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2013年1月31日木曜日

うわっ、なにその部品!

 
 hilihiliのhilihili: ホルスタインの逆襲の続き
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ、僕らには
      考えられない、すごく
      でかくて粗雑な部品だけで
      理路整然と組み上げられた
      理論体系っていうと
 
 アリストテレスの理論だよな
 
 ∧∧
( ‥)火と土と水と空気
    天球と地上
    動くものは必ず止まる
    無限の足し算は必ず無限
 
  (‥ )なにひとつとして
      前提に正しいものがない
 
 半導体や抵抗器など、しかるべき部品から何かを作る、のではなく、さながら、市役所と高速道路、洗濯機とアラフォーを部品にしてラジオを論じる、みたいな無茶ぶり。
 
 ∧∧
(‥ )アリストテレスさんの理論って
\–   読んでいて
     めんくらいますよね
 
  (‥ )もう僕らは原子論で考えて
      いるわけで、土と火が
      元素だと言われても、
      土はケイ素と酸素だし、
      火は酸化反応であって、
      それは現象で元素じゃない
      と思っちゃうからねえ

 
 
 ∧∧
( ‥)でもアリストテレスさん自身は
    誠実であったのだと
 
  (‥ )だからそうねえ、現在の
      そこらにいるオレ様理論屋
      とは違うわけよな
 
 ただ、同じと言えば同じなのだ。理屈に使うパーツがあまりにもでかくて、知っている人間からすればめまいがするくらい雑。
 
 ∧∧
( ‥)そういう点ではアリストテレス
  –□ さんは雑な理解をする人を
     理解するためのきれいな
     モデルだとも言えますね
 
  (‥ )でっかいパーツをもって
      きて、彼なりに誠実に
      配置するんだよね。
 
 ただ現代人、あるいは、ある程度知った人の目には、彼が根源的なパーツだと思ってもってきたものの中身とその配線、部品が詳細に見えてしまうわけで、
 
 うわあ、そことここをくっつけちゃう??? 
 
 とか、
 
 高速道路と洗濯機を接続しますか?
 
 という感じなので、ぽかーんと見ることになる状態。
 
 ∧∧
( ‥)でっ、こういう人は
    現在にもいますよと。
 
  (‥ )時々、無駄に専門用語使ったり
      あるいは科学や技術の用語を
      本来はない意味合いで使ったり
      する人いるよな
 
 あれもこれだよね。
 
 ∧∧
(‥ )ある意味、アリストテレスさんの
\–   直系の子孫だとも言えますよね
     ギリシャポリスの哲学は
     数学以外は事実上、個人だけの
     理論が展開された状況ですから
 
  (‥ )哲学の歴史はプラトンの注釈だ
      と総括する人がいたのも
      そういう意味で理解すると
      深刻なんだよね
 
 *プラトンはアリストテレスの師であり、2人はある意味、表裏一体な側面もあること、近代科学はアリストテレス哲学を打倒して誕生したことを考えると、科学・数学にとってほとんどなんの意味もないプラトン(およびアリストテレス)の理論が哲学の中核だというのなら、それは科学と哲学の相克ということでもある。
 
 そして結局、この意味において、哲学は相互関係が希薄で普遍性の乏しい、個人理論の集合でしかないではないか、という恐怖。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、総括というからには
    哲学はそれだけではない、
    ということでもあるの
    ですけどね
 
  (‥ )ただなあ、ソーカル事件が
      あったみたいにな、
      用語のおかしな使い方
      普遍性の乏しい使用法、
      奇妙な専門用語を使う連中が
      跋扈する。そういう
      領域があるのも事実なのよな
 
 
 
 *ソーカル事件:科学用語を本来とは違うオレ様な使い方をする哲学者たちに業を煮やした科学者ソーカルが、用語の使用法を意図的におかしくして書いた嘘論文を投稿したこと。それがその手の雑誌に受理されてしまったので、ほら、いい加減なことばっかしてる、とバレた事件。
 
 *あの手の人々が、科学だって絶対じゃない、と言うのも、(そもそも科学が絶対だという時点で理解がおかしいことは抜きにして)、オレ様が専門用語をオレ様利用するのだから、科学だってその用語の使用はオレ様利用でしかないだろ、立場同じじゃん、と考えているからかもしれない(というかそう解釈した方が整合性があるのではないか?)。
 
 *科学の用語の妥当性を決めるのは、最終的には人間ではないよ、という意味では科学の用語もオレ様利用だ、という主張は正しくない。
 
 *一方、科学が言う検証は自然という客観的な実在を無批判に前提としているだけである。その前提を疑うのが哲学だ、というのならそれはそれで正しい。ただし、正しいだけでは意味がない(正しいことは何かを保証しているわけではない)。また、それなりな毒キノコを食うと人は死ぬわけで、それを素朴な考えとか言うのは自由だとして、「それ食ったら死ぬよ」という現実は個人的には無視はできない。
 
 
 
 

ホルスタインの逆襲

 
 
  ( ‥)電子ブロックってあった
      よなあ
 ∧∧
( ‥)ああ、ブロック化された
    電子部品をマス目に適切に
    配置することで複数の回路を
    組む、というやつですね
 
 適切な部品を適切に配置することで組み上げる。実際に動くか確認する。これ重要。
 
 ∧∧
( ‥)文章であれ、思考法であれ、
    推論過程であれ、論文であれ、
    科学者はこういう作業が
    出来なければいけない
 
 (‥ )電子ブロックのアナロジーで
     考えれば科学者のやっている
     ことって単純なのよな
     いや、単純でなければ
     いけないとも言えるよね
 
 適切な単語
 適切な配置
 動作の確認
 
 シンプルでないとごまかしの余地が出る。シンプルな方がいいのだ。そもそも自然の動作を誤差はあってもいいから、ざっくりシンプルに説明するのが理論だとも言える。
 
 そもそもこういう動作は人間のほとんど全員が普通に出来るとも言える(科学者はこの動作が特にうまいのだ、とも言える)。
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ? これがうまくできない
    人もいるのだと
 
  (‥ )例え話で言うと、
      勝手に、しかもでかくて
      おかしな部品を作るよね
 
 この部品は半導体と洗濯機と音楽CDを兼ねています

 
 
 ∧∧
( ‥)...不可能ではないけど、
    ずいぶん大きくて荒っぽい
    部品ですね
 
  (‥ )ああ、、、問題はだよ
      不可能ではない。
      そう考えたその時、
      電子部品で考えている人は
      こんな配線か? と
      思い浮かべているの
      だろうけどもさ
 
 実は、相手は全然違うこと考えているんじゃねえの?
 
 例えば
 
 電流を調整してきれいにして芸術性を与えてくれる部品

 ということを考えていたらどうするか?
 
 
 (‥ )このパーツをホルスタインと
     名付けよう
 
 ∧∧
( ‥)ああ、以前聞いたネタね
 
 *ホルスタイン:乳牛の、ではなく、知人が曰く、電車の中で「僕の考えた回路を使えば混雑なんか一発解消なんだな」と独り言を言いながらノートをかりかり書いている人がいた。見てみると、それらしい配線図なのでこいつ頭いいのかな? と思ったが、よく見てみると、中央のいかにも重要そうなパーツに「ホルスタイン」と書かれていた、という話。ちなみにホルスタインという部品はどうも実在していないようである。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)困ったことに、一見すると
    それも”電子ブロック”っぽく
    見えることですね。
    部品を配置して
    回路を作っている
 
  (‥ )問題はだ
 
 
:そんな部品がどこにもない
:そんな部品があるとしたら既存のパーツでわざわざ作るしかない
:既存のパーツで作るにしても冗長で作る意味も使う意味もない
:というか、これ、そもそも作れないよね?
 
 
   ( ‥)という点にあるのだよね
 
 ∧∧
( ‥)既存のパーツを知っていて
    それを組み上げることにたけた
    研究者は、
    そんな冗長な、
    あるいは無意味な、
    あるいは不可能な部品を
    なぜ理論や文章に
    わざわざ組み込むのか?
    と怪訝な顔する。
 
  (‥ )だけども言っている本人は
      勝手に想像した
      粗くてでっかいパーツを
      使っているから
      指摘されても分からない
 
 というか、そもそも科学者とか技術者とかが使う、これが最小単位だろう、という単語、文章、理屈、理論、現実、記述。先のようなおかしな人はこうした部品を使う、使わない以前に、認識できていない。
 
 ∧∧
( ‥)そこで意思の不疎通が起こると
 
  (‥ )最小かつ現実的な部品を使う
      研究者は、これはおかしい、
      無意味、できない、必要ない
      そう指摘する。
 
 しかし、言われている方は、研究者や技術者が、なぜ自分を理解できないのか、なぜ自分の理屈を受け入れないのか、なぜ反対しているのか分からない。
 
 そもそも、相手が何を言っているのか理解できていない。
 
 
 

2013年1月30日水曜日

美しいはおそらくそこにある

 
 
 リンゴや犬は言葉以前に存在するけども、「美しい」は言葉がなければ存在しない
 
  
   (‥ )なにそれ?
 
 ∧∧
(‥ )ネット上で見つけた言葉です
\–   なにかの本の一節ですね
 
 前後の文脈を知らない状況でこの一節を解釈することに意味があるのか? と言われれば
 
 ∧∧
( ‥)意味ないですね
 
  ( ‥)言葉は前後の文脈で意味が
    –□ まるで変わるからな
 
 まあ、とはいえ、、
 
 美しいもリンゴや犬と同様、言葉以前からあったんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)鳥さんも相手のプロポーズに
    注目してますからね
 
  (‥ )美しい、がなければそもそも
      それを指示する名詞なんか
      存在するわけないからな。

 ただ、美しい、は感動で、感動とはまあなんだ、神経の励起だ。それは究極的なところ神経の配線なり、それをコードする遺伝子なりなので、目の前にない(頭の中にある)感動だというのは言えるかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)でもその反応を引き起こす
    要素、姿、響き、仕草は
    面前にあるのですよ
 
  (‥ )美しいものも、
      美しいと感じる神経も、
      それらが言葉以前から
      あったことは明白だな 
 
 というか、そうでないと進化なんか起きない。
 
 *神経の配置だかなんだかも、それは系統発生的な意味があるので、系統的な意味で実体だ。腐敗物を見て美しいなんて言う人は少ないわけで、人類にある程度共通する美意識があるとしたら、それは共通祖先から受け継いだものだろ、という意味。
 
 *これはハエにはハエの美意識があるんだろ、ということでもある、そんなの神経の興奮だろ、という人がいるのなら、それは人間も同じだ。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )逆にいうとあれですかね?
\–   美しいって純粋に人為的な
     ものだと思っている人も
     いるんですかね?
 
  (‥ )先の文章はそれだけでは
      分からないけども、もし、
      美しいは人間の作ったものだ
      そう考える人が多いとしたら
      ダーウィンって発想が
      ぶっ飛びだよな。
 
 彼は動物の審美眼を論じ、美しさの進化と美しさによる進化を論じたから。
 
 
 ∧∧
( ‥)そういえばあなた自身は
    自分自身の実在を信じては
    いませんよね?
 
