ? 自分たちは
     日頃から女だ男だ、恋だ愛だとか
     いっているくせに。
 
     (‥ )一方、生存競争には身震いして
         逃げ惑う、どういうことだろうね?
 
 この反応の違いはなにゆえか?
 
 

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