自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年5月17日土曜日
ダイオウイカを聞かれた
某所の公民館で深海生物に関するささやかな講演をして、
∧∧ 帰宅でーす
( ‥)
‐( ‥)ああ。疲れた
水族館の人とか研究者とか、プロの人たちが後々の日程でしゃべる予定である。自分はいわば露払い、深海の基本と水の性質、青と闇の世界、深海の地形などについて話すという案配。
水族館というと、深度数百メートル、大陸棚にいる魚介類の話をした方が良いだろう。そういうわけで相模湾から相模トラフ、日本海溝、太平洋の深海平原、ガラパゴスへと至る説明を行う
途中、水中では見通しが効かない、ということを話すために
ダイオウイカがなぜ巨大な眼球を持つのか?
これを説明した後の小休止中に、質問を受けた
深海魚が相次いで見つかっているのは異変なのか?
ダイオウイカがまずいというのは本当か?
( ‥)...ああ、そういうことに
‐□ 興味があるんだ
∧∧
( ‥)みたいだね
なんで上がるか分からないのだから、異変もなにも、分からないとしか言えない。それに、注目されて日本中からこんなのがあった、と報告が相次げばいかにも異様だが、それは単に、稀に起こることも広く見ればいつも起こっているというだけの話。異変云々なんていう必然性はどこにもないですよね。
ダイオウイカは、塩化ナトリウム(塩)を塩化アンモニウムに置き換えた体液を大量に持つことで重量軽減を実現、省エネ生活をしています。それゆえ、必然的に肉はふにゃふにゃで歯ごたえがなく、妙に、にがしょっぱくなります。この肉、塩化アンモニウムがたっぷりですと言われたら、あまりおいしそうではないですよね。
∧∧
(‥ )あなたからすれば
\‐ 興味がわかないか
すでに本に書いたことで
あるのだと
(‥ )質問されれば答えるけど
いちいち書く気には
ならないよなあ
でも質問されれば
答えることは出来るのだ
他人には他人の興味、自分には自分の興味、である。
他人と言いつつも、彼らは消費者(になりうる人)ではないか? と考えることもできるが、それ自体を解説した本はいくらでもあるわけで、答えられることではあるけども、今更書くことではないだろう。
とはいえしかし、こういうことに興味があるんだ、というのは新鮮な驚きでもあった。
一人、深海魚の発光器の役割とは何か? カモフラージュ、餌動物の誘因、それだけで説明できるのか? という質問をした人がいたけども
∧∧
( ‥)そういえばそれは
この前に書いた本*で
書いたことだったね
( ‥)チョウチンアンコウの
‐□ 釣り竿は誘因なんだ
チョウチンアンコウは発光器を、獲物を誘き寄せる疑似餌として使う。そして彼らはカモフラージュに発光器を使わない。ひょっとしたら暗い水深にいるので必要がないのかもしれないが、そもそもそのための発光器を持っていない
...持っていないはずなんだが、
∧∧
(‥ )実は一例だけカモフラージュの
\‐ 発光を彼らが行った、という
観察例があるのですよね
(‥ )初めて聞いた時は
ぎょっとしたし
正直信じがたいけどね
ともあれ、
その話を説明し
深海魚の発光器は
カモフラージュと
疑似餌だけでは
説明できない、という
話もしたのだ
本当なら、この前に書いた本ではそのことに関してもう少し詳しく書いたから、それを読んでね、と付け加えるべきだったのかもしれないけども、言いそびれた。
まあ、質問した人が興味を持って調べたら、多分、自力で行き着くだろう。
∧∧
( ‥)以前もした話題だけども
深海にも視覚と色覚に関する
性淘汰があるんじゃないのか
この話=>hilihiliのhilihili: 深海にも色覚に関する淘汰がある
( ‥)これこそ個人的には
‐□ 興味のある話
なんだけども
訳分からんことが多くて
訳分からんのよな
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