 (‥ )自分というのは便宜的な
     カテゴリーだからな。
     指示された対象はそこに
     あるけども、
     それは自分の存在と枠組みを
     保証するわけじゃないし
 
 
 現状、結論を言ってしまうと、妙な話で自分の実在に関しては否定的だが、美しいは言葉よりもはるか以前、アウストラロピテクスよりも太古の時代から実在する、そう思っている。
 
 

 
 
    

専門用語

 
 
 
 ∧∧
( ‥)寝たり、絵を描いたり
    テキスト書いたり
    落ち着きませんね
 
  ( ‥)〆切りってのはそういう
    –□ もんだな
 
 さて
 
 人間はやたらと専門用語を使いたがる動物らしい
 
 ∧∧
( ‥)例えば
 
  (‥ )前、pixivで他人の絵を
      コラージュすることに
      関して騒動が起きた、と
      言うじゃないか。
 
 他人のイラストを切り貼りしたり破損させたり、コラージュして、これは芸術だ、と称する集団がいた。電子で描かれた作品を好き勝手に切り刻む。確かに物体的な意味ではオリジナルが破壊されたわけではない。しかしシンボルには意味があるのだ。皆が不快感を持っているのだが運営側がどうも規制しないように見える。実際そうであるか、そうでないか、それは関係ない。そうだろ、と解釈されうることそれ自体が問題だ。ああ、これは好き勝手やっていいのだな? 不備は突かれるためにある。大義は得たり。今度はコラージュすることにはるかに強烈な意思を注ぎ込む人々が大挙して襲来、猛烈な勢いで自称前衛芸術集団を切り貼りし始めた。コラージュが芸術ならその主催者たる汝をコラージュするは汝の信義にかないし所行なり。我らの手により己に殉じよ信仰者と情け容赦ない怒濤の進撃が...
 
 
 ( ‥)...というようなことらしい
   –□ のだけども、それを説明する
      ネット上の文章が
      略称、蔑称、用語だらけでね
      まあ、どうもだいたい
      そういう意味らしいとは
      分かったけども読むのに
      ずいぶん時間かかったよ
      把握しきれない部分も
      山のようにあったし、
      以上に書いた要約も
      解釈でありどこまで現実に
      沿っているか分かりかねる。
 
 ∧∧
( ‥)現象や事柄に名詞を与えるのが
    言葉だとすれば、
    専門用語使いたがりは
    言葉を持つ
    あなたがたの特性であり、
    当然かもしれませんね
 
 まあ、コラージュという言葉だって、専門用語なのだ。夕立の後の虹。この言葉でさえ、そういう自然現象が生じない環境下の人にとっては専門用語であるように、名詞や言葉にはなにかしら専門性がある。
 
 ∧∧
( ‥)それに、単語の使用法に
    それなりな秩序があれば
    暗号だって解けるの
    ですけどね
 
  (‥ )未知の文字体系だって
   □–  それで分かるのだから
       秩序があれば専門的でも
       分かるは正論だけどさ
       内輪以外にアピールする時
       専門用語、略称を多用する
       初出の時に説明しないは
       ちょっと困るよね。
       *読んだ説明は、
       騒動を知らない人のために
       というふれこみであった
       はずなのだが、内容は
       そんなだったので
 
 考えてみれば専門用語、略称を多用しない、あるいは初出の時に用語の意味を説明する、は本を書く時のひとつの指針だとも言える。
 
 *もちろん絶対の指針ではない。でもそういう方が親切というか現実的である。
 
 
  ( ‥)うーん、後ね
 
 ∧∧
( ‥)なんです?
 
 文化人とか知識人って得体の知れない専門用語を使いたがるよな
 
 ∧∧
( ‥)そんなもん?
 
  (‥ )得体が知れないだけなら
      いいけども、言葉の意味が
      個々の個人で違うみたいでな
      議論がまったく噛み合って
      いないよなーというの、
      時々、目にするよね。
 
 あれは自分オタクだからかい?
 
 ∧∧
( ‥)自分専門用語の度合いが強い?
 
  (‥ )そうじゃねえかあ?
      なんでそんなところで
      そんな仮説的用語を使うわけ?
      もっと普通の言葉があるじゃん
      と面食らうこと多いし
 
 あれは普遍性を追求せずに自分らしさを前面に押し出した結果ではないか、と疑う。
 
 
 
 
 

2013年1月29日火曜日

小さな代替案、みーつけた

 
 
:代替案もないのに原発反対って何よ?
:でっ? 自分じゃ考えられないなら、ちゃんと専門家の言うこと聞くの?
:電気を使う音楽家が「たかが電気」とか言うのはどーよ
 
 ∧∧
(‥ )...まあ、色々言われたみたい
\–   ですねえ
 
 (‥ )そうねえ、そこで
     風力バンドとかやらない
     のかな
 
 ∧∧
( ‥)風力バンドって
 
 (‥ )風車携帯して、風の中で演奏
     電圧、電力不安定
     あるいは風力で蓄電した
     バッテリーを大量に持ち込む
     とかそういうな
 
 風の電気で変調する音も物ともせずに奏でる吟遊詩人、
 
 重油バンドでもいい。猛烈な炎と黒煙を上げながら巨大発電機がフル稼働。電子音とエンジン音がかなでるコンビナートパフォーマンス
 
 滝の下で行う水力バンド。
 
 ガスで発電、ガスバンド。
 
 ∧∧
(‥ )そういうことしてる人って
\–   聞いたことないですけどね
 
  (‥ )いるにしても
      成功してないのな
 
 ∧∧
( ‥)つまり
 
  (‥ )小さな代替案なら誰でも
      出来るが、やる奴はいない
      そういうことじゃね?
 
 
 
 
      
 
 

ごく狭い領域のクーポン券

 
 
 
  ( ‥)そういえば著名音楽家が
      代替案はなくても原発反対
      そんな話があったね
 
 ∧∧
(‥ )ああ、なんかありましたね
\–   ネット取材でのやりとりが
     発言の出所のようですけども
 
 代替案は現実の仕組みを把握しないと作成できない。
 
 
 ∧∧
( ‥)ようするに
 
  (‥ )現実の仕組みを把握して
      いないまま、私は
      提言をしています
      そういうことなんよな
 
 ∧∧
(‥ )まあ、把握抜きの提言でも
\–   実行することは出来るの
     ですよね
 
  (‥ )民主党がバラ色の夢を
      吹聴して、政権交代して
      やったみたいにな。
 
 代わりに失敗するわけだけど。
 
 ∧∧
(‥ )仕組みを把握していなければ
\–   失敗するでしょうねえ
 
  (‥ )人体の仕組みを把握して
      いない医者、
      エンジンの仕組みを把握
      していない整備士、
      そりゃ失敗するねえ
 
 ∧∧
(‥ )放射能という現実を見よ
\–   そういう意見もありますね
 
  (‥ )病人が苦しんでいる現実を
      見よ、それはけっこうだが
      それをもって、
      人体を把握していない
      医者が患者を
      ばらしていいって
      理屈にはならんな
 
 まあ、たぶん、こういうところに疑似科学とかインチキ医療、ホメオパシーとかがつけ込んでくる。
 
 あるいはこう。
 
 そういうこと、やるのはいいけど、苦しむを通り越して死ぬよね。
 
 ある地域に放射能が放出された、そういう事態の背景には核物理学もあれば工学もあるし、工業化社会もあれば、ここ500年における世界情勢と歴史があるし、都会と田舎における構造上の事柄まで含まれている。それを含めての現実だ。
 
  
  ( ‥)そういえば水力、風力、
      火力は太陽エネルギーで
      ないと思っている人も
      多いみたいね 
 
 ∧∧
( ‥)ああ、まあそうかもですね
 
 
 唯一成功した太陽エネルギーが石油であることを考えれば、風力とか太陽光発電とか言い出す時点で、その提言、その時点で負けなのだ。
 
 現実を把握していない提言は裏打ちがない紙幣みたいなものだ。価値があると思い込んだ人たちしか使わない。つまり、ごく狭い領域でのみ通用するクーポン券みたいなものになって終わりである。
 
 
 
 
      

これから2時間100万円というアナウンスが

 
 
 ∧∧
(‥ )退職金を減らそうとしたら
\–   教員の駆け込み退職が増えた
     恥知らず、
     いや、金は大事だろ
     行政がいい加減なんだ
     意見色々ですね
 
  (‥ )是非じゃなくて
      かっこいいか
      かっこわるいかの
      違いじゃね?
 
 例えばの話、当キャバクラではこれから2時間、料金に100万円が自動的に加算されますとアナウンスが・・・
 
 ∧∧
( ‥)100万は非現実的じゃね?
 
  (‥ )じゃあ10万ならどうよ?
 
 5万でも良い
 
 ∧∧
( ‥)あなたなら帰るでしょ
 
  (‥ )そりゃ帰るさ
      お姉ちゃんたちの白い目を
      浴びながらそそくさと
      退散するよ。
      二度とこれないよね。
      というかそもそも
      いけないよ。金ないもん
 
 ∧∧
( ‥)いく人は金のある人
 
  (‥ )残る奴はもっと金のある
      奴さね
 
 あるいはこう
 
 そこへいく人は余裕のある人間。残るのはもっと余裕のある人間。
 
 
 
 ∧∧
(‥ )駆け込み退職する人は
\–   金のない人?
 
  (‥ )金がないのかもしれない
      単に合理的なのかもしれない
      どっちかだよな
      いずれにせよ問題ない
 
 ∧∧
( ‥)でも批判されるのですよ
 
  (‥ )つまりみんなは金の有無や
      合理性を見ているわけじゃ
      ないってことだ。
      それは明らかだよね
 
 たぶん、危機的状況においてどっしりしているか、慌てふためくか、それを見ている。
 
 つまりこう
 
 そこにいるのは負荷に耐えられる人、残る人はもっと耐えられる人
 
 ∧∧
( ‥)負荷に耐えられるか
    耐えられないか、それを
    見ているのだと
 
  (‥ )さもなきゃ批判はないし
      そこんところを分からないで
      批判は合理性がない、と
      言ってもあまり効果ない
      だろうな。
      ピントはずれってやつだ。
 
 負荷を義務に置き換えても良い。
 
 
 ∧∧
(‥ )退職金カットはそもそも
\–   行政の都合
 
  (‥ )2時間で5万円加算も
      店の都合だよ
 
 ∧∧
( ‥)それでも批判されると
 
  (‥ )それでもお姉ちゃんたちは
      白い目で見るだろうよ
      事実、見られてるがな。
 
 ∧∧
( ‥)学校はキャバクラじゃ
    ないんですけどね
 
  (‥ )そりゃそうだ。
      生徒はキャバ嬢じゃない
      生徒は金をもらっている
      わけじゃないからな
 
 ∧∧
(‥ )本来、金で雇われた以上、
\–   一方的に減額されるのなら
     退職は当然なんですけどね
 
 (‥ )金を払うのはお客である以上
     店の都合で増額されたら
     客が帰るを選択するは、
     これもまた必然だね。
 
 ∧∧
( ‥)少なくとも
 
  (‥ )負荷に抵抗できる人を
      皆が賞賛する状況下
      余裕と笑うか
      やせ我慢するか
      馬鹿ばかしいと帰るか
      本人の資質が試される
      状況であって、
      どれを選ぶのか、
      それは自己責任だな


 
 最低限言えることは、合理的な反論をして、どやあ、と決めてみても、それは、説明としてきわめて不十分な状況であることは確実。
 
 
 
:追記
 
 ∧∧
( ‥)でもさ、あなたも無駄な
    残業を否定しますよね
 
  (‥ )残業という無駄な負荷に
      抵抗できることだけで
      人を評価するのはよせ、
      そのことかい?
 
