自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年1月5日土曜日
客は選ぶな なぜなら仮想存在だからね
∧∧
(‥ )でも、作り手側がお客を選ぶな
\– そういう言い様もあるのですね
(‥ )いや、選んだっていいのさ
ただし、選んだ結果がどうなるのかは分からない
∧∧
( ‥)あるいは客を選ぶ選ばないは
関係ないとも言えますね
(‥ )作品Aを作った。売れた
作品Bを作った。売れない
それだけの話だからな
客というのはこの場合、ターゲットとする購買層のことだが、ぶっちゃけた話、作り手側からすれば購買層を想定する必要もない。
∧∧
( ‥)Aを作った。外に出す
入金と依頼がある
Bを作った。外に出す
入金はあるけども
同じ依頼はもうこない
(‥ )確実に存在するのは
室内と入金、依頼だけだ
とも言える。
外部はあくまでも
仮想的な存在だ
こんなお客が買って
くれたのかな? と
想像することは出来るけど
それは空想の産物だよね
購買層が仮想的なものである以上、作り手側にすれば確実に存在して確認できるのは作業現場と入金と依頼だけである。
∧∧
( ‥)客を選ぶな、というよりは
(‥ )決定するのは入金と
依頼だけだ、とも
言える。
作業現場の外部から入金と依頼がくることを考えれば、確かに外部は存在し、それが売れ行きを決定するのだろう。
そういう意味では外部自体は存在する。
∧∧
( ‥)問題はですよ
( ‥)外部の中身がどうなって
–□ いるのか不明瞭なんだ
ほぼ仮想的なもの
理論的なものでしか
ないとも言える。
そういう意味では、外部の実在は保証の限りではない
より正確にいうと、外部はあるけども、こっちが想定した外部の仕組みや成り立ちは理論的なものでしかない、という意味。当たり前。
∧∧
( ‥)より正確な数値を手にする
出版社でさえ、購買層を
つかみかねるところが
ありますからね
(‥ )ラノベなんか良い例かもね
かわいい女の子を描けば
売れるんだろ? と
したり顔でいう人は
いるけどもさ
じゃあ、なんでタイトルによってあんなに売れ行きが極端に違うわけ? 100倍か、それ以上、違うだろ。
∧∧
( ‥)かわいい女の子が必須でも
別のなんらかの要因が
効いているのは明らかですね
(‥ )クジャクの尾羽は必須だが
もう性淘汰の本筋ではない
そういう状態かもしれない
では、他の主要因が
見極められたら予測は
可能になるのか? しかし
ラノベの動態が本質的に
カオティックだったり
したら、編集部にはもう
どうすることもできない。
予測など不可能だ。
事実、ラノベは、売れ行きを確実にコントロールしたり、予想できるようなものではないようである。
かわいい女の子を描けば、などど素人がしたり顔で言ってよい問題では断じてない。
∧∧
( ‥)そういう意味ではみんな
購買層という仮想存在を
いじくりながら、これ
なんだろう、と言っている
状態ですか
( ‥)そういう意味では客は
–□ 選ぶな、というのは
結果的には正しいかもね
ただ、それはお客にまんべんなく良い顔をしろ、と言っているわけではないだろう。
∧∧
( ‥)そうではなくて
(‥ )客という仮想存在を
どう想定しようが、
想定した仮想存在のどれを
選ぼうが選ばなかろうが、
結果を決定するのは
僕らが考えた仮想存在
ではないってことさ。
ひるがえれば、時として客が言う言葉、クリエーターは客を選ぶべきではない、この主張もまた無意味なことなのだ。客が購買層そのものではない以上、客、個人の意見もまた、たわ言にしかならない。
口先だけが達者な客は、自分が想定した購買層が実在すると思い込んで口やかましく、おせっかいにも言うのだろうが、その得意げな購買層とやらもまた仮想存在でしかなく、実在は保証されていない。
作り手にも受け手にとっても、購買層とは空想の産物なのだ。脳内購買層をいくら慎重に選んでも、結果は保証の限りではない。
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