自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2013年1月23日水曜日

古本

 
 
 ∧∧
(‥ )そういえば先日、読み終わった
\–   本は古本屋に、と言われたので
     古本屋に電話したら、
     本の価値が分からない最近の人
     に持ち込まれても、、、
     みたいなこと言われて
     怒っている人いましたね
 
  (‥ )ネットで見ただけだが、
      まあ、そんな話だったな
       気持ちは分かるよ
 
 ちょっと違うが、重い本をえっちらおっちら持っていて、店長がいないから無理です、とあっさり突き返された時の徒労といったらないからね。
 
 ∧∧
( ‥)だからブックオフに負けるのだと
 
  (‥ )というか、そうねえ、
      推論するにだな
 
 チェーン店でもないし、大きな敷地もない個別の古本屋のことを考えるに、そこに本をばんばか持ち込まれたらどうなるだろう?
 
 ∧∧
( ‥)はけないし、置き場所も
    ないでしょうね
 
  (‥ )というか買い取れないよな
 
 本でもなんでも売値の10分の1が買い取り価格の相場だとしたら、1万円分の本が持ち込まれたら1000円の出費が必要。
 
 ∧∧
( ‥)1000円で買い取った本'sを
    総額5000円で小さなお店の
    書棚に並べたとしても
 
 
  (‥ )全体の5分の1がはけて
      買い取り価格1000円を
      回収するまで、
      どのくらいかかるかね?
 
 小さな店だ。そんな客がくるとは思えない。1000円売れるのにどのぐらいだろう? 1日で達成できればいいが、3日かかったら?
 
 しかも利益を出さねばならないのだ。買い取り価格1000円回収でようやくトントン(実際には店舗の家賃、光熱費、維持費を考えたら赤字ですかね)、さらに売って1000円の利益を出すのにどのぐらいかかるだろう?
 
 そうこうしているうちに
 
 ∧∧
( ‥)また1万円分の本を
  –□ 1000円で買い取って
     ください
 
  (‥ )...餓死してもいいですか?
 
 
 ∧∧
(‥ )街の古本屋さんは店長が
\–   本を見て買い取り価格を判断
     するから、店長さんが
     いないと、すいません、今、
     買い取れませんになるの
     ですよね
     *そもそもそれを口実にした
     買い取り拒否である可能性も
     考えられる
 
  (‥ )ブックオフなんかはそれを
      機械的にこなすので
      重い荷物を持ったお客を
      追い返すことがないし
      無駄足になるまいと
      分かれば持ち込み客がくる
      品物が増える、
      売り場面積は大きくて
      品物を置ける
      客がやってくる、はける、
      着眼点が良かったよね
 
 
 一方で、ブックオフの本はみんなが持ち込むせいか、そんな良い本(専門書など)があるわけではない。
 
 ∧∧
(‥ )使い古された古い時代の
\–   教科書とか有用なのも
     混じっているのですけどね
 
  (‥ )石の中に玉が混ざる
      感じだよね。
      でも例えるなら
      その希少性は
      砂金レベルだよな
 
 本当に価値ある本は、それぞれのジャンルに特化した専門の古書店にいかないと、まず買えない。
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味ではブックオフが
    街の古本屋を次々に駆逐しても
    専門書籍の古本屋はびくとも
    しないのだと
 
  (‥ )高い宝石探す奴がさ
      砂金の取れる川へいく
      かって話よ。
 
 
 例えばの話、
 
 あの大御所漫画家が代理人を通じてコミケでひそかに売った、あろうことか自分のキャラを使った禁断のカップリング同人誌
 
 ∧∧
( ‥)それを買ったお客は、
    その同人誌を街の古本屋に
    持ち込むでしょうか?
 
  (‥ )まあ、否だろうなあ。
 
 それ専門の本屋なり、その道の客がくる場所に売るだろう。
 
 買った本に価値があるかないか、それは買った人なら分かるはずだ。そうであるのなら、売りつける先も分かって当然。
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味ではですよ
 
  ( ‥)良かれと思った客が憮然と
    –□ するのは当然だけども、
       客は客の立場。
       古書店からすれば
       古書店の言い分も
       当然なんだよな。
 
 本を買った客は、その本の価値と、その本を売る時、それをどこに持ち込むべきか分かっていてしかるべきである。
 
 ∧∧
( ‥)分からないとしたら
 
  (‥ )本の価値が分からない客が
      買った本は価値の無い本
      だろうなあ。
 
 *言い方は悪いが玉ではなく、石としてブックオフ行き、あるいは古紙引き取り業者のものになる。
 
 もちろん、例外は色々と考えられる。
 
 ∧∧
( ‥)遺言も残せぬほどに急死して
    しまい、価値の分からぬ遺族が
    てきとーに処理した場合
 
  (‥ )さっきのね、同人誌とかの
      例え話でいうと、なんて
      いうかな、むごい結末が
      待っている事例だね。
 
 とはいえ、遺族がちゃんとしかるべき古本屋に持ち込むこともあるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)古本ってのはどれも故人の
    ものである可能性があります
    けども、あなたが持っている
    ものでもそういうの、
    ありましたよね
 
  ( ‥)そんな高いものじゃない
    –□ けども、しかるべき
       古本屋で買った奴な。
 
 コレクターズアイテムになっている巻貝の大判の図鑑で、学名の誤りなどが細かい丁寧な字で訂正されているやつ。趣味をきっぱり捨てた可能性もあるけども、ああいう熱心な痕跡を見るに、遺族が持ち込んだものではなかろうか?
 
 本ってのはそういうものなのだ。しかるべき場所に持ち込まれ売買されるもので、同じ店で何度も売られる可能性だってあるし、本ごとにその運命もめぐる場所も違っている。古本はどれも同じだと思ってはいけないし、古書店がどれも同じだと思ってもいけない。
 
 
  
 

ブログ アーカイブ