 より正確にいうとこう。
 
 無駄な負荷に抵抗できるあいつすげー、というだけの指標として残業が野放しになっているような組織は厳しい条件下では予測するに滅びるっしょ、
 
  ( ‥)というだけであるな
      そういう会社がある現実は
      否定できないし、
      その状況を肯定するわけ
      でもない。
      しかし状況は厳しさを
      増しているのだ。
      未来は収束的だよ
 
 ∧∧
( ‥)そういう会社に入ったら
    やめてもいいんですよね?
 
 というか、やめざるを得ない。やめさせられるから。
 
 ∧∧
( ‥)それを考えると?
 
  (‥ )100万の負荷を取るか
      取らないか?
      そこには選択肢の自由がある
 
 
 
 
 

2013年1月28日月曜日

羊羹無限分割

 
 
 
 ∧∧
( ‥)昨日のblog記事というか、
    書き込みのタイトルを
    変更ですか=>*
 
  ( ‥)馬鹿でも記事を書く方法、
    –□ 書き込み内とはいえ、
       以前も使った言い様
       だからね
 
 本を書く際の間違い探しに関してなど、考え直したいことも色々あるけども
 
 ∧∧
( ‥)今、頭がてんぱってて
    整理つきませんと
 
  (‥ )その代わりってわけでも
   □–  ないんだが
 
 かってに改蔵、という漫画を読む
 
 ∧∧
( ‥)...漫画読むのもつらいって
    言ってたくせに
 
  ( ‥)それはそれ、これはこれ
    –□ ってやつよ
 
 第11巻(新装版)の第3話でこんな話が出てくる
 
 羊羹を半分食べる、残りを半分食べる、その残りを半分食べる
 
 ∧∧
( ‥)理論上、永久に食べられます
  –□ 主人公の主張ですね
 
  (‥ )確かにそうなんだよな。
 
 *注:ここでは半分に切るにつれて、切るためにかかる時間が限りなく0に近づくとかそういうことは想定していません。以下の縦縦縦を参考
 
 ∧∧
( ‥)原子とかクォークとか
    そういうアトム的な限界が
    ない、羊羹を無限小にまで
    切り分けられる場合、
    切るという動作は無限に
    継続できる。
 
  (‥ )切断に有する時間が
      限りなく0に収束するとか
      でない限り、
      この動作に必要な時間は
      無限だ。
 
 ただ、羊羹の量は一定であり、これはつまり無限の時間をかけても有限の資源しか集められない、ということでもある。
 
 *羊羹は便宜上、ここでは不滅の存在であると仮定する
  
 ∧∧
( ‥)微分積分の話でありますね、
    あるいは開けている宇宙で
    起こる未来でもある
    *無限に拡大して希釈する
     宇宙では無限の時間を
     かけても有限の資源しか
     集められない
 
  ( ‥)..でだな、古代ギリシャ人で
    –□ これと同じことを言った人
       はいないのかね?
 
 ∧∧
( ‥)ゼノンさんがいったのは
    アキレスがカメに追いつけない
    とかでしたよね。
    羊羹を半分ではない。
 
  (‥ )ゼノンのパラドクスは
      運動に関する恐怖を
      ギリシャ人に与えたのだよな
 
 時空が無限に分割できるのなら、アキレスはカメに追いつけないよね(でもおかしいよね)
 
 ....やっべ、運動論、手に負えねーや
 
 かくて、時空の無限分割と運動論は古代ギリシャ人にとっていわばタブ−となった。
 
 
 
 だが、しかし思う。もしも誰かが、
 
 時空が無限に分割できるなら、羊羹を無限に食べられるよね(でもおかしいよね)
 
 と言ったらどうなっていたか?
 
 ∧∧
( ‥)羊羹はないでしょうけど、
    まあ、パンでもなんでもね
 
  (‥ )無限に食べられるは
      おかしい。だから
      無限分割がおかしい、と
      言う人もいるだろうけど
 
 誰かが気づくのではないか?
 
 これはつまり、無限に動作を繰り返しても、量自体は有限の値に収まってしまう、そういうことではないのか? 
 
 と。
 
 ∧∧
( ‥)アキレスがカメに
    追いつけないも、構図自体は
    同じなんですけどね
    *違うのは、縦縦縦で
    切り続けると工程が
    無限にかかる、という点
 
  (‥ )だけどさ、目の前にある
      羊羹がどんどん減って、
      限りなく0になるわけだろ
      無限動作が有限しか生まない
      そういう場合がある
      つか、最初から量は
      変わってねーし、
      羊羹分割の話の方が、
      これに気づきやすいと
      思わないかね?
 
 あるいはあれだろうか? 見方を変えれば、アキレスとカメの話は、追いつけない、でも実際には追いつき追い越す、だからおかしい、ここに目がいってしまうから分かりにくくなるのだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)問題の要は
    追い越す、ではないとも
    言えますね
    だから解決できなくなる
 
 ( ‥)羊羹分割をさ、切断の向きを
   –□ 縦縦縦...ではなく、
      縦横縦横にしたらまた
      話が違ってくるのだ
 
 縦縦縦、だと羊羹は無限に細い線(切り方によっては厚み無限小の板)になるが、縦の長さは変わらない。切断にかかる時間は絶えず同じ。
 
 縦横縦横、だと、羊羹の縦と横の長さは一工程ごとに2分の1減少する。切断にかける時間も同様に減少する。
 
 ∧∧
( ‥)つまり縦横縦横だと
    羊羹は無限に食べることが
    できなくなりますね。
    ある一定時間内に
    収束してしまうはずです
 
 (‥ )これがゼノンのパラドクス
     なんだよな。
     無限の操作をしても
     それは有限時間内に収まり
     有限の量しかこなせない
 
 
 *正確にいうと、食べるという過程を抜いた、分割だけに限った話。
 
 *かってに改蔵ではちゃんと縦縦縦に分割が進行します
 
 *縦、とはここでは上下方向に切る、という意味。縦横とは上から下に切る、今度は水平に等分する、次に上から下に切る、という意味
 
 
 ∧∧
( ‥)食べ物という量の無限分割
 
  ( ‥)これ、ギリシャ人で
    –□ 言った人いるのかね?
 
 
 アリストテレスがなんかごにょごにょ言っていた記憶があるけども。よく覚えていない。
 
 
 
 
 
 *追記
 
 ∧∧
( ‥)そういえば「かってに改蔵」は
    ずいぶん前、ネットで勧められ
    ましたよね
 
 ( ‥)短編小説の作家さんの
   –□ HPとその掲示板に
      お邪魔した時にね、
      タイトルは忘れて、
      その後、サンデーを
      立ち読みして、ああ
      これだろうな、と
      思ったものだけど
 
 その後、しばらくしてサンデーを見ても同じ絵柄が影も形もないのである。そうこうしているうちにマガジンから出た絶望先生の絵柄が記憶と同じことから、そうか自分はマガジンをサンデーと勘違いしていたのだな、だから見つからなかったのだと....。
 
 ∧∧
( ‥)実際には打ち切られて
    小学館から講談社へ
    移ったみたいですね
 
 ( ‥)立ち読みして読んだのは
   –□ 新装版9巻の16話だね
      掲載は2002年
      もう11年前か
      ずいぶん、時が経った
      もんだなあ。
 
 ∧∧
( ‥)この漫画は最終回のオチが
    賛否を分けたとか
 
  (‥ )オチを知って読んでる身と
   □–  しては読んでてむしろ
       納得する場面があるよ
 
 

2013年1月27日日曜日

定型句だけでは手抜き

 
 *=>
 
 ∧∧
( ‥)5W1Hってありますよね
 
  (‥ )誰が
      何を
      いつ
      どこで
      なぜ
      どのように、だな。
 
 言い換えるとこうである。
 
( )さんが( )を( )時に( )で( )のような理由で( )しました。
 
 以上の括弧にてきとーな名詞を入れるとレポートが完成します。
 
 ∧∧
( ‥)ただの定型句でしかないと
 
  (‥ )まったく駄目なのだ。
      このような根拠をデータに
      以下の処理をしたところ
      確からしさはこのぐらい、
      そういう妥当性を論じる
      要素が皆無。
      これでは話にならん。
 
 定型句は便利だが、このままでは手抜きである。
 
 
 
 
      

理念 VS メカニズム

 
 
 ∧∧
( ‥)理念は自動車を説明できない
 
  (‥ )つまり、理念はエンジンを
      説明できない。そういう
      ことでもあるね
 
 理念はメカニズムを説明できない。そう言ってもいい。
 
 ∧∧
( ‥)メカニズムの把握は、
    現象の把握、
    理解そのもの
 
  (‥ )言い換えれば
      理念は理解じゃない。
      理念はごまかし、
      理念は言い訳、
      理念は押しつけなのだ
 
 実際、新聞やテレビを見てみよう。メカニズムがきちんと説明されているだろうか? 
 
 

理念的にキャバクラへいく

 
 
 ∧∧
(‥ )高邁な報道の理念とか
\–   振りかざし、遺族の
     プライバシーに土足で
     踏み込むマスコミの有様が
     ひんしゅくを買う昨今
 
  (‥ )そりゃあ、理念ってのは
      言い訳の道具でしか
      ないからな
 
 ∧∧
( ‥)例えば
 
  (‥ )彼女に対して隠し事はせず
      いつも優しく振るまい、
      浮気もしない
      それが私の理念です
 
 だから愛しのハニー、僕がキャバクラへいくお金をください
 
 ∧∧
( ‥)どこが理念なんだよ
 
  (‥ )理念で禁止されてること
      何一つしていない
      じゃないか
 
 理念が良いものだと思うのがいけない。理念なんて抜け道だらけのザルなのだ。これは良いから僕は良い。こんな怪しげなインチキを恥ずかしげもなく言う奴こそ信用できん。
 
 理念で自動車は動かん。理念で飛行機は飛ばん。理念で理論は正当化できない。
 
 ∧∧
( ‥)そして理念は
 
  (‥ )正しさを正当化しない
 
 ましてや人間を踏みにじるようなことを入社以来ずっとしているのだ。嫌だと言っても、それは口だけ。
 
 ∧∧
( ‥)本当に嫌ならやめてますと
 
  (‥ )残るは、これは理念だ
      理念だ、と
      自分を騙すことに
      成功した者達だけなり
 
 いわば選抜組だもの。そりゃあまともじゃないだろう。
 
 理念でプライバシーを踏みにじる連中が、理念で爆撃するアメリカを批判したりするわけで、これは笑える冗談だ。
 
 

      

正しいは白黒しかない

 
 
 プトレマイオスの天動説
 コペルニクスの地動説
 以上をふっとばしたケプラーとその法則
 ケプラーのいわば経験則を幾何学的に証明したニュートン
 万有引力で説明できない現象も説明したアインシュタイン
 

  ( ‥)以上を踏まえて曰く
      科学理論は便利だが、
      正しさは保証されていない
      いつ間違いだとされるか
      分からない
 
 ∧∧
( ‥)その言い様では語弊が
    あるのでは?
 
 じゃあ、こう言えばいい?
 
  (‥ )理論は便利で使えて
      有効ならそれでいいんだよ
      そしてより良いものが
      出てきたらそれを使えば
      良いわけだ。
      あとは精度の問題で、
      要求する精度は場合に
      よりけりだな
 ∧∧
(‥ )日常の言い回しでなら
\–   今でも天動説を使って
     いますからね
 
:太陽が東から登る
:太陽の軌道は夏の間は高く、冬は低い
:太陽が南中する時刻は絶対時間において変化する
 
 
 ∧∧
( ‥)その言い様でなら、
    本も精度は高められるけど
    無謬のものになることは
    ないのだと。
 
  (‥ )分かる限りのすべての
      誤りを直しても、
      紹介すべき理論自体が
      変わることがありうる。
      紹介すべき理論が
      変わりえるのなら、
      それを紹介する本は
      無謬のものになりえない
 
 ∧∧
( ‥)まあ、この議論や主張には
    解決しなければいけない
    事柄が色々ありますが
 
   ( ‥)それはまず、置くとしよう
     –□ 
 
 最低限、こうは言える。
 
 分かる限りすべての誤りをなくしても、誤りはありうる。誤りを探すことが第一ならば、では、検出も認識もできない誤りを発見するにはどうすれば良いか?
 
