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2014年5月27日火曜日

ネトウヨって直接民主制の体現者でしょ

  
 ネットで煽動された結果がアラブの春であり、そして混乱です
 
 ∧∧
(‥ )どう思います?
\‐
 
  (‥ )すばらしい
      これが直接民主制という
      ものだね
 
 直接民主制を唯一無二と信じるままに、げろげろになって滅びさっていったギリシャポリスの有様が、よく分かるような話じゃないか。
 
 言い換えるならば、賢しい知識人の皆様の言い様から考えるに、ネトウヨとは、真なる民主主義の体現者、直接民主制に他ならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)プラトンさんは
    直接民主制を唾棄したよね
 
  ( ‥)そりゃあそうだろうな
    ‐□ 戦争には勝ったのに
      嵐で損害を出したという
      理由で民衆は
      将軍たちを処刑した
      それに反対した師匠の
      ソクラテスもまた
      処刑の運命を辿る
      わけでね

 
 プラトンが民主主義を否定したことも、階級制度によるプロの軍人と訓練された政治家に統治された国家を夢想したのも当然なんだろう。彼が直接民主制を賛美する理由など欠片も無い。
 
 そのプラトンはイデアを考えだした。この世界はイデアのまがいもの、劣化物であり、真なるものが別世界に存在する、そういう考え方だと言えば良いか。
 
 頭でっかちの知識人の典型的な例がここにある。いわゆるネトウヨと対照的だとも言えるし、大衆をネトウヨと罵倒する知識人は現代のプラトンだとも言える。そうではないか?
 
 ∧∧
(‥ )ネトウヨを嫌う人も
\‐  理想の原型が
    どこかにあって
    それを現世で実現したいと
    考えるみたいね
 
  (‥ )まるでプラトンが
      現実を憎み、
      大衆を憎み、
      人々を愚かと軽蔑し
      出来もしない理想論を
      実現出来ると思い込んだ
      みたいにな
 
 たしかに、ある意味でプラトンの夢は実現するのである。はるか地中海の西方からやってきた新たな侵略者ローマは、階級制度とプロの軍人とプロの政治家に統治された国家であった。
 
 ∧∧
( ‥)でも、ローマが
    あなたの理想でしょ?
    と言われたら
    プラトンさん、
    怒っただろうね
 
  ( ‥)ローマ人は野蛮人だし
    ‐□ プラトンが人間完成の
      道とみなした数学には
      興味を示さないし
      ローマの政治ときたら
      これが汚職だらけの
      ろくでもない世界でね
 
 だが、そのローマが直接民主制も、それを軽蔑した知識人もことごとく屈服させて、そして長い統治の歴史を刻むのであった。まあ、その、なんだ、理想は理想でしかなく、現実が現実だってことなのだ。汚職があろうが、数学を知らなかろうが、それが現実の振る舞いであった。
 
 考えてみればそうなのである。例えば若者を徴兵制で鍛えよう! とほざく老人だって、そのために税金を使われたら、途端に渋面を作って叫び声も小さくなるはずだ。理想は現実の前に挫折する。これ当然。
 
 ∧∧
(‥ )徴兵って簡単に言うけど
\‐  お金かかるよねえ
 
  (‥ )働ける若者を軍隊へ
      入れちゃうわけだからね
      それだけじゃない
      彼らを税金で
      養わなければならん
      食費、ガス光熱費、電気代
      施設の維持費、
      衣服や布団、さらには
      訓練に必要な施設と装備
      一体全体、
      幾らかかることやら
 
 現実の前に、理想はもろくも屈服する。
 
 そして煽動されて現実の前に屈服した、というのなら、それは別にアラブの春に限った事ではないんだろう。マスコミに煽動されるようにして、漢字だ、ラーメンの値段だと、どうでも良いような言いがかりで政権交代させたあげくの顛末は、今や誰もが知るところである。
 
 あれは大衆自身の煽動的な動きではなく、知識人の煽動ではあった。知識人にはプランがあった。ごく単純な、これが理想の社会だ、という計画。というか、思い込みだ。彼らは自分たちの思い込みを素朴に追求しただけにすぎぬのだろう。知識人なら賢く緻密な計画があるだろうと思ってはいけない。彼らは惰性で生きて同じルーチンワークをするだけの、ただのおっさんでしかないのだ。そして理想は挫折する。当たり前だが、結果は無惨なものだった。
 
 ∧∧
(‥ )そういえばプラトンさんも
\‐  シチリアの王様を
    感化しようとして
    失敗したんだよね
 
  (‥ )扇動的な大衆を
      軽蔑する人が
      煽動に失敗して挫折する
      なかなかね
      ありがちだけども
      おもろい人生よな
 
 これが大哲学者のやったことだと言うのだから呆れてしまう話だ。いやむしろ、これこそが歴史上最大の中二病患者であったプラトンの面目躍如というところかもしれぬ。

 
 ∧∧
( ‥)煽動されるものこそ
    民主主義
    理想に燃えてそれを
    軽蔑するのは非現実的な
    夢想家で
    しかしその夢想家も
    現実の前に屈服する
    勝利するのはどちらでも
    無い人たちですよ、と
 
  ( ‥)そしてあれよね
    ‐□ ネットでうごめく
      人々の情動を
      愚かと揶揄し
      ネトウヨというレッテルを
      張り付け、
      現実世界は僕の考えた
      理想のイデアに沿うべきだ
      そう考える
      賢しい人々が今もいる
      おもろいものよ
 
 昔も今も変らない。もちろん、結末も同じなのだ。そんな人生、全部無駄である。分かるかい? 全部、無駄に終わるのだ。一体全体、これを何度繰り返してきたことか。そのこと知らんわけでもあるまいに、なぜ分からないふりをする?
 
 
 
 *ところで、ネトウヨというカテゴリーはどうもあまりに広い概念で、雑すぎるのだけども
 
 ∧∧
( ‥)まあ、便宜的に
    使いましたよ、と
 
  ( ‥)知識人とか文化人ほど
    ‐□ こういう言葉を
      使いたがる
      彼らは自分たちを
      暗黒を照らす松明だと
      思い込んでおるが
      それゆえにだな
      光を記述するには
      まず闇から
      追跡するべきなのだ
 
 これは闇である! そう唾棄する人の言葉は、その人自身を示している。ネトウヨなどという影も闇も、実際には存在なんかしない。まずあるのは闇ではない。これは、これなる闇である、そう叫ぶ人の認識、それこそが先にある。
 
 光があれば影が伸びる。我は松明なり、そう自負する人がいれば彼が指摘した闇を追えば良い。その影は必ずその人の認識の足下へと続く。ゆえに彼ら自身の内面を知る手がかりとなるだろう。
 
 
 
 

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