自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年11月25日土曜日
パラダイムいまだ成らず
科学史家のトーマス・クーンはこんなことを述べた。
科学者はあるパラダイムに沿って物事を解釈し、論文を書く。
パラダイムとは模範とか典型という意味で、まあお作法みたいなものだと思えば良いか。
科学者はその時代において、こうあるべきという作法に乗っ取って論文を製造し、業績を作る人々だ。
ところがある日、こういう作法で考えてはどうか? という提案が起こる。
提案されたその新しい作法、つまり新しいパラダイムは古いパラダイムにくらべていかにも良いものだ。
そこで皆がこぞって新しいパラダイムに従い、論文を製造するようになる。
こうして科学のありようはがらっと変わる。少なくともその科学分野は革命的に変わる。
∧∧
(‥ )一方、この変化に
\‐ 対応できずに
かたくなに
新しいパラダイムを
こばむ人もいる
こういう人は変化に
取り残されて
おかしな研究をする
時代遅れな人になる
(‥ )まあこういう世界観は
単純すぎるけどな
でも現実の一側面を
かなりうまく
説明できている
パラダイムって言い様は大げさだ。いちいち新しい単語を持ち出すのはいかにも、もったいぶっている。
しかし、世界はこういう仕組みじゃないのか? という大前提がないと物事を解釈できないのは事実だ。
そして、これまでこう考えてきたけど、次のように考えてみればもっとうまく説明できないか? そういう提案があること。
そしてその新しい提案の良さを皆がみとめて、皆がこぞって新提案に従うこと。それもまた事実として起こる。
∧∧
( ‥)そしてその変化に対応できず
時代遅れになる人
今や欠陥だらけになった
古い方法論で物事を
説明し続けて
ぼろがどんどんでてきて
しまう人
こうして皆に
無視されていく
そういう人々がいるのも
まったくの事実
(‥ )リベラルって
今その状態だよね
世界が2つに割れて対峙する冷戦時代。
ソ連は恐ろしい敵であると同時に理想主義を掲げる地上の楽園であった。
対する自分たちはアメリカとその支配者たちに庇護された存在である。
楽園は壁の向こうにあって、自分たちを庇護する支配者にたてつく自由があり、たてつくことで自分をかっこうよく見せることができる。
そして敵国にも素晴らしい点があるんだよ。そう言うことで、自分はお前ら愚民と違って見る目があるぞ、と見せつける。
楽園があるという希望。
安全な場所で反抗することで格好つける自由。
寛容を示すことで見せつける、俺は他人とはひと味違うぜな中二病的優越感。
ああ、永遠に続く冷戦のすばらしさよ。
∧∧
( ‥)はーい
そのパラダイムは
本日をもって終了でーす
(‥ )ぎゃー!
∧∧
(‥ )そういう感じか
\‐
(‥ )慌ててグローバリズムとか
多文化共生とか
リベラルは言い出した
さらに
崩壊したソ連に変わって
これからの地球は
国境がなくなって
ひとつの素晴らしい世界に
なるのだと
楽園を未来に据え置いた
そうして
反逆が格好いいと
反逆しつづけるうちに
ただの暴力集団と化した
そんなところだな
だが、こうやっても時代にはついていけないのだ。なぜってこれからの地球は列強の時代であり、つまりグローバリズムなど存在しないのである。
∧∧
( ‥)そして列強時代には
多文化社会も存在しない
(‥ )全国民が隊列を組まねば
存続出来ない世界
こんな時代にあるのは
国家主義と統制だからな
多文化もへったくれもない
そもそも民主制は
非常に差別的な
主義だからね
外国人の不動産所持すら
認めないのが
本来の民主主義だからな
パラダイムは確かに変わった。そうしてリベラルはひたすら時代遅れになろうとしている。
ゆえにリベラルはこれからますますおかしくなるだろう。時代との齟齬がひたすら増大するし、増大した齟齬をなんとか解消しようと、辻褄合わせの嘘や詭弁をどんどん生産して、ますます齟齬を増やしていくだろう。齟齬が齟齬を作り出し、思考も行動も指数関数的に、急激に混乱、混沌することとなる。
∧∧
(‥ )でもリベラルという人は
\‐ 昔から一定数存在したから
消滅することはない
(‥ )91年のソ連崩壊で
マルクス主義は終わり
2017年の
トランプ大統領誕生で
グローバリズムも失った
短時間の間に
道を2度も失った彼らだ
だから発狂しちゃったと
言えばいいかな
発狂したらどうすればいい? 誰かが何か新しい作法を作って発狂した患者を鎮めれば良いのである。そうだな、マルクス主義は実践、実践、うるさくて他人に迷惑かけてばかりであった。だから今度は、マルクス主義よりもぼんやりした、あきらめのユートピア思想にするべきだろう。死んだら楽園いけますぐらいの、そういう漠然とした安心感。しかし、そのパラダイムはいまだに発明されていない。
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