 
 ∧∧
( ‥)いくつか方法はありますけども
    新しい本を読む、資料を探す、
    教科書に目を通す、
    実験してみる、仮説を変える
    そういうやり方ですね
 
  (‥ )間違い探しを続ける限り
      前進が可能。
 
 
 正しい本を作るのが至上命題である。そう言った時、では、何が起こる?
 
 ∧∧
( ‥)これが正しい、それで終わり?
 
  (‥ )たぶんそうだけど、
      想像し難い部分があるし、
      事実、想像しがたい
      ことがある
 
 あるサイエンスライターが曰く

:この理論は絶対です
:理論は覆されるから理論は信用できない
 
 ∧∧
( ‥)これが同一の人の口から
    語られる
 
  (‥ )迷いと矛盾があるのは
      見て取れるよね
 
 科学理論は絶対だと思っている。だが、歴史的にいって、科学理論は覆る。
 
 ∧∧
( ‥)どうしたらいいか分からない
 
  (‥ )なんかね、見てると
      挙動がすごく変なのよ
 
 絶対、しかし、ころころ変わる、そういう両極端をゆれていて、そうかと思うと、無矛盾だから正しい理論だ、全部説明できる! と言い出す。
 
 ∧∧
( ‥)言い換えると、それが
    正しい本を作ることを
    選んだつけですか
 
  (‥ )たぶん、正しいという
      言葉には正しいか、
      間違っているか、
      この2つしか状態が
      存在しないのが
      良くないのだと思う
 
プトレマイオス
コペルニクス
ケプラー
ニュートン
アインシュタイン

 以上を正しいか間違っているかで区分せよ
 
 ∧∧
( ‥)無理だろ
 
  (‥ )無理だよ
 
 
 正しいは白黒しかない。定規としては雑すぎる。そんな基準で本を作っていては、どこかで破綻するだろう。
 
 
 
 
    
 
 
 

2013年1月26日土曜日

軽さ万歳!!

 
 
 ∧∧
( ‥)なに?
 
  ( ‥)ああ、ほら、こんなことが
      あったじゃないか
 
 数年前、新年早々、鎌倉の海岸へいく途中の電車の中。お参りをすませたのだろうか? きれいな外行きの服装をした母子が隣に座ってきた。
 
 母子が座るとこんな配置=>子母私
 
 ∧∧
( ‥)子供は中学生でしたかね
 
  ( ‥)男の子でな、小中学生向け
    –□ の小説を読んでいたな。
 
 ちらっと見る限りでは魔法と学園を舞台にした冒険ものかなにかのように見えた。しかし、お母さん、こんな状況でも参考書を開いて子供に出題することを止めないのである。それも中途半端に周囲に遠慮したせいなのか、
 
 じゃあ聞くわね、...が....で、...は何か? 
 
 お母さん、声が小さい。
 
 隣にいるこっちでさえよく聞こえないのだから、子供も同様。聞こえるわけがない。
 
 ∧∧
( ‥)本を読んでいる男の子は
    えっ? となりつつ
    答えるのだけど
    出題の声が小さいから
    意味が分かりかねて
    間違えるのですよね
    しかも、正答率がどんどん
    下がっていくという。
    明らかにモチベーションが
    だだ下がり。
 
  (‥ )それでもお母さんはさ
      間違い、
      じゃあ、次は、、、と
      ぼそぼそ聞いてばかりでな
 
 なあ、母さんや、中途半端な場所で中途半端なお勉強を子供に強制するのは、ただのいやがらせだよ? 
 
 と思っていると、案の定、お母さんの声、全然聞こえないよ、それで不正解、不正解って、もういやだよ!! と泣くような声で男の子が怒った。
 
 気まずい沈黙
 
 ∧∧
( ‥)本を読んでる時点で
    男の子は電車の中で勉強する気
    がないのは一目瞭然でしたけど
 
  ( ‥)なんか小難しい参考書と
      対照的な軽い本を熱心に
      読んでいるのが
      痛々しくてな。
      それをがん無視して
      出題するお母さんがなあ
      なんだろうな、あの不幸は
 
 男の子は母親似であるように見えた。よく似ていて、どちらも端整な顔だった。
 
 ∧∧
( ‥)本は軽い方がいい?
 
  (‥ )仕事や勉強で疲れた時にだ
      小難しい本なんか読んで
      られるかよ。オレだって
      いやだよ。
 
 というか本、読まないし。読む気にもならん。
 
 ∧∧
( ‥)仕事では本を使うのだけどね
 
  ( ‥)仕事ではね。それ以外では
    –□ 漫画も読むのがつらい。
 
 時々不思議なんだが、いつも本を読んでいる人はどんなことしてるんだろね。
 
 ∧∧
( ‥)あの子はどうなりましたかね
 
  ( ‥)さてねえ、順調なら
    –□ もう大学生のはずだがな
 
 今度はライトノベルを読んでるかな?
 
 ∧∧
( ‥)安らかな時間を過ごせてたら
    いいですよね
 
  (‥ )あれを見た後では
      それを望むよ。
 
 そういう意味では軽い読み物は偉大である。賢しい連中からゴミのような扱いをされていても偉大なものは偉大だ。偉大とはこういうものだ。役に立つとはこれだ。娯楽とはかくあるべし。
 
 
  ( ‥)小難しい本格小説なんか
      死ねばいい
 
 ∧∧
( ‥)あれはあれでマニアックな
    需要があるんでしょうけどね
 
 
 
 

懐かしきマッチ棒

 
 
 カニの目は柄の先についています。ちょうどマッチ棒のような...
 
 ∧∧
( ‥)という説明を思いついて、
    即座に却下
 
  ( ‥)今の子供、マッチ棒
    –□ 知らんだろう。
 
 そもそも火を知らない子供がいる時代である。マッチ棒という表現は無理がある。
 
 *火を知らない子供:電化が進むとキッチンで炎を使わないので、親がタバコを吸わない場合、都市部では炎を見たことがない子供もいる、という意味。*
 
 
 

本を作るとは間違い探し

 
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)本を作る作業とは
    –□ 正しいことを書く、
       正しく作る、
       のではなく、
 
 むしろ間違いを探す、間違いをつぶす、
 
 ∧∧
( ‥)間違いを探し、間違いをつぶす
    それが本を作る上で
    一番重要な作業であると
 
 (‥ )まあ、最低限、基本的には
     誤字脱字をなくすわけね。
 
 ∧∧
( ‥)でも、誤字脱字を訂正するだけ
    では、内容の誤りと
    トンデモ本はなくなりませんよと
 
  ( ‥)ある意味ね、トンデモ本を
    –□ 野放しにするかどうか
       はともかくとして、
 
 本の主張の妥当性を決定するのは究極的なところ作者でもなければ読者でもない。
 
 ∧∧
( ‥)独自な健康法Aがここに
  –◯ あります
 
  (‥ )その健康法Aを試した
      100人のうち、
      改善が7名、
      悪化が20名
      死者3名
      であったとする。
 
 健康法Aがどうなるかは、まあ火を見るよりも明らか。
 
 ∧∧
( ‥)実際には因果関係の推論と
    統計学的な処理をめぐって
    健康法Aの提唱者は
    逃げおおせようと
    するのでしょうけどね
 
  (‥ )だが究極的には同じだよ
      健康法Aを推奨する集団Yは
      時間の経過に従って消滅
      することになる。
 
 かように、主張の妥当性を確かめるのは読者でありうる。だが、妥当性それ自体を決定するのは人間でなくて宇宙だ。そして究極的には失敗したら死ぬ。
 
 *実際にはこう簡単にならない複雑な状況を想定することもできるけども、原理的にはそういうことだ、ということ。
 
 
 ∧∧
(‥ )誤字脱字は直すけども、内容が
\–   トンデモの本を発刊する
     そういう出版社は
     たくさんありますよ
 
  (‥ )ほとんどどこでも出してる
      とも言えるよな。
      煽って売り抜けようという
      確信犯の場合もあるけど
      不可抗力の側面もあるね
 
 次々に本を出す編集者は、本を出すプロだ。だが、本や仮説の妥当性を論証するプロ、であるわけではない。
 
 *編集者は本を製作する作業全体を統括するのが仕事であって、いわばゼネコン。個々の作業それ自体については外注しなければならない、という意味。
 
 ∧∧
( ‥)さすがにね、
    常識的なことは分かるの
    でしょうけどね
 
  ( ‥)だがどうにもならんこと
    –□ 世の中にはいっぱい
       あるからね。
 
 そもそもそれが無理だから、研究者に頼んだり、専門家や、あるいはライターに頼むのである。だからゼネコン的な立場なのだと言えるし、そうでないといけない。
 
 ∧∧
( ‥)いわば妥当性を外注するわけ
    ですよね。
 
  (‥ )問題はだな、ライターどころか
      たいした業績がないとはいえ
      教授の肩書きを持つ人間でさえ
      トンデモ本を書く奴がいるって
      ことでね
 
 編集者はお手上げだ。こうなると本を選ぶ読者にまかせるしかない。そして本の妥当性の検証、それは究極的には読者の自己責任と命で行わなければならない。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)...しかし、読者に命賭けろとは
    さすがに賛同しかねますね
 
  (‥ )そうだね、ホメオパシーを
      信じている奴が他人の子供を
      殺すという事例があるように
      自己責任で自己責任でない
      ことをやる奴がいるからな
 
 命を賭けろ、がすっ飛ぶくらいに悪質
 
 
 ∧∧
(‥ )本と仮説の検証は読者の命で
\–   行うべし。これは是か非か?
 
  (‥ )いや、是非の問題では
      ないんだよ。
 
 そうなってしまうし、事実、そうなっている、ということである。
 
 ただ、幸いなことにほとんどすべての本は事実上、健康に害はない(ただし、どんな本も大量に摂取すると命にかかわる)。
 
 だが、中にはまじで命に危険を及ぼすものもある。
 
 実際、本もトンデモ仮説も疑似科学本でさえ、影響力は一律ではない。
 
  ( ‥)トンデモ本、トンデモ仮説、
       これは便利な言葉だけども
       あくまで便宜的なカテゴリー
       実在するわけじゃない
 ∧∧
( ‥)ニセ科学ごとに
    ニセ科学の定義あり
    ですね*

トンデモとかニセ科学とか疑似科学とか、それは個々それぞれ違ったものだ。効果も個々で違っている。
 
 ∧∧
( ‥)悪性で阻止しなければ人死にが
    わらわら出るぞ、という
    トンデモもあれば
 
 (‥ )アトランティスの超古代文明
     みたいに、ほとんど無害だよね
     そういうものもあるわけさ
 
 どっちもトンデモだから一律に扱おうとするのは誤りだし、事実として扱いが違っている。
 
 ∧∧
(‥ )編集者もライターも、読者に
\–   検証責任を丸投げすることは
     出来るし、する。
 
  (‥ )しかしほとんどの場合、
      可能な限りリスクを減らす
      ものなんだ
 
 ∧∧
( ‥)死者が出たりすればですよ、
    当然、編集者も書き手も
    責任を問われます
    死人が出なくてもですよ
    ミスの種類によっては
    責任を問われますね
 
  (‥ )それは当然。
      それを踏まえた上で
      言うわけさ。
 
 正しいことを書くのが本ではない。むしろ間違いをつぶすのが本の制作作業。
 
 ∧∧
(‥ )それを正しいって言うのじゃ
\–   ないの? そう言う人も
     いるかもですね
 
 (‥ )問題はだね、間違いは
     発見できるけども、
     すべての間違いを発見しても
     正しさは保証されないって
     ことでね
 
 ∧∧
( ‥)謙虚になれと?
 
