自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年7月4日火曜日
群れるあなたに根拠なく
ジュラ紀後期、北米で肉食恐竜の頂点にたったアロサウルス。これより大きな肉食種も見つかっているのだけども数が違う。
そしてこのアロサウルス、なぜか群れで狩りをしたことにされるのである。
∧∧
(‥ )群れを作る動物も珍しいのに
\− 群れで狩りをする肉食獣だと
考える根拠はなに?
(‥ )ほとんどの説は無視して
良いものだな
アロサウルスが集団で狩りをした、というアイデアのほとんど全部はどうでもいい根拠しかない。例えば、アパトサウルスやブロントサウルスのような巨大恐竜をアロサウルスが仕留めるには群れでかかるしかない! という感じ。
∧∧
( ‥)それって結論ありきの
循環論法だろ?
( ‥)根拠があると言って良い
−/ アイデアは
トラップにかかった
アロサウルスの数が
非常に多いからというもの
であるな
化石の産出地には、時としてトラップだったのだろう、という場所がある。有名なのは氷河期の北アメリカ、現在のロサンゼルスにあったラ・ブレアのタールピットだ。ここはタールが滲み出たぬかるみで、そこにはまって死んだ哺乳類の化石がわんさと出る。
その化石のほとんどは肉食種であり、内訳はサーベルタイガーとダイアオオカミだ。おそらくどちらも集団で狩りをしたと思われる種族である。要するにタールにはまった草食獣を食べようと肉食獣がやってくる。その際の餌争いで勝てるのは群れを作れる種類だ、という理由だ。狩った種族がタールに近づく。そうして100年に1度、タールに誤ってはまって死ぬ肉食獣が出るだけでも、10万年これが続けば1000頭が化石となるだろう。
∧∧
(‥ )そしてジュラ紀北アメリカの
\− 化石産出には狭い場所から
大量に化石が出る場所があり
そしてそのほとんどは
アロサウルスである
なるほど
これを解釈すると
可能性として群れという
選択肢も出てくるのだと
(‥ )ところがよ
これトラップじゃなくね?
という論文が出てきたわ
∧∧
( ‥)...ああ前提が木っ端みじん?
( ‥)化石化の過程と
−□ 化石産出地の研究は
重要だよなあ
群れを作る動物は珍しい。そりゃたしかに鳥はぴーちくぱーちく群れるし魚も群れる。
だが構成メンバーが固定されていて組織化されて、なおかつ協同して狩りをするなど、非常にまれな属性だ。
∧∧
(‥ )そういうまれで特別な
\− 属性を安易に適用するのは
危険だってことですね
(‥ )アロサウルスが群れで
狩りをした説は
採用できんな
証拠が弱いし、その弱い証拠ですら疑わしいとなったら、こりゃあ駄目だ。それにしても恐竜の俗説にはこういう事例が多すぎなのであった。
∧∧
(‥ )恐竜にはロマンがあるから
\− なんでしょうね
(‥ )というか
ロマンの餌食になっている
と見るべきだろうなあ
あと、この内容をいちいち記事にするかどうか、それが問題なのである。
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