*の続き
性淘汰。それは恋愛を組み込んだ科学理論
∧∧
( ‥)理論の部品として恋愛や美意識、好みを使う
これほどアナーキーな科学理論って
珍しいですよね。
( ‥)でも、注目を浴びたのは
-□ 生存競争を組み込んだ自然淘汰説
の方だったのだよな。
どういうわけか自然淘汰説は人々の心を騒がすものだった。少なくとも”お利口さん”な文化人や知識人たちにとってはそうだった。
∧∧
(‥ )強いものが勝ち残るから植民地支配正当じゃー
\- 強者を肯定する理論はきっと間違っているに
違いないので労働者万歳!!
反応と曲解が極端にふれますよね。
(‥ )なんかもう、見ていて痛々しい
のだけどもね。
ああ、そういえばあれだ、生存競争とは、生存するものが有利であるという前提からスタートして、有利なものが生存するという答えを導く、つまり循環論法だから意味などないのである!! そう、得意気に指摘してみせた哲学者や文化人もいたのであった。
∧∧
( ‥)特徴Aを持つ場合、特徴Bを持つ場合、
状況Cにおいて、子孫を残せる確率は
前者と後者で比較すると1対1.005である
これのどこが循環論法?
(‥ )生存競争で使う生存と有利という用語を
循環的になるように、勝手に定義した
だけだから。
そんな無意味なオレ様定義で、どや?!! と得意満面な顔をされても、どうにも馬鹿っぽい。
*ようするに、「これはトートロジーだ!!」と気づいたのではなく、「これをトートロジーな形式へ書き換えてしまえ!!」だったということ。しかしご本人たちは意図的にそう歪めたわけではなく、真面目にそう思っていた(勘違いしていた)らしい。
∧∧
(‥ )だけど、それを真剣に言い立てた
\- 時代と人があったわけですよね
(‥ )言い換えると、そうでもしないと自分たちの
アイデンティティーが崩壊しかねないくらい
自然淘汰説にはインパクトがあったのよ
∧∧
( ‥)でもさ、性淘汰の方が過激じゃありません?
(‥ )そこが反応の不思議よね
実際、我々の文化、娯楽、メディア、そのほとんどすべては恋愛に関係することなのだ。
∧∧
( ‥)それなのに性淘汰は鼻で笑って
\- 否定したわけでしょ? 自分たちは
日頃から女だ男だ、恋だ愛だとか
いっているくせに。
(‥ )一方、生存競争には身震いして
逃げ惑う、どういうことだろうね?
この反応の違いはなにゆえか?