  (‥ )いや、現実的になれと
      いうことさ。
 
 間違いを見つけ尽くしても正しさが保証されないのが現実。なれば、本の要は正しさの追求ではない。間違いの発見と訂正だ。
 
 
 
 
 
 

2013年1月25日金曜日

オレ様紙幣1兆ドル

 
 
 ∧∧
( ‥)制限時間内に取材し、
    指定の文字数にまとめ、
    誤字脱字をなくして
    記事にする
 
  ( ‥)それを毎時、毎日、毎週
      行うわけだ、マスコミが
      プロ集団であることは
      疑いない。
 
 ∧∧
( ‥)問題は”そのプロ”だって
    ことでね
 
  (‥ )記事が妥当か? とか
      この記事内容で良いか?
      とか、そういうことの
      プロではないんだよね。
      むしろ、自分の理念を
      言い訳に手抜きをする
      プロでもある。
 
 *自分の理念というあらかじめ用意した答えに合わせて書けば、記事を書くのは楽だし速い。速さのプロである以上、ペンで現実をねじまげて伝えるのは、売国マスコミとかマスゴミとかウンヌン以前に、職業上の特性だろう、という意味(注:ここでは陰謀論は採用しません)。
 
 *だから科学記事で大誤報するし、ビスマルクでもないのに、何、お前ら勝手にエムス電報して中国と日本の対立を煽ってるの? ということをしてしまうんじゃね、という意味。
 
 
 そういえば、
 
 ネットの連中は知的に劣っている。彼らは誤字脱字をするし、漢字を使わない。マスメディアに勝てるわけがない。
 
 というような言説があったけども
 
 ∧∧
( ‥)あれも言い換えれば
    制限時間内に誤字脱字なく
    記事にする、という
    プロ意識のなせる揶揄ですか?
 
  (‥ )それ以外にアピール
      出来る点がほとんどない
      そういうことだと
      思うけどもね。
 
 ∧∧
(‥ )ネット記事だって、所詮は
\–   マスコミ由来じゃないか。
     マスゴミなんか信用しない
     というくせにネット記事を
     見てる素人は笑えるわい、
     そういう意見もありますが
 
  (‥ )といっても、マスコミは
      産油国じゃなくてだな、
      中継する商社とか運輸に
      該当する立ち位置でな
 
 客ってのは市場に並ぶ色々な原油を見て、あっちは高い、こっちは安い、あっちとこっち、産油国も油井も同じなのに原油の色が全然違うぞ? 混ぜ物してるんだろう、いや、あれはですね、とか話し込んでいるようなもんで。
 
 ∧∧
( ‥)俺たちが運んでいるんだぞ
    とマスコミの人が
    胸を張るのは、まあ
    ある側面としては正当
    なんですけどね
 
 (‥ )皆でぼそぼそうわさ話
     したり情報交換しているのを
     馬鹿にするのは良いが、
     ただ一律に馬鹿にしちゃあ
     いけねえな
 
 そもそもネットで情報交換している人々、客と十把一絡げにされている人々の中には、確かに素人客がごろごろいてあらぬ噂を流していてみっともない。しかし、その一方では、パイプラインの管理人や警備員や産油国の経営者や油井の掘削技術者まで色々混ざっているこのご時世。
 
 ∧∧
(‥ )マスコミの人も所詮は
\–   運んでいるだけですしね
 
 (‥ )供給元からすれば、
     お前らなに勘違いしてるの?
     と言うだろうし、
     供給元が言ってないことを
     書いて混ぜ物したり
     薄めたり、品質変えたり
     しちゃうからなあ。
 
 そこが批判されているわけで、客が疑惑のまなざしを投げかけてぼそぼそ話している時に、ふふん、オレ様達はプロだ、と胸を張るのは少しばかり勘違い。
 
 ∧∧
(‥ )日本のマスコミはエリート
\–   意識があって
     ジャーナリズムの責務を
     果たしていないという
     意見もありましたが
 
 (‥ )本当に頭の良い奴は国家官僚に
     なるのだから、マスコミとは
     実際にはエリートではなく
     ただの落ちこぼれなんだがな
 
 そして、報道のプロであって、それは制限時間内に誤字脱字なくテキストを作成するプロでしかなく、それは妥当性とかを意味するわけではないし、事実、意味していない。
 
 ∧∧
( ‥)でも? おちこぼれでも、
    テキスト作成のプロでしか
    なくても文化人には
    なれるのだと?
 
  (‥ )馬鹿でも文化人になれるよ
      ただのおっさんだって
      自分の人生論を語る
      じゃないか。
 
 教授のくせに論文を書かず、イラストレーターなのにイラストを描かず、漫画家なのに漫画も描かず、小説家なのに小説を書かずに社会論、文化論をぶち上げる人もいるわけだし、誰でも馬鹿でも能無しでも、生きてれば文化人になれるし気取れる。
 
 ∧∧
( ‥)文化人を気取るな?
 
  (‥ )気取ったっていいのさ
      文化人とか知識人って
      やつがそもそも
      気取った掃き溜めの
      ゴミだと思えば良い
      それだけの話。
 
 科学が凶暴なまでの価値を持つのは、価値を決定したのが実のところ人間ではない、という点にある。
 
 ∧∧
( ‥)ひるがえれば、
    人間だけの価値は
    それだけの価値であって
    現実の裏打ちがない。
    オレ、すごいだろう?
    という自己申告でしかない
    そういうことですね。
    
 
  ( ‥)活字と言葉をいくら
    –□ 積み上げて、
       オレ様紙幣は1兆ドルだ
       と言われてもね、
       意味ないんよね。
 
 オレの職業すごいだろ! と言う時点で額面をたばかりすぎではないか?
 
 
 
 
 
 

理念は理念を正当化できるが正当化できない

 
 
 ∧∧
( ‥)理念は理念を正当化しない
 
  (‥ )まあ、正当化はできるんだ
 
:私が選んだ理念は正しい
:正しい理念に従う私の主張は正しい
:私の理念は正しいという私の主張は正しい
 
 ∧∧
( ‥)正当化はしてますね
    意味がないってだけでね
 
 ( ‥)理念が正しいかどうか、
   –□ それは僕らが決めること
      ではない。そうしないと
      そうねえ、客観的な
      正当化はできないんだよね
 
 私の理念は正しい、という主張に矛盾はない。どこにもない。ただし意味もないので価値がない。この場合、理念が正しいという主張は理念自身によって正当化されているだけで、理念以外の根拠では正当化されていない。正当化の根拠がない。
 
 
 一方、現実世界ではこういうことも起こる。
 
 理念Aに従っていつも通りに遺族がいやがるような取材をしたところ、それを不愉快を感じる人が割合において多数を占め、事実、不都合な事態に至った。以上から言えることは、理念Aは、理念A以外の根拠で正当化されるどころかむしろ否定的なものであることが明らかとなった。
 
 
 ∧∧
( ‥)その、否定された理念Aも
    自分自身は自分自身で
    正当化できるのですよね
 
  (‥ )だが、他の根拠では
      正当化されない。
      オレが正しいから
      オレが正しいのだ、
      そうとしか言えない。
      こういう主張は
      机上の空論なんだよね
 
 正当化といっても色々あるんで、正当化した、と言ってもそれが何だか分からん、ということでもある。
 
 *正当化、という言葉はそれ自身ではまったく意味をなさない。
 
 ∧∧
( ‥)でも、机上の空論は
    ”楽”なのであると
 
  ( ‥)どんな難しいことも、
    –□ 机上の空論に全部
       合わせちゃえばいいからね
       楽なもんさ。
 
 こういう接続詞というか言い回しを使えば良い。
 
:だが異論がある
:だがこういうことはないだろうか?
:このような可能性もある
:こういう意見もあります
:...が正しいとは限らない
 
 ∧∧
( ‥)全部ただの言い訳ですよねえ
 
  (‥ )しかも無駄な言い訳だな
      しかしだ。
      言い訳を大量投入すれば
      どんな馬鹿でも
      いかなる異説をも
      正当化できるのだ
      *ただし、根拠はほとんどない
 
 ∧∧
( ‥)でっ? それがマスコミの
    病巣なのだと?
 
  (‥ )毎日、ニュースを集めて
      制限時間内に活字に
      しなければいけない。
      しかも誤字脱字はない
      ようにする。
      それは確かに
      プロの仕事なり。
 
 彼らは「絵を書く」なんてことは絶対しない。こういう誤字脱字を、よりマイナーな箇所まで正確に時間内に行えるのがプロというものだ。
 
 しかしプロであるのはここまで。人間はこれだけの作業でほぼ飽和してしまう。これ以上は無理だ。
 
 
 ∧∧
( ‥)そして理念はご都合主義に
    主義主張は現実を曲解した
    嘘っぱちになってしまうと
 
 ( ‥)ましてや冷戦世代だからな
   –□
 
 親の金と資産に頼った引きこもりのくせに、親の悪口を言うだけでよし、いやむしろそれが自分の責務だと思っているような状態だったのだ。おかしくならないわけがない。
 
 (‥ )まあ、人生なんて最後は
     惰性と手抜きで終わるものさ
 
 ∧∧
( ‥)老いと怠惰と慣れですか
 
 
 
 

不便がいいか? 高いがいいか?

 
 
 ∧∧
( ‥)そういえば?
 
  (‥ )そういえば
      聞いたことがないと
      思ってね
 
 年末年始も24時間営業。こういうことは法律で制限するべきだ。少し不便でもいいじゃないか、人間らしい生活をするべきだ
 
 という意見は見かけるけども
 
 居酒屋のメニューが高くなってもいい、その代わり従業員を休ませろ
 
 というような意見は見たことがない
 
 
 ∧∧
(‥ )これはどう考えるべき
\–   なんでしょうねえ
 
 (‥ )さてね、
     経済的な視点、
     発言者の社会的立場、
     色々な意見が
     ありえるだろうし、
     答えから色々なことが
     推論できるだろうな
 
 
 「コンビニの深夜営業がなくなればご不自由する方もいるでしょうが、しかし、」という答えひとつとっても、色々なことが推論しうる(例:少なくとも発言者は夜遅く帰ることがないのではないか? その社会的地位は何か? あるいはどのような状況が推論できるか)
 
 
 
 
 

自転車操業街道をゆく

 
 
 
 ∧∧
( ‥)つまり学名を直訳すると
    熱水のゲンゲ、地獄の番犬
    ですか
 
  ( ‥)種名がケルベロスでね
    –□ 顔がへちゃむくれだから
       かな?
 
 さて
 
 ふと思い出したことがある。まだビデオが全盛の時代、こんなアダルトビデオ監督がいたと聞く。
 
 
  (‥ )ナンパした女の子を
      エロビデオに出演させる
 
 ∧∧
( ‥)ナンパものってジャンル?
 
