( ‥)ようやく体の具合がよくなってきたみたいだ。
∧∧
( ‥)ほう、それはそれは。
(‥ )この琉球泡盛「久米島の久米仙」の
∪- おかげだろうか?
∧∧
( ‥)さあ? どうですかね
一般的でない仮説に入れ込む人はそこそこ多い。
∧∧
( ‥)なぜでしょう?
(‥ )色々なことがありうる。
:スタンダードな理論よりも異説Aの方がうまく説明できていると感じた
∧∧
( ‥)大抵は勘違いですよね。
(‥ )そうね、勘違いね。
:異説Aは問題Aを解決できるではないですか!!
:スタンダードな理論は問題B〜Zまでを解決できるが、異説Aはできないよね?
∧∧
( ‥)正統な仮説がすべての問題を解決できないどころか、
むしろ新しい問題を抱えてしまうことは普通に
ありますからね。
(‥ )天動説から地動説に鞍替えすると、
とたんに地上の物体がどうして振り落とされないのか
説明しなくちゃいけなくなる、みたいにな。
世の中には、ほらほら、正統はこの問題が解けない、オレ様の理論なら解けると得意満面になるやつがごまんといるが、
∧∧
( ‥)そんなことは皆しっていると。
(‥ )それが解けても他が解けなきゃ意味ないからな。
1つの解答でよしとするか、1つは駄目だが10を解けるを良しとするか?
たしかに異説がついにスタンダードになる、ということもある。だけども
( ‥)スタンダードになる異説についていた素人って
あまり、、というか全然見たことないんだよなあ。
∧∧
( ‥)ああ、まあ、どうでしょうね?
もしかしたらこの世の素人が知るような異説は正統におんぶにだっこしているいい加減な仮説だからかもしれない。
∧∧
( ‥)?
(‥ )正統派に文句をつければなんかおれかっこいいじゃん
知名度あがるじゃんよ、という程度の異説が
目立つんで、みんながチョイスする異説は結局のところ
だめだめでスタンダードになんかもともとなれない代物、
そういうことかもね、って解釈。
あるいは異説を選ぶ理由にはもっといい加減な、しかし本人にとっては深刻な心理的な理由があるのかもしれない。
∧∧
( ‥)例えば?
(‥ )正統とか多数派が気に食わない。
∧∧
( ‥)なんで?
(‥ )自分が認めてもらえない=正統ではない
だから自分を認めない正統=敵
異説=なんかオレを見ているみたいで同情しちゃう
例えばの話、ダーウィンに消された男、ウォレスはかっこいい、奥ゆかしい、という妄言(個人的に思うに、ウォレスはダーウィンの理論に関して、彼をたてるどころか破壊者としてふるまったと思う)。
∧∧
( ‥)そりゃあそういう人もいるでしょうけど、
なぜにそういう人の存在を異説のチョイスと
リンクさせる必要がありますかね?
(‥ )そうねえ
前、唯物論哲学入門、という本を読んだことがある。昔はやった本(の改訂版)らしい。
∧∧
( ‥)でっ?
( ‥)真実へ至る道が分かったと自称する少数派が
-□ それを理解しない多数派の中で生きるために
どう理論武装したのか、と言えばいいかな。
∧∧
( ‥)真実へ至る?
(‥ )このプランを実行すれば正しい結果が得られる。
そういうこと。
しかし正しい道は我々には見えているのに、選挙では多数派に敗北してしまう、では黙るべきか? 否。以下、理論武装。
∧∧
( ‥)平たく言うと?
(‥ )世界の挙動を記述するのに失敗した人たちが
失敗したことを認めずに、相手のせいにするため
一生懸命理論武装した本。
こう考えればどう?
こうすれば世の中うまくいく、だけども皆がそういう行動を示さない。彼は絶望して言う。皆は馬鹿だ、どうしてこんなことも分からないのか? 世間は間違っている、世の中はおかしい、民度が低い、陰謀だ。
∧∧
( ‥)あなたに言わせると?
(‥ )馬鹿はあんただ。
結局のところ、なんのこっちゃない。人間の挙動や振る舞いを記述できる理論をあなたは作れなかった。それだけの話。だからうまくいくはずのない理論が導く、うまくいくはずはないがきらびやかな結果に幻惑されただけ。それは現実を記述できる理論を作れなかったあんたの勝手な妄想だ。自分の頭の挫折を他人に押し付けるんじゃねーよ。
∧∧
( ‥)ようするに?
(‥ )世間は間違っていると思った時、
持った理想がいくら正当でも、
自分が手にしたプランは間違っている。
世間が間違っていると感じた時、それは単に自分がとんちんかんな理論に手を出しただけ。その思いがいくら正当であろうとも、思いと現実は関係ない。
∧∧
( ‥)それと異説のチョイスと
どう関係があります?
(‥ )ふるまいが似ているじゃんよ。
それにこの本、結構流行ったらしんよ?
こういう人間が実はそこそこいるってことだよね。
∧∧
( ‥)はあ、つまりちょっとかしこくて正統に疑問を抱いて、
でも、世間の挙動を記述できるほどではない人がいっぱいて
(‥ )そういう人たちが異説支持者の源泉じゃね?
そしてそこには恨みがある。
∧∧
(‥ )どうですかねえ? 異説支持者が世間を恨んでいるか
\- そんな証拠があるのでしょうか?
(‥ )ではなんで積極的に異説を支持するのだと思う?
現実のふるまいを記述できない、しかし正統ではない理想的な解決策を手にした、という確信。
(‥ )この2つの特徴は異説支持者も世間は馬鹿だ論者も
共通しているし、この特徴があればこその
必然的な選択肢だと思わないかね?
∧∧
( ‥)必然的なんですかね?
理想的な解決策のきらびやかな結論。だがまて、どうしてその結論をこれまで誰も実行できなかったのか? それは誰も思いついたことがない画期的な理論、だからではなくて実行不可能な理論だからではないのか? 実行不可能な理論が実行不可能であったことが分かった時、さてそれは”これでは駄目だ”ということを知る機会になるだろう。にもかかわらず、なぜ世間は分かってくれないと自分の無能を棚に上げて、経験を無視して世間のせいにする?
(‥ )だが、本人は大まじめ。そしてすでに理不尽に
走っているだろ? もはや失敗の経験はいかせず、
前に進めず、挫折の責任を他人に転嫁する。
ここまできているのなら、挫折した
自分の恨みを異説に投影するは、、、、、
∧∧
( ‥)理不尽な必然というわけですか?
どうでしょうねえ???
異説を信じているあなた、あなたは自分を認めてくれない世界を憎んでいませんか?
∧∧
( ‥)その言い様、ものすごくずるいですよ。
(‥ )そうね、誰もが今以上に自分を認めて欲しいのだからな。
人間のほとんどはたぶん、自分が過小評価されていると思っていて、そういう意味では世界をたぶん憎んでる。だからこの言い様はいかにもずるい。