自己紹介

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2013年1月26日土曜日

本を作るとは間違い探し

 
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)本を作る作業とは
    –□ 正しいことを書く、
       正しく作る、
       のではなく、
 
 むしろ間違いを探す、間違いをつぶす、
 
 ∧∧
( ‥)間違いを探し、間違いをつぶす
    それが本を作る上で
    一番重要な作業であると
 
 (‥ )まあ、最低限、基本的には
     誤字脱字をなくすわけね。
 
 ∧∧
( ‥)でも、誤字脱字を訂正するだけ
    では、内容の誤りと
    トンデモ本はなくなりませんよと
 
  ( ‥)ある意味ね、トンデモ本を
    –□ 野放しにするかどうか
       はともかくとして、
 
 本の主張の妥当性を決定するのは究極的なところ作者でもなければ読者でもない。
 
 ∧∧
( ‥)独自な健康法Aがここに
  –◯ あります
 
  (‥ )その健康法Aを試した
      100人のうち、
      改善が7名、
      悪化が20名
      死者3名
      であったとする。
 
 健康法Aがどうなるかは、まあ火を見るよりも明らか。
 
 ∧∧
( ‥)実際には因果関係の推論と
    統計学的な処理をめぐって
    健康法Aの提唱者は
    逃げおおせようと
    するのでしょうけどね
 
  (‥ )だが究極的には同じだよ
      健康法Aを推奨する集団Yは
      時間の経過に従って消滅
      することになる。
 
 かように、主張の妥当性を確かめるのは読者でありうる。だが、妥当性それ自体を決定するのは人間でなくて宇宙だ。そして究極的には失敗したら死ぬ。
 
 *実際にはこう簡単にならない複雑な状況を想定することもできるけども、原理的にはそういうことだ、ということ。
 
 
 ∧∧
(‥ )誤字脱字は直すけども、内容が
\–   トンデモの本を発刊する
     そういう出版社は
     たくさんありますよ
 
  (‥ )ほとんどどこでも出してる
      とも言えるよな。
      煽って売り抜けようという
      確信犯の場合もあるけど
      不可抗力の側面もあるね
 
 次々に本を出す編集者は、本を出すプロだ。だが、本や仮説の妥当性を論証するプロ、であるわけではない。
 
 *編集者は本を製作する作業全体を統括するのが仕事であって、いわばゼネコン。個々の作業それ自体については外注しなければならない、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)さすがにね、
    常識的なことは分かるの
    でしょうけどね
 
  ( ‥)だがどうにもならんこと
    –□ 世の中にはいっぱい
       あるからね。
 
 そもそもそれが無理だから、研究者に頼んだり、専門家や、あるいはライターに頼むのである。だからゼネコン的な立場なのだと言えるし、そうでないといけない。
 
 ∧∧
( ‥)いわば妥当性を外注するわけ
    ですよね。
 
  (‥ )問題はだな、ライターどころか
      たいした業績がないとはいえ
      教授の肩書きを持つ人間でさえ
      トンデモ本を書く奴がいるって
      ことでね
 
 編集者はお手上げだ。こうなると本を選ぶ読者にまかせるしかない。そして本の妥当性の検証、それは究極的には読者の自己責任と命で行わなければならない。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)...しかし、読者に命賭けろとは
    さすがに賛同しかねますね
 
  (‥ )そうだね、ホメオパシーを
      信じている奴が他人の子供を
      殺すという事例があるように
      自己責任で自己責任でない
      ことをやる奴がいるからな
 
 命を賭けろ、がすっ飛ぶくらいに悪質
 
 
 ∧∧
(‥ )本と仮説の検証は読者の命で
\–   行うべし。これは是か非か?
 
  (‥ )いや、是非の問題では
      ないんだよ。
 
 そうなってしまうし、事実、そうなっている、ということである。
 
 ただ、幸いなことにほとんどすべての本は事実上、健康に害はない(ただし、どんな本も大量に摂取すると命にかかわる)。
 
 だが、中にはまじで命に危険を及ぼすものもある。
 
 実際、本もトンデモ仮説も疑似科学本でさえ、影響力は一律ではない。
 
  ( ‥)トンデモ本、トンデモ仮説、
       これは便利な言葉だけども
       あくまで便宜的なカテゴリー
       実在するわけじゃない
 ∧∧
( ‥)ニセ科学ごとに
    ニセ科学の定義あり
    ですね*

トンデモとかニセ科学とか疑似科学とか、それは個々それぞれ違ったものだ。効果も個々で違っている。
 
 ∧∧
( ‥)悪性で阻止しなければ人死にが
    わらわら出るぞ、という
    トンデモもあれば
 
 (‥ )アトランティスの超古代文明
     みたいに、ほとんど無害だよね
     そういうものもあるわけさ
 
 どっちもトンデモだから一律に扱おうとするのは誤りだし、事実として扱いが違っている。
 
 ∧∧
(‥ )編集者もライターも、読者に
\–   検証責任を丸投げすることは
     出来るし、する。
 
  (‥ )しかしほとんどの場合、
      可能な限りリスクを減らす
      ものなんだ
 
 ∧∧
( ‥)死者が出たりすればですよ、
    当然、編集者も書き手も
    責任を問われます
    死人が出なくてもですよ
    ミスの種類によっては
    責任を問われますね
 
  (‥ )それは当然。
      それを踏まえた上で
      言うわけさ。
 
 正しいことを書くのが本ではない。むしろ間違いをつぶすのが本の制作作業。
 
 ∧∧
(‥ )それを正しいって言うのじゃ
\–   ないの? そう言う人も
     いるかもですね
 
 (‥ )問題はだね、間違いは
     発見できるけども、
     すべての間違いを発見しても
     正しさは保証されないって
     ことでね
 
 ∧∧
( ‥)謙虚になれと?
 
  (‥ )いや、現実的になれと
      いうことさ。
 
 間違いを見つけ尽くしても正しさが保証されないのが現実。なれば、本の要は正しさの追求ではない。間違いの発見と訂正だ。
 
 
 
 
 
 

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