 いや、そうではなく
 
 ナンパして彼女にした女の子を女優にして、自身が撮影するエロビデオに出演させて、男優は自分。
 
 ∧∧
( ‥)...それ、自分のセックスライフを
    自分撮りして売って金にして
    いるだけだよね
 
  (‥ )しかも女の子がしじゅう
      変わるのだそうだ。

 
 どうもご本人はなにか強迫観念じみたものがあるらしい。手記によれば5年つきあった彼女を寝取られたと言う(もっとも話の内容からするとうだつの上がらない若き日の彼を女が見限ったのではないかと思う)。
 
  ( ‥)愛とは信頼なんだ、と
      インタビュー記事で語って
      いてだな
 ∧∧
( ‥)...まあ、なんだ
    痛い人だね
 
 痛い人なのだ。もともとエロ路線だった人生が、失恋で自転車操業のエロ街道になってしまったと言えばよいのか? 
 
 彼女を作り、その娘で儲ける、その金で新しい彼女を作り、その娘で儲ける、そして
 
 
 ∧∧
( ‥)倫理うんぬん通り越して
    人生が破滅的だな
 
  (‥ )どうしようもない人だなあ
      そう思ったものよ。
 
 だがしかし、このことを今になって思い出して考えるに、この監督のことを自分は色々言えたものかと。
 
 ∧∧
( ‥)何がよ
 
  (‥ )本や資料を集めて記事にして
      その金で本や資料を集めて
      記事にして、その金で...
      状況同じじゃね?
 
 ここで発想をふくらませて思うに、科学ジャーナリズムの意義を叫ぶ人が、妙にうさんくさく思えてしまうのはそのせいかと。
 
 ∧∧
( ‥)あんたが思ってるだけ
    だよね?
 
  ( ‥)みんな好きでエロ映画
      作ってる時にだな、
      エロの哲学と意義を
      鼻息荒く語られたら
      ちょっと引くだろ?
 
 ∧∧
( ‥)まー、その状況ーは
    そーだろーけどね
 
  (‥ )意義なんていらないよ
      やりたければそれで
      いいのさ
 
 ああ、しかし、それを踏まえて考えると、愛を語ってしまったあのエロ監督は中途半端だったのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)女の子をくどいて詐欺師
    まがいなことをするには
    愛だのなんだの
    そういう
    きれいだけど軽い言葉を
    使うしかないんじゃ
    ないですかね?
 
  (‥ )だから中途半端だし
      ゆえに中途半端なのだ
 
 そのエロ監督がその後どうなったのか、それは知らない。
 
 ∧∧
(‥ )ご存命なら、今60ぐらい?
\–
 
  (‥ )なにもかも無茶が
      あるよねえ。
 
 60で女の子をナンパしまくるのも不可能ではないんだろうけどね。無理がありすぎる路線だったよな。
 
 ∧∧
( ‥)あなたも人のこと言えません
    よね? じょじょに本や資料の
    処理速度が落ちてる。
    単位時間あたりに処理できる
    本や資料が減少すれば
    生産できる金額も減少する。
    どこかで破綻しますよ。
 
 ( ‥)動機に疑問を持つ必要は
     ないが、現実は見据えないと
     いけないねえ。
 
 エロ監督だろうが、自称サイエンスライターだろうが、ある経済的な原理に支配されているという点では同じだ。あの監督がこういう危険性に気づいていなかったとは思えないが、分かっていてもその道へ進んでしまったということか。
 
 
 

 

2013年1月24日木曜日

情報流通のどこへいこう

 
 
 Tumblrはただで手に入るテキストと画像からなる、いわば無料の雑誌
 
 ∧∧
( ‥)あなたはtumblrをやらずに
    見て回るだけですね
 
  (‥ )あれ、無料だけどさ
      実際には人件費が
      かかっているんだよな
 
 無料の雑誌とは、ようするに消費者自身が編集業をしているわけで、reblogをしている時間はいわば労働時間に該当する。
 
 ∧∧
(‥ )まあ、楽しみでやっている時間
\–   は普通、労働時間とは
     見なされませんけどね
     それだと草野球も釣りも
     労働ってことになりますから
 
  (‥ )とはいえ、編集作業に
      労力がいるのは事実、
      見る分にはいいけど、
      自分でやるには荷が重いよ
 
 見るだけ、見るだけ、作業は外注だ。
 
 ∧∧
(‥ )時々、疲れちゃったのか
\–   あるいは飽きちゃったのか、
     更新が急激に止まるものや
     止まって化石化している
     tumblrも見かけますよね
 
  (‥ )なんか本当に雑誌の休刊
      廃刊みたいにね。
      でも次々に新しい人が
      現れるからな。
  
 はっはっはっ、今日のところは私の負けだが、タンブリストがいくら死んでも、tumblrは滅びぬよ、何度でも新しい私が以下略
 
 無料のテキストも無料の画像もエロも萌えも編集作業でさえ、無尽蔵にいくらでも供給される時代である。
 
 ∧∧
( ‥)雑誌が売れないって
    当たり前ですよねえ
 
 ( ‥)フリーの編集者の知り合いが
   –□ 2012年は雑誌の仕事が
      激減したって言ってたが
      こういう影響もあるのかね
 
 ∧∧
( ‥)ああ、そういえば昔、
    ガンダム評論の話を
    しましたよね
 
  (‥ )あの時はあるアニメと
      書いただけで、ガンダムとは
      書かなかったけども
 
 もう20年は前になるのか? ある雑誌(意外なことにアニメ雑誌ではなかったと思う)をぱらぱらと見ていたら、ガンダムがファースト以降、Z,ZZとつまらなくなったのはなぜか? という考察が書かれていて。
 
 ∧∧
( ‥)内容がね、ファーストガンダム
    は冷戦下における
    第三次世界大戦の
    シミュレーションをぱくった
    ものだから、大戦終結後の
    続編を作ることができなかった
    のだ、というものでね
 
  (‥ )普通にさ、ファーストが
      売れすぎてスポンサーが
      口出しするから監督が
      いやになったり、無理が
      あったりしたからです。
      そう書けばいいのに、
      内容が大げさかつ
      ファンタスティックな
      話になっていてな。
 
 そんなどうでもいい冗長な考察なんか今ではblogやらHPやらでいくらでも読める。
 
 ∧∧
( ‥)だがしかし、当時はそれを
    有料で売っていたのです
 
  (‥ )もちろん、個々のお客が
       払っている金は微々たる
       ものなんだけどさ。
 
 その記事以外の記事を目当てに買った人は、その記事に金を払ったなんて自覚はないだろう。それにたとえその記事目当てに買った人でも、1人あたりが払った金額は雑誌代の100分の1とかそんなもんではなかろうか。
 
 *丸々一冊、一人の著作でも、著者に入る印税は金額の10分の1とかそれ以下なので、雑誌の数見開きの記事など払う金額は、それよりずっと少ないという計算になる。大雑把にいって10円いかないと思う。
 
 ∧∧
(‥ )どっちにしろ、雑誌が
\–   売れないのは当然ですね
 
  (‥ )同じ質の記事が
      もっと色々、
      それも無料で
      すぐに手に入るの
      だからなあ
 
 昔なら有料で売れた記事は、今では無料の記事になったとさ。
 
 
 ∧∧
( ‥)雑誌って、情報の流通が
    制御できた時代の産物かも
    ですね
 
  (‥ )どうしてもここを通るしか
      ない、だから有料でも
      成立していたんだが
 
 ある日、新しい道が開拓されてしまい、貿易の中継地点がさびれる、ということがある。
 
 ∧∧
( ‥)では、どうやってコンテンツで
    食べていきましょうか?
 
  (‥ )この状況下でも必然的に
      情報が流通する場所に
      自分がいればいいって
      ことではあるね。
 
 確かに、需要があり、それでいてネットでさえも扱えない情報やコンテンツは存在する。
 
 ∧∧
( ‥)ハルコーネン家が、
    ギルドの扱わない鯨皮で
    復権を果たしたように?
 
  (‥ )うまいたとえが思いつかん
      けども、まあそうだね
 
 
 
 
 
 
 

2013年1月23日水曜日

ヨコエビ残業

 
 
   ( ‥)あー、ヨコエビ
     –□ めんどくせー
 
 ∧∧
( ‥)この1枚で終わりですから
 
 
   (‥ )でもひと月後にはまた
       ヨコエビを描くのだよ?
 
 ∧∧
( ‥)今は今、先は先。
 
 さて
 
 
 ∧∧
( ‥)簡単にまとめると
 
   ( ‥)そうねえ
 
:低賃金を武器に仕事をする
:低賃金労働は馬鹿でも出来る
:馬鹿でも出来るかわりに技術では他人と自分を差別化できない
:そこで、「自分はこんな負担もこなせます自慢する」
:例えば無駄に残業する
 
:低賃金なかわりに終身雇用を約束する
:終身雇用なんで、会社に自分の忠誠心をアピールする
:技術がないんで、やっぱ無駄な残業をしてアピール
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  (‥ )残業が忠誠心のアピール
      だとしたら効率化は
      悪そのものだよな?
 
 そりゃあ、効率的に仕事して、義務を果たして残業もせずに帰ったらみんなから叩かれるよな。
 
 ∧∧
( ‥)残業は無駄自慢だったと
    思います?
 
  (‥ )勤務時間内では処理できない
      ほど案件が飽和しちゃう、
      家に仕事を持って帰ることも
      できない、
      必然的に終電まで
      居残っている。
      そういうことも
      当然あるけどもね。
 
 ∧∧
( ‥)あなたもだらだらずーっと仕事を
    していることがありますものね
 
  (‥ )なんかねえ、長時間連続で
      作業できないんで、
      描いて、だらだら、描いて
      だらだらなんだよねえ。
 
 ヨコエビを描いていると、なんていうの? 息をとめて潜水している感じがするので、息継ぎが必要だ。
 
 体節が1、2、3、4、5、6、7、ここまでは歩脚、そこから後ろの8、9、10は・・・・、あっ、息継ぎしていいすか?
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ、だらだら仕事して
    12時間ぐらいしたら
    こてっと寝てしまうと。
 
  (‥ )実働、休みを入れて
      8時間労働だと思うの
      だよなあ。
 
 1日8時間労働ってのは、あれはほとんど自然の理に近いのではないだろうか?
 
 ∧∧
( ‥)残業してる人のこと
    悪くいえなくね?
 
 (‥ )残業自体を悪くはいわんよ
     もう少し今日の分を
     やっていこうかなーって人は
     同じような立場だし、
     同じ立場の人間が同じ立場の
     人をあーだのこーだの
     言うことなど出来るわけが
     ないからね
 
 というか、だらだらやっているだけなんである。そもそも残業自慢をしているわけでもないし、会社員なら、あるいはイラストレーターなら残業が当然と言っているわけでもない。
 
 しかし、世の中の残業はそれだけではどうもない。
 
 ∧∧
(‥ )確かに残業しないで
\–   早く帰ること、それ
     自体を悪とする風潮は
     一部で見られますね
 
 (‥ )そういう場合、例えば、
     周囲の人間が
     早く帰る人はずるしてると
     考えている可能性も
     あるのだよな
 
 自分より早く帰る奴はずるしているんだ。だって、自分よりも速く仕事が出来て、なおかつずるをしているわけでもないなんて、それは、解せぬ・・・、と周囲が思っている場合。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも? それだけでは
    残業の有様を説明できぬと
 
  (‥ )時給計算でないので
      残業しても給料が
      変わらない。
      そういう場合、効率化は
      皆の利益に他ならない。
 
 それでもなお、残業を選ぶとしたら、残業という非能率的な行為そのものに利益があるとしか思えない。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、確かに生物は
    非効率的なことをあえてして
    能力をアピールするという
    行動をしたりしますからね
 
  ( ‥)そういう場だと、
    –□ 効率化は悪そのもの
       になるだろうし、
       そうとでも考えないと
       説明がつかない事例が
       世の中にはあるのさね
 
 
 ただ、この先の日本で、こんな無駄な残業がこれまでのように通用するのかは疑わしい。
 
 
 

古本

 
 
 ∧∧
(‥ )そういえば先日、読み終わった
\–   本は古本屋に、と言われたので
     古本屋に電話したら、
     本の価値が分からない最近の人
     に持ち込まれても、、、
     みたいなこと言われて
     怒っている人いましたね
 
  (‥ )ネットで見ただけだが、
      まあ、そんな話だったな
       気持ちは分かるよ
 
 ちょっと違うが、重い本をえっちらおっちら持っていて、店長がいないから無理です、とあっさり突き返された時の徒労といったらないからね。
 
 ∧∧
( ‥)だからブックオフに負けるのだと
 
  (‥ )というか、そうねえ、
      推論するにだな
 
 チェーン店でもないし、大きな敷地もない個別の古本屋のことを考えるに、そこに本をばんばか持ち込まれたらどうなるだろう?
 
