現在作業中、現在作業中。
昨晩の空は神奈川県の中央にしてはとても良かった。
∧∧
(‥ )山羊座がはっきりと分かります。
(‥ )山羊座をちゃんと見るなんて何年ぶりだろう?
だけどもやはり空の様子は基本的によろしくない。アンドロメダ銀河は望遠鏡で見てさえ、ほとんど分からなかった。
∧∧
\\(‥ )望遠鏡を動かすと、視界の中で白いのが動くので
 ̄ ‐ ようやく分かる、そんな感じですね。
(‥ )こと座のドーナッツ星雲はなんとか分かったけども、
アンドロメダ銀河まで望遠鏡でやっととはねえ。
仕事が終わったら星が見える場所まで遠征するか。
明け方の空にはぎょしゃ座のカペラと牡牛座のすばるが輝いていた。
さて
先日のこと、ある場所で食事をしていたら、老人2人が話し込んでいた。
「やはり先生がなさっているように、機能を見ないと進化も骨も理解できないと思うのですよ」
「おっしゃる通り、まず、機能を理解しないと進化の道筋は分からないのに、みんな、骨の外見の形と特徴ばかり見ている」
∧∧
( ‥)・・・・これ、よろしくない推論形式じゃありません?
(‥ )よろしくないだろうねえ。
機能を理解する。それは必要であろうし、おおいに結構なんでしょう。そして機能を理解する過程、それ自体は、まあそれ自身だけの問題なのだ、とも言える(実際にはそんなことはないけども)。
∧∧
( ‥)水生動物Aを観察したところ、
筋肉アが縮むと、ヒレが下向きに水をかきます。
(‥ )筋肉アは上腕骨の突起イについていました
突起イはヒレを下向きに動かす動作に関連しています。
こういうのは、まあ、あまり問題なさそう。
しかしながらこういうやり方をそのまんま、”この特徴は具体的にこう進化したに違いない”、という歴史の推論にまで波及させるといかがなものか?
(‥ )水生動物Aは陸上動物の子孫である。
陸上動物の祖先の犬かき的な動作が、Aがするような
動作に進化するには、動作がこのように変わる必要があり、
ゆえに、筋肉が付着する上腕骨の突起は次のような形を
中間形態としてとったであろう。
∧∧
( ‥)化石を調べると、ちょうどそのような形の突起を上腕骨にもつ、
動物Bがいることが分かった。
ゆえにBはAの祖先である。
∧∧
( ‥)という推論はよろしくないですよね。
(‥ )そもそも以上の推論は簡単に訳すとこうなるからな。
僕はこんな歴史を考えました
僕の考えた歴史からすると、これが祖先に違いないです
∧∧
( ‥)進化は機能が進化する過程なのですから、機能の進化のあるべき姿を
説いた、僕の考えた歴史は正しいのです。そこから考えると
Bが祖先に違いないんです。でも、みんなそれが理解できないんです。
僕はみんなの言っていることはおかしいと思います。
そんな感じですかね?
(‥ )まあそういう感じかな。
機能はこう進化するに違いない、だから生物の進化はこう起きたに違いない。
その生物のその機能はこう進化したに違いない。だからその生物はこう進化したに違いない
ようするに
こう進化したに違いない。だからこう進化したに違いない。
∧∧
( ‥)自分の系統仮説を論証するのに、
自分の系統仮説を使っているわけですよね。
(‥ )自分の仮説の証拠に自分の仮説を
持ってきちゃいけないよな。
もう少し正確にいうと、仮説の証拠に、その仮説そのものか、仮説の一部を持ってきちゃいかんでしょう。
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( ‥)あのおじいちゃんは時代遅れ?
(‥ )若い頃はあれでよかったんだろうなあ。
でも、もうみんな、そんなことはしていないよね。