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2015年10月24日土曜日

高低差10センチに100万G

 
 ∧∧
(‥ )深海生物はなんで怖いの?
\‐  ...だそうで
 
  (‥ )見ること
      食べること
      このふたつに特化している
      からだろ?

 
 光が乏しく、しかも、水という光を遮断する媒体の中で、獲物を見ること
 
 前後左右、座標というものが意味を持たない世界で

 どこにいるか分からない獲物を確実に食べること
 
 ∧∧
( ‥)見ること食べることに
    特化している
    これを逆に言えば
 
  (‥ )見られている
      食べようとしているだ
 
 暗闇の中からこちらをじっと見つめる目
 
 確実に逃さないように特殊化した口と牙

 これを目の当たりにした時、脅威を感じないとしたら、それは生物として故障しているのだと言える。
 
 確かに、恐ろし気な深海生物は、実際にはどれも小さい。ほとんどのものは手のひらサイズどころか指の大きさである。それでも人はその容姿に恐怖を感じるし、そこには生物的に合理的かつ必然の理由がある。
 
 ∧∧
(‥ )深海生物とは
\‐  淘汰を受けて作られた
    理路整然たる機能を持つ
    存在である
 
  (‥ )でもあれなんだよな
      一般の人にとって
      深海生物っていうのは
      そういう存在では
      ないみたいね
 
 深海生物は神が夢を見て作ったのだ。そういう詩的な言い様があることから察すると、一般の人に取って深海生物とは、合理的な存在ではないらしい。
 
 ∧∧
(‥ )資源が乏しい世界で
\‐  防御をかねて体を大きくする
    そのために体はぶよぶよ
    かさだけでかくて
    それを支える骨は
    最小限度に抑えられて
    薄いフレームのように
    張り巡らされ
    資源を獲得する口と
    資源を発見する目に
    重点的に投資が行われている
 
  (‥ )だが普通の人は
      そう思わないらしいのな
      なんか非合理の塊に
      見えるみたいなのよね
 
 これはかなり理解しがたいことだけども、言い換えれば、普通の人からすれば深海生物が持つ合理性はまったく理解不可能だということでもある。
 
 これを踏まえると、むしろあれではなかろうか?
 
 深海生物ってのはこんな失敗作なんですよーwwww そうあざわらうかのような嘘を書き連ねた方が、皆は”分かって”くれるのではなかろうか?
 
 ∧∧
(‥ )こういう時
\‐  一から啓蒙しよう! と
    言う人もいるけども
 
  (‥ )啓蒙ねえ...
      俺たちは自主的には
      三角法を習わないから
      国家が強制的に三角法を
      学校で習わせるわけ
      なのだがね
      これを踏まえるとだ
      啓蒙活動というのは
      強制的なものでないと
      効果はないってことでも
      あるのだけどな
 
 予備的な知識を積む事は山を築くことでもある。少し高く登れば視界が開ける。そこからの景色に皆は目を見張るだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも山に登らない人間には
    上から見た展望は
    理解できない
 
  (‥ )画像を見せれば良い...
      と思うかもしれないが
      考えてみれば
      そんなの意味ないんだよね
 
 山の頂上から見た景色をテレビで眺めた時に感動するのは、実は数百メートルでも数十メートルでも、山登りの経験があったから実感できることだろう。これは親に肩車してもらったら景色が全然違って見えた、とか、ビルの屋上に出たら景色がまるで変わってしまった、とか。
 
 そういう、”登る”という経験があるから、その延長があるから実感できることだ。

 反対に、もしも完全に平面しか知らない人間に空から見た景色を見せても、彼らがそれを理解できるのか疑わしい。変な模様にしか思わないかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )それを考えると
\‐  深海生物の不思議を
    人に伝えるってのは
    まったくの無意味だって
    ことだよねえ
 
  (‥ )すごいだろ! と
      言ってみせても
      はあ? 何が?
      と言われて終わりだろうな
 
 例えばおおいに盛り上がったダイオウイカだが、ここには、
 
 大きい
 
 イカ
 
 という既存の単語の組み合わせしか存在しない。組み合わせは未知なんだが、単語は既知だ。これは登りやすい知識であったと言える。だからあれだけ盛り上がったのだ。
 
 ∧∧
( ‥)だけどダイオウイカがなぜ
    生物史上最大の眼球を持つのか
    その理由を説明しても
    誰も関心を持たないと
 
  ( ‥)光の減衰と生物発光
    ‐/ マッコウクジラの存在
       視覚と反響定位の争い
       未知の単語が多すぎて
       普通の人では
       これは
       登れないよねえ
 
 人間は知識の世界の平面しか移動できない。一応は上にも登れるのだが、極端に重力が大きい世界にいるようなもので、知識の世界を一センチ上がるだけでもそれは登山に相当する。脳はエネルギーを大量に消費する器官だ。これは当然だろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)じゃあどうします?
 
  (‥ )取りあえず今
      深海生物の仕事は
      無いから
      どうでも良いでしょ
 
 それに、本当に知りたい人は、論文を読むだろう。

 世間に曰く、図書館にいかなくても、本を読まなくても、ネットさえあれば知識に接続できるのです。
 
 それはある程度正しい。実際、ネットであれば図書館に無い論文に接続することが可能である。
 
 それゆえ、豪語したのならそれを読まなければ嘘だ。

 実際、知識は目の前にあるのだから、言って読まないのならそれはただの嘘つきである。それに簡単なことではないか。検索して見つけて読めば良いだけなのだから。
 
 ∧∧
(‥ )単に登りがきついだけでね
\‐
 
  (‥ )高低差は10センチぐらい
      なんだけどね
      100万Gぐらい
      かかってるかなあ
 
 
 

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