 ∧∧
( ‥)はけないし、置き場所も
    ないでしょうね
 
  (‥ )というか買い取れないよな
 
 本でもなんでも売値の10分の1が買い取り価格の相場だとしたら、1万円分の本が持ち込まれたら1000円の出費が必要。
 
 ∧∧
( ‥)1000円で買い取った本'sを
    総額5000円で小さなお店の
    書棚に並べたとしても
 
 
  (‥ )全体の5分の1がはけて
      買い取り価格1000円を
      回収するまで、
      どのくらいかかるかね?
 
 小さな店だ。そんな客がくるとは思えない。1000円売れるのにどのぐらいだろう? 1日で達成できればいいが、3日かかったら?
 
 しかも利益を出さねばならないのだ。買い取り価格1000円回収でようやくトントン(実際には店舗の家賃、光熱費、維持費を考えたら赤字ですかね)、さらに売って1000円の利益を出すのにどのぐらいかかるだろう?
 
 そうこうしているうちに
 
 ∧∧
( ‥)また1万円分の本を
  –□ 1000円で買い取って
     ください
 
  (‥ )...餓死してもいいですか?
 
 
 ∧∧
(‥ )街の古本屋さんは店長が
\–   本を見て買い取り価格を判断
     するから、店長さんが
     いないと、すいません、今、
     買い取れませんになるの
     ですよね
     *そもそもそれを口実にした
     買い取り拒否である可能性も
     考えられる
 
  (‥ )ブックオフなんかはそれを
      機械的にこなすので
      重い荷物を持ったお客を
      追い返すことがないし
      無駄足になるまいと
      分かれば持ち込み客がくる
      品物が増える、
      売り場面積は大きくて
      品物を置ける
      客がやってくる、はける、
      着眼点が良かったよね
 
 
 一方で、ブックオフの本はみんなが持ち込むせいか、そんな良い本(専門書など)があるわけではない。
 
 ∧∧
(‥ )使い古された古い時代の
\–   教科書とか有用なのも
     混じっているのですけどね
 
  (‥ )石の中に玉が混ざる
      感じだよね。
      でも例えるなら
      その希少性は
      砂金レベルだよな
 
 本当に価値ある本は、それぞれのジャンルに特化した専門の古書店にいかないと、まず買えない。
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味ではブックオフが
    街の古本屋を次々に駆逐しても
    専門書籍の古本屋はびくとも
    しないのだと
 
  (‥ )高い宝石探す奴がさ
      砂金の取れる川へいく
      かって話よ。
 
 
 例えばの話、
 
 あの大御所漫画家が代理人を通じてコミケでひそかに売った、あろうことか自分のキャラを使った禁断のカップリング同人誌
 
 ∧∧
( ‥)それを買ったお客は、
    その同人誌を街の古本屋に
    持ち込むでしょうか?
 
  (‥ )まあ、否だろうなあ。
 
 それ専門の本屋なり、その道の客がくる場所に売るだろう。
 
 買った本に価値があるかないか、それは買った人なら分かるはずだ。そうであるのなら、売りつける先も分かって当然。
 
 ∧∧
( ‥)そういう意味ではですよ
 
  ( ‥)良かれと思った客が憮然と
    –□ するのは当然だけども、
       客は客の立場。
       古書店からすれば
       古書店の言い分も
       当然なんだよな。
 
 本を買った客は、その本の価値と、その本を売る時、それをどこに持ち込むべきか分かっていてしかるべきである。
 
 ∧∧
( ‥)分からないとしたら
 
  (‥ )本の価値が分からない客が
      買った本は価値の無い本
      だろうなあ。
 
 *言い方は悪いが玉ではなく、石としてブックオフ行き、あるいは古紙引き取り業者のものになる。
 
 もちろん、例外は色々と考えられる。
 
 ∧∧
( ‥)遺言も残せぬほどに急死して
    しまい、価値の分からぬ遺族が
    てきとーに処理した場合
 
  (‥ )さっきのね、同人誌とかの
      例え話でいうと、なんて
      いうかな、むごい結末が
      待っている事例だね。
 
 とはいえ、遺族がちゃんとしかるべき古本屋に持ち込むこともあるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)古本ってのはどれも故人の
    ものである可能性があります
    けども、あなたが持っている
    ものでもそういうの、
    ありましたよね
 
  ( ‥)そんな高いものじゃない
    –□ けども、しかるべき
       古本屋で買った奴な。
 
 コレクターズアイテムになっている巻貝の大判の図鑑で、学名の誤りなどが細かい丁寧な字で訂正されているやつ。趣味をきっぱり捨てた可能性もあるけども、ああいう熱心な痕跡を見るに、遺族が持ち込んだものではなかろうか?
 
 本ってのはそういうものなのだ。しかるべき場所に持ち込まれ売買されるもので、同じ店で何度も売られる可能性だってあるし、本ごとにその運命もめぐる場所も違っている。古本はどれも同じだと思ってはいけないし、古書店がどれも同じだと思ってもいけない。
 
 
  
 

2013年1月22日火曜日

長所のどれがすでにガラクタか? 全部じゃね?

 
 hilihiliのhilihili: 表裏一体の続き
 
 
 国防を訴える人は、いざ、戦争が起これば最前線にいってくれるんですよね?
 
 という揶揄、あるいは皮肉。
 
 実はこの言い方、今でも戦争が突撃戦だと思い込んでいる時代錯誤の現れではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)そんな戦争、100年前から
    終了開始ですよ、と
 
 ( ‥)そこんところ踏まえた人は
   –□ 徴兵制なんて素人を
      送って勝てる戦はもう過去
      今や素人なんて
      コスト要員にしか
      ならないのだから、
      それをあのじいさんに
      言ってやれ、と批判する
      わけよ
 
 *あのじいさん=>文脈からして徴兵制を示唆した石原元都知事のこと(らしい)。この批判はネットで実際に見たし、当然出てくる指摘。
 
 
 ∧∧
( ‥)だがそういう指摘ではなくて
    国防論者は戦場にいって
    くれるんですよね? と
    そういうあさっての批判を
    してしまう平和論者。
 
  (‥ )徴兵制言っている人と
      国防を批判する人、
      どっちも同じ時代錯誤
 
 というか、

 最前線いってくれるんですよねえ??(笑)
 
 な人は、その発想からすれば部下に万歳突撃させる人だってことだよな?
 
 ∧∧
( ‥)だから私は戦争に反対なんだ、と
    反論するかもです
 
  (‥ )だから追いつめられたら
      お前さん、万歳突撃するし、
      部下にさせるだろ? と
      いうことなんだがね
      普段考えていないことは
      いざという時できない。
      そういう奴は信用できんよ
      殺される側はたまった
      もんじゃねえからな。
 
 日本は開国からおよそ70年で大敗を喫した。
 
 
 ∧∧
( ‥)中世封建制度、あるいは
    軍人貴族による連邦制から
    国民国家による工業化を
    まがいなりにも成功させた
    のですけどね
 
  (‥ )だが、無理矢理背伸びした
      だけで、骨粗鬆症もいいとこ。
      しかも、中世世界から
      わずか2、3世代しか
      経っていないし、考え方が
      変わるには短すぎる。おまけに
      前半は突撃戦が有効だった
      そういう時代なんだよね。
 
 勇気と努力と根性で勝てた。男らしいかもしれないが、見方を変えれば劣った時代の産物だとも言える。
 
  ( ‥)そもそもなあ、軍国主義だって
    –□ 工業力も経済力も技術力も
       すべてにおいて列強最弱
       なんでやむをえず精神論に
       頼らざるをえなかったとも
       言えるかもよ。
 
 ∧∧
( ‥)ノモンハン事件でしたっけ?
    手榴弾とかで戦車をまがいなり
    にも撃退できたのは?
    今じゃもう考えられません
    けどもね
 
 なんにもないから精神論しかなくて、それでもそこそこ成功できたから現実から目をそらし、工業や技術など知らぬと、そしらぬ顔が出来た時代だったのではないか?
 
 そして敗北から再び70年。
 
 だがこれもやはり2、3世代しか経っていない。これではそんなに変わるわけがない。事実、前の70年はさほど変われなかった。
 
 ∧∧
(‥ )戦後の目覚ましい発展も
\–   低賃金労働ですしね
     現在の日本企業が
     技術者やプログラマーなど
     高付加価値をつける人を
     冷遇してしまうのも、
     努力と根性で成功した、
     このままずっとやって
     いけるはずだ。そう勘違い
     しているからでしょうか?
 
  (‥ )日本はずーっと貧しい国
      だったのだよな。
      豊かな国になって
      努力や根性だけじゃ駄目に
      なったのは、それこそ
      バブル以後だろう。
 
 というか、努力や根性だけではもう駄目な局面なのに、努力や根性で成功した(と思い込んでいる)ので、その成功体験に拘泥した40代以上が作った世界が、この現状なんだとも言える。
 
 
 ∧∧
( ‥)それを考えますとね
 
  ( ‥)徴兵論者、
      国防反対者
      平和論者
      冷戦脳
      ブラック企業
 
 これら全部、40代以上、時代遅れの無様なモデルでしかない、そういうことか。
 
 若者以外は、どこぞの命が軽い、極貧の発展途上国からやってきたと思えば良いのではないか?
 
 
 さように老人であることは悪である。それがいやなら、自分のどこがすばらしいか、ではなく、自分の長所のどれがすでにガラクタなのか、それを調べねばならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)全部ガラクタだったり
    してね
 
  (‥ )むしろそれを前提にした
      方がいいと思う。
 
 
 
 
 

表裏一体

 
 hilihiliのhilihili: つくづく思う。老いたと。の続き
 
 
 ∧∧
(‥ )そういえば、「国防の強化を
\–   訴える人がネットで多いけど
     そういう人たちはいざ事が
     起きたらすぐ戦争にいって
     くれるんですよね? 」とか
     言う人、いますよね。
 
  (‥ )すぐいってくれって簡単に
       言うけどさ、何するの?

 
 まさか戦車相手に火炎瓶で万歳突撃させる気か?
 
