自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年11月25日土曜日
冷戦が終結した時、世界は終わったのである
銀河英雄伝説。単純に言うと宇宙の三国志。
その同じ著者が書いた小説「創竜伝」。
竜の生まれ変わりである主人公が、日本の腐敗した政治家や暴虐なアメリカ、そして世界を裏から支配する見えざる敵と戦う物語。
∧∧
(‥ )痛快と言えば痛快だけど
\‐ なんすかねこのトンデモ臭
(‥ )発刊された80年代には
これで良かったんだよ
80年代、世界はこのまま永久に冷戦が続くかのようだった。二つの超大国が核兵器をもってにらみ合い、それを全部使用すれば人類の文明を壊滅させうる破壊力。当時、アルマゲドンは決して絵空事ではなかった。そしていつ自分の頭上に核爆弾が落ちてくるか。そういう漠然とした不安が支配する世界。
対峙する権力は互いに絶対者としてふるまった。そこには軍事的必然性もあったのだが、当時に、WW2以前の時代から続く、古い保守的な世界の臭いがした。
今でもじいさん、ばあさんのリベラルは封建的! とわめくけど、当時、この批判はもっと図星だったのである。
そしてこの時代、文化人やジャーナリストは権力を見境無く攻撃し、こき下ろすことで、自分をおおいに宣伝することができたし、それがいかにもかっこうよく見えたのである。
∧∧
( ‥)時代が今より
田舎臭かったのだな
だから権力をひたすら
醜悪に描くことで
文化人を気取ることが
できた時代
(‥ )田舎臭い権力に
田舎臭い文化人さ
ところが1991年
ソ連の崩壊で
突如それが終わって
しまうんだよ
それまでの文化人は、口先だけはたっしゃな引きこもりのニートのようなものだった。すべてを管理する権力者を、ねそべりながら文句言ってれば良かった。絶え間なく喧嘩をする父と母。それを眺めながらもっともらしく悪口を言えば、なんとなく体裁を保てた時代である。
∧∧
( ‥)ところがそれが
唐突に終わってしまうし
お前もこれからは働けと
親に言われてしまった
(‥ )1991年以来
文化人はずーっと
迷走してるのさ
創竜伝もそうであった。一方的に権力者を馬鹿にすればそれでよかった時代が突然終わり、過ぎ去った。では著者はどうするであろうか?
∧∧
( ‥)ギャグキャラを出して
争点をごまかせば
良いんじゃね?
(‥ )...と冗談半分で
当時そう言っていたら
本当にそうなってな
ああ終わった
そう思ったもんよ
信じがたい話だが、当時、冷戦が終わったからスパイ小説家は失業だ、そう言われたのである。
何を馬鹿な。冷戦が終われば世界は列強の時代に戻るし、そうすれば様々なスパイと謀略が跳梁跋扈する世界になるだろうに…。
∧∧
(‥ )だけども冷戦終了で
\‐ スパイ小説は終わった
そう言われたのである
(‥ )創竜伝もそうだけどよ
冷戦の終結ってのは
文化人には途方も無い
驚天動地の
出来事だったのよ
世界の終わりに近かった
わけなのよ
えっ? 冷戦が終わったらWW2以前の列強の時代でしょ?
そういう突っ込みに誰も一切、これっぽっちも聞く耳を持たぬのである。
なんとも奇怪な事実だが実際にそうだった。
列強の時代でしょうが?
そう言っても、彼らは、僕はどうしたらいいんだ? どうしたらいいんだ? そうやって定年退職して燃え尽きた企業戦士のようなうわごとを繰り返すばかりなのであった。
∧∧
(‥ )それを考えると
\‐ 今のリベラルの迷走も
当然というわけですか
(‥ )そもそもリベラルの言う
グローバル化とか
多文化共生社会とか
そういうのは全部
冷戦消滅で途方に暮れて
安易なユートピア思想に
飛びついてつかんだ
泥縄、泥舟だったからな
最初から時代に
非適応だったんだよ
そして先に述べたように、リベラルは、冷戦が終わったら、そりゃあ次は列強時代でしょう。ひゃっはー! とは絶対に考えなかった。
なぜなのかどうしてなのかよく分からないが、とにかくそうなのだ。
∧∧
( ‥)そしてリベラルは今
世界の流れについていけず
発狂し始めている
(‥ )列強時代でしょ?
そう言われても
あの連中は
口から泡をふくだけですねん
なにゆえにそこまで思考が剛直なのか、その原理は分からぬ。だが、観測するに彼らは絶対的にそうなのだ。
冷戦が終結した時、世界は終わってしまったのである。少なくともリベラルの中ではそうなのであった。
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