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2017年7月4日火曜日

格好いい想像だけどこれだとフィクションですね

 
 
  ( ‥)アロサウルスの原稿は
    −/ 1200文字に収めたぞ
 
 ∧∧
( ‥)アロサウルスが
    群れで狩りをする説に
    関しては
    それにはほとんど根拠が無い
    とだけ書いたのだね
 
 
 だがここでふと検索してみた
 
 
 ∧∧
(‥ )アロサウルス 群れ…
\−  ぞろぞろ引っかかってきたぞ
 
  (‥ )えっ? そんな馬鹿な
      こんなマイナーな仮説が
      どうして??
 
 どうも恐竜世界でハンティングするだかなんだか、そういうゲームがあって、そこではアロサウルスが群れで襲いかかってくるのだそうだ。2015年から続いているらしいので、そこそこ人気があるんだろう。
 
 もちろんこれ、ゲームの影響だけではあるまい。
 
 ∧∧
(‥ )全長10メートルの怪物が
\−  群れになって
    全長20〜30メートルの
    巨大竜脚形類を襲う
    その光景たるや
    壮観でしょうからなあ
    アロサウルスが群れで
    狩りをする
    この仮説が
    マイナーな仮説でしかないのに
    一般に親しまれているのは
    当然と言えば当然ですか
 
  (‥ )むう、だとすると
      アロサウルスが群れで
      狩りをした説は
      根拠がほとんどないよの
      一言で終わらせちゃ
      だめってことか
 
 全長10メートルの肉食種が群れを作り、ゾウをはるかにしのぐ巨獣に戦いを挑む。
 
 このロマンを

 根拠弱いからダメ


 の一言で終わらせるわけにいかんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)もともと根拠が弱いこと
    その根拠さえも
    多分崩れること
    そういうことは
    ちゃんと説明しないと
    納得してくれないだろうね
 
  ( ‥)2400文字に
    −/ なっちまったが
       まあしょうがないか
 
 それにしても恐竜が群れを作った説とは、どうにも困ったものだ。実際、恐竜が群れを作った、集団で渡りをした、親子で生活した、集団で狩りをした、どれも根拠がほぼ皆無。あるいは他の分野の学者ならそういう解釈をしないものがほとんどである。
 
 ∧∧
(‥ )恐竜学はやることが雑だ
\−  そう評する他分野の研究者さん
    いるよね
 
  (‥ )80年代以前
      恐竜は下等な爬虫類で
      複雑な行動ができない
      子育てとか社会性
      あるいは集団行動
      そういうことができない
      そう言われてきたけど
      その反動なんだよな
 
 恐竜は爬虫類で下等だから哺乳類のような行動ができない。無論これは間違いである。というか、少なくとも半分は間違いだ。生物の行動はどの行動が最適かで決定される進化的なものだ。これは進化生態学とかからすれば当然で、例えば子育てひとつでもそれを行うか行わないかは生物の立ち位置で決まる。高等、下等はあまり関係ない。
 
 実際、昆虫は子育てするし、哺乳類でも近縁種の中に群れ生活者と単独生活者が混在している。
 
 だから70年代、80年代の恐竜に関する否定的な議論は、当時の進化生態学からしても笑いものになるような低レベルな代物であった。

 当時の脊椎系の古生物学者は、肝心な生物学のことを良く知らなかったんじゃねえの? と疑いたくなるような状況である。
 
 ともあれこれを覆すために、かつて恐竜の化石や産出状況を、恐竜の集団行動や群れ、子育てに結びつける解釈が盛んに行われた。
 
 ∧∧
(‥ )これ自体は
\−  恐竜学を盛んにする上では
    非常に有効だったんだけどね
 
  (‥ )だけどこれはこれでなあ
      他の分野の学者から
      僕らの分野では
      こんな解釈しないし
      こんな解釈しちゃ駄目だろ
      そう言われちゃう
      内容だったのよね
 
 悪く言うと恐竜学とは井の中の蛙、あるいは、19世紀末の骨戦争以来、所詮、恐竜は客寄せパンダでしかない、ということでもあった。
 
 とはいえこういう悪い解釈自体は実のところ、よくあることなのである。 

 例えば貝類の研究で、ある指導教官が嘆いて曰く、院生が産出した化石から当時の種構成をそのまま復元しようとしやがった、と
 
 ∧∧
(‥ )貝類みたいに大量に産出する
\−  生物群でも
    化石が当時の種構成を
    反映するかというと
    多分、てんで駄目だろうからね
 
  (‥ )多分どころか
      まるで違ってるさね
      化石になる、ならない
      その保存過程は
      種族によって全然違う
      当時実際の種構成なんか
      化石で保存されねえよ
 
 だから指導教官はあきれているのである。だが指導教官がぼやくということは、こういう駄目な発想はありがちであり、ちょっと油断すると学問領域全体がそれに呑み込まれてしまうということなのでもあった。
 
 ∧∧
( ‥)今度の恐竜の本は
    どこまで踏み込むの?
 
  (‥ )格好いい想像だけど
      これだと
      フィクションですね
      ぐらいの指摘ですませます  
    
 
 
    

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