自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年1月17日木曜日
現状では疑似科学の域でしょうねえ
hilihiliのhilihili: なに簡単さ、人間やめればいいのだよの続き
∧∧
( ‥)つまるところメディアが
仕事してないんじゃね?
ということですか?
(‥ )いや、出来ることの限界が
現状で、それが端から
見るとマスゴミと呼ばれる
レベルになっている。
それだけの話じゃね?
例えばの話、ユーゴ内戦の時、ずーっとモスレム人、モスレム人とマスコミは言うのである。
∧∧
( ‥)ムスリム、つまり
イスラーム教徒の皆さんの
ことですよね?
( ‥)無理もない、と言えば
–□ 無理もないんだ。
本でしか知らないけども、西欧で発明された、国民国家、とか、一民族一国家、という概念は他の世界では奇妙な形で受け入れられたという(そもそも民族や国民、国家という概念が恣意的で、世界の有様を記述できなかった、ということでもある)。
*そもそもユーゴ内戦もそういった外来の”民族という概念”を使った戦争だったとも言える。少なくともそういう側面があった。
∧∧
( ‥)オスマン家の支配領域だった
トルコ帝国は多民族多宗教の
国からいきなり
トルコ民族の国民国家という
設定になるし
トルコ系でないムスリムが
俺たちもトルコ人だろうと
(無理もない)勘違いをして
トルコに流入したとか
聞きますよね。
*どっちも紛争の原因になる
(‥ )反対にユーゴでは
ムスリムが民族として
設定されたりした
みたいね。
文献が埋もれていて記憶だけで書いているけども。もしかしたら、そういう理由で日本のメディアもモスレム人、モスレム人と連呼した側面があったのかもしれない。例えば相手国政府の言い様や呼称をそのまま訳していたのならそうなる可能性もある(ただし、これ自体は解釈や推論)。
∧∧
( ‥)でも2週間ぐらいそのままで
後からムスリム、とか
イスラーム教徒と呼ぶように
なったのでしたっけ?
(‥ )つまりだ、僕は
文系だから理系のことは
分かりませんって言う
ジャーナリストの言い様は
おそらくは嘘っぱちなんだよ
ジャーナリストは文系のことも知らないし、分からないし、調べない。
これがおそらく正しい。
*あるいは調べたか、指摘されて是正するにしても、かなり時間がかかっている、ということ。報道内容が文系の事柄でも、前もって調べていないのは明らかである。
∧∧
(‥ )でも、プロとしての仕事も
\– しているのですよね
個人的に、マスコミってなんだかんだ言って報道のプロなんだな、と思った事例=>hilihiliのhilihili: 知恵をつけてきやがった
(‥ )ああ、あれには正直
感動したな。
いかに間違いない表現で消費者を煽ることができるか? シーベルトが使えないのならミリシーベルト、マイクロシーベルトを、それも使えないとベクレル、ついには自然状態の何億倍(そりゃ短寿命核種を比べればそうでしょうよ)、と表現を変えていく。
*ちなみにリンク先における、ベクレルが原子の数、という表現は、崩壊する、などの厳密な表現を省いています。
∧∧
(‥ )でも、こういうやり方こそ
\– マスコミならぬ、
マスゴミの真骨頂と怒る
人もいるのですよ
(‥ )だからこれが限界だし
これが報道だってことさ
理系のことばかりか文系のことも分からない、知らない、調べない。それでも報道という作業、それ自体はプロだ。それがマスコミやジャーナリズムであり、あるいは科学ジャーナリズムとかいうものの正体ではないのか?
∧∧
( ‥)そういう動作がマスゴミだと
揶揄され、軽蔑されるの
ですよ
(‥ )いやだからさ、
かくあるべしで考えては
いかんのよ。
それじゃ疑似科学だよ。
現実を説明できる理論がある。その理論に基づいて予想するに現状が限界、と見なされた時、それが限界となる。
:報道は時間が限られている
:限られた時間内に責任が生じない記事を書く必要がある
:例えば”安全ですとは言えない”、実際に危険だった時に責任を問われるからである
:問題だ問題だと言えば良い(例:病院が患者をたらいまわし、と報道する)
:間違いのない範囲で煽れば売れる
:ただし少数の人間が気づく間違いは、大多数の消費者には認識されない
:少数の人間が気づく間違いは、間違いの範囲には含まれない
:科学的には嘘、大げさ、まぎらわしい、はマスコミにとって商業的に許容できる範囲内(類似例:病院が患者を以下略)
ゆえにマスコミに科学的な報道は不可能。
もちろん、以上はあくまで仮説的な限界、大げさに言えば理論的な限界だが、事実、現状を突破出来ていない。
つまり理論的に不可能なことは、実際にも不可能だということだ。
これを突破するには、突破したい、などという、念じればスプーンも曲がるというオカルト的な発想では無理だ。
例えば、マスコミの動態を説明できる、”より精密で説明能力の高い理論”を発見した時、しかもその理論が突破を許しているのなら、理論上、条件を満たせば突破が可能になる(*注:突破を許す理論があれば良い、ではない)。
∧∧
( ‥)そして実際に突破できれば
その理論は、例えばあなたの
理論に取って代わり、以後、
突破した報道が可能になる
はずだと
(‥ )だが実際はどうだね?
できたか?
やれるか?
やったか?
科学ジャーナリズムをいかに成立させるのか? という議論は、この意味においては現状、まったくのトンデモ。唾棄すべきオカルトでしかない。
やれるものならやってみろ。出来ないのならそんなもの机上の空論以下だ。
∧∧
( ‥)では、正しい科学報道は
やはり原理的に無理だと?
(‥ )いや、できるよ。
ものすごく簡単。
研究者が書いた原稿をそのまま載せる。
∧∧
(‥ )...それだと分かりにくいので
\– 書き換えるでしょうね
(‥ )いや、だからさ、それを
やって、本人はうまく
やれたと思っても、
実際には間違いだらけに
なっちゃうから馬鹿に
されてるわけじゃんよ
かくて話は振り出しに戻る。
分かった、分かりやすい、は、”正しい”とイコールではない。分かったとは、ただの自己申告であり、それ以上の意味はない。そもそも、そんな申告で良ければテストなんてこの世界にないのである。
分かったから良い、分かったから正しい、そう思っている時点で駄目なのだ。分かりやすい、という言葉も同様である。単なるたわ言だ。
∧∧
( ‥)そういえば、大手新聞よりも
スポーツ紙の方が科学記事は
正確だって揶揄が
ありましたね
(‥ )彼曰く、大手は無駄に
プライドが高くて
間違った解釈を書くが
スポーツ紙はそのまま
載せる、ってな。
もちろん、これはあくまでも揶揄。統計的なデータがあるわけではない。
続く=>hilihiliのhilihili: 認識せず満足している以上、是正できず
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