 ∧∧
( ‥)機械化が進んだ昨今、
    素人をいくら送り込んでもねえ
 
  (‥ )いや、なんかご本人は反戦の
      つもりなんだろうけど、
      時代錯誤すぎて、はあ?
      なんだよな。
 
 なんていうの? 勇ましいことを言う人は、戦争が始まったらすぐに最前線にいって「やあやあ、我こそは!」と言ってくれるんですよね? とか、そんな感じ。
 
 端から見ると、なにを言っとるんじゃお前は? という状態。
 
 しかしここでふと思う
 
 ∧∧
( ‥)素人大量に送り込んで
    突撃させれば勝てるって
    100年前に終わりを
    始めた戦術。
 
 (‥ )日本ってさ、あわてて
     開国して、西欧の突撃戦術を
     学んだけど、工業化が
     遅れたせいか、そのまま
     WW2で負けたとも言えるよな
 
 確かに、朝鮮戦争でも”義勇軍”の大量動員があったから、陸戦かつ、あの時代までは最低限、効果があったのだろうけど。
 
 ∧∧
( ‥)でも、戦車に万歳突撃しても
    勝てないという事実は
    揺らぎません。
 
  ( ‥)日本は厳密な意味では
    –□ 戦争を根本から変えた戦い
       WW1に参加したとは
       言えないんだよな。
       太平洋近辺でちょこちょこ
       かすめとっただけだしね
 
 *ナポレオン張りの突撃戦術が、機関銃の出現でまったく意味を無くした戦争に参加したとは言えない、ということは状況把握や経験という点で後々、致命的だったんじゃね? という意味。
 
 
 ∧∧
( ‥)戦争が根本から変わり始めた
    のに、それを実感しないまま
    WW2に突入して、
    勝利の条件である技術力、
    工業力の差で破れると。
 
 (‥ )それまで根性で勝ってきた
     とするなら、なぜ敗北するか
     理解できなかったかもな
 
 *機関銃に歩兵を突撃させるとどうしようもないことになるよ、ということは実はWW1より前、日露戦争とかで露呈したことなんだけども、日本がそれを学ばないままWW2に突入し、敗北したとすれば皮肉だ、ということでもある。
 
 
 いずれにせよ、機械化が進んだ戦争において、素人の突撃戦ではどうにもならぬ。
 
 しかし敗北にも関わらず、今でも戦争は根性論だと思い込んでいる人々がどうもいる。若者に徴兵制を、というおじいさんたちがそうだし、
 
 ∧∧
( ‥)「国防言う人たちは
    最前線にいってくれるよね」
    と無邪気に皮肉る人たちも
    同様ではと
 
 (‥ )徴兵制をー
     いってくれますよねー?
     主戦論者、平和論者
     この対立する両者が
     実は表裏一体で、
     どちらも致命的なまでに
     時代遅れなのではないかとね
 
 
 
 

2013年1月21日月曜日

つくづく思う。老いたと。

 
 
 
 ∧∧
(‥ )文民統制は実は危険ではないか
\–   なぜなら戦いにいくのは軍人で
     焚き付ける文民は戦争に
     いかないからである
 
 (‥ )いや、そのなにを今さらって
     内容だよね
 
 文民統制最悪の事例はヒットラーであるともいう。
 
 ∧∧
( ‥)最近の事例だとブッシュ大統領
    (Jr)ですかね?
 
 (‥ )別に内情に詳しくないけど
     軍人上がりのパウエル長官が
     最後までイラク戦争に反対
     だったというのは
     文民統制が正しさを
     保証しない典型例だろうね。
 
 太平洋戦争に参加して日本軍に撃墜され、ベトナム戦争の失敗を政権中枢から見ていた父ブッシュと、ベトナム戦争に従軍したパウエル将軍の組み合わせが湾岸戦争だったことを考えれば、この違い、いわずもがなである。
 
 
 ∧∧
(‥ )そもそも文民統制なんて
\–   ただの言葉ですから、
     それ自体では正しさを
     保証しませんよね
 
  (‥ )システムや仕組みの話なら
      戦争も国政もプロ化して
      しまったので、
      軍人は国政の一環として
      官僚や政治家の意向をくんで
      動く、それが文民統制だ
      というのなら、
      それだけのことだしな。
 
 文民統制という仕組み自体が無謬を保証するわけがない
 
 *保証できるなら政治は誤謬を犯さないということになるが、そうではない
 
 ∧∧
( ‥)それでもつい文民統制が
    良いこと、善いことだと
    思ってしまうのは
 
  (‥ )のぼせあがったインテリの
      悪い癖じゃないか?
 
 思っていませんか? 
 
 本を読む僕ちゃんは武器を振り回すガキっぽい戦争屋とは違うのだ、と。
 
 
 ∧∧
(‥ )国防に詳しい政治家を
\–   軍事オタクとメディアが
     揶揄したことありますよね
 
 (‥ )のぼせあがっていませんか?
     ご本を読める僕ちゃん賢い、
     あいつら野蛮人とは違うと。
 
 *本当にただの悪い軍事オタクで、この戦闘機じゃなくちゃいやだいやだ、では確かに困りますけどもね。しかしそういう時は、ただの悪い軍事オタク、いや、にわかじゃないか!! と言えば良い。
 
 そもそも文民は善い、軍人は悪い、というのでは、それは理屈や経験や検証じゃない。ただの宗教だ。
 
 
 ∧∧
(‥ )文民や選挙民である民間人も
\–   軍事について学ぶべきとか
 
  (‥ )それは正論だけども
      軍隊経験までしようとか
      踏み込むのは現実的じゃ
      ないよね。
 
 そもそも軍人と官僚、政治家がそれぞれプロ化した結果が文民統制だというのなら、一般人を軍に組み込むのは本末転倒じゃねーの? という疑義。
 
 *プロ化した軍隊を素人化させてどうする? という疑問。
 
 
 ∧∧
( ‥)そして
 
  (‥ )文民統制は正しいとは
      限らないのじゃないか?
      国民も軍事知識が必要
      ではないのか?
      こういう提言が衝撃的に
      受け取られるという時点で
      もう僕らは時代遅れだって
      ことだよね。
 
 そうだよな。今、自分を含めて40代以上の人間は冷戦時代の経験の方が長いのだ。アメリカに半分支配されていることを良いことに、政治の汚い側面を全部アメリカのせいにして、できもしない理想論や平和論を語れば頭がなんとなくよく見えたひ弱な時代の残骸でしかない。
 
 ∧∧
( ‥)老いたもんだな
 
  ( ‥)ああ、つくづく感じる
    –□
 
 40代以上の諸君。我々全員がもう時代遅れのモデルでしかないことを自覚しよう。
 
 
  
 
 

彼はイデアに恋してる

 
 
 
人間は理性的である。
これを主張する人は。いわば理性論者とでも言えばいいか
しかし、人間が理性的であるという前提は人間の行動の多くを説明できない
ゆえに”人間は理性的であると主張する人”は理性的ではない。
理性論者は理性的な思考をしていない
たぶん、むしろ変な人
 
 
 ∧∧
( ‥)でも見方を変えればですよ
 
  (‥ )理性的って言葉の意味が
      一般的に使われる用語と
      全然違っているという
      可能性もあるな。
 
 例えばこんな意味で使っているとしたら、どう?
 
 人間は論理的である
 
 ∧∧
( ‥)...お前らサルのどこが
    論理的だっていうんだよ
 
   (‥ )まあ聞きたまえ
 
人間は論理的である
理性論者は人間である
理性論者は論理的である

 
 
   ( ‥)論理的な理性論者が
       人は論理的であると
       言うのだから
       人は論理的だろう
 ∧∧
( ‥)それ、無意味な循環論法
    じゃね?
 
 だが、無矛盾だ。間違いはない。
 
 ∧∧
( ‥)そんな主張に経験的な意味は
    ないよね
 
  (‥ )というか、理性的という
      言葉に対して、
      経験的な意味を
      まったく含めていないから
      人間は論理的である
      人間は理性的である
      そう主張することが出来る
      のではないか?
 
 というか経験的な意味や知識を求めない、なにか宗教じみた根拠不明な思い込みで邁進している人間が、人間は理性的である、とか、人間は論理的である、とか言い出すのではないか?
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  (‥ )そいつが好きなのは
      人間ではなくて、
      そいつの頭の中にある
      人間の理想像ではないか?
 
 さながらイデアに恋するプラトンのごとく。
 
 あるいはアイドルは処女だと信じる人のごとく
 
 ∧∧
( ‥)あるいは人間である自分こそ
    人間の理想像だ、あるいは
    自分は人間の理想像になりたい
    そう思っているのかも
    しれません
 
  (‥ )まあ、行き着く結果は
      同じだけどもね
 
 
 
 世界はその人の理想というか、妄想ではない。世界は現実で、しかしそれゆえ、彼は現実に絶望して理性的ならざる人間達を呪うだろう。経験に忍び寄られて、経験に足を噛まれるのだ。
 
 ∧∧
( ‥)自分も人間なのに?
 
  ( ‥)自分は特別な人間だ
    –□ そう思っているの
       じゃないかな
 
 
      
 
 

主張:人間は理性的な動物である

 
  
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
 (‥ )人間は理性的だ、と主張する
     奴が一番、理性的でないね
 
 ∧∧
(‥ )まあ、人間は理性的な動物だ
\–   そう仮定していては
     説明がつかない事柄が多い
     のは事実ですね。
 
  (‥ )そういう現実を見ても
      人間は理性的だと言う。
      それは理性と正反対だろ
 
 人間は理性的な動物である。これは理性的な判断や評価ではない。
 
 
 *半年後2013.07.13へ続く=>hilihiliのhilihili: 理性はすばらしい、これは理性的な説明ではない
 
 
 
 
      

2013年1月20日日曜日

確かにパラダイムシフトであった

 
 
 
 ∧∧
(‥ )最近は売国マスコミとか
\–   売国政治家とか売国奴って
     言い方が増えましたよね
 
  (‥ )なんていうかな、冷戦期は
      売国奴、というとWW2の
      イメージを杓子定規に
      あてはめて、
      勝てるはずのない戦に
      反対する理性ある市民に
      対して、
      愚かで無知蒙昧な大衆が
      投げかける言葉、という
      イメージだったかなあ。
 
 言い換えると、冷戦時代を謳歌したインテリにとって、売国奴とは愚かな大衆が使う言葉であって、売国奴と罵られることはむしろ知的な反戦平和主義者としてのレッテルを貼られる、というイメージがあったという感じだろうか。
 
 ∧∧
( ‥)少なくとも、あなたには
    そう見えたと
 
  (‥ )なんか、文化人とか
      インテリとか知識人は
      勘違い感というか、
      鼻持ちならない感が
      あるというかね。
 
 
 ∧∧
( ‥)少なくとも
 
  (‥ )おいちゃんが20代の時は
      売国奴って言葉を使うのは
      ややタブー視されている
      雰囲気があったけどな。
 
 売国奴と呼ばれる者とは反対に、売国奴という言葉を使う者には、愚か者、軍国主義者、というレッテルが貼られるイメージ
  
 
 ∧∧
( ‥)まあ、なんであれ、
    冷戦が終わって20年、
    もう1世代が過ぎてますし
      
 ( ‥)今時の使い方だと
   –□ 共同体の利益よりも
      共同体に属さない連中の
      利益を優先する裏切り者、
      という意味合いかな
 
 つまり本来の意味だけが残った感じ。
 
 ∧∧
( ‥)でも? 冷戦時代に成長した
     40以上の知識人は
     昔のままだと?
 
  (‥ )売国奴とか、
      売国マスコミと言われて
      気持ち良いわけは
      ないだろうけど、
      連中は心のどこかで、
      にやっ、とほくそ笑んで
      いるんじゃないかなあ。
 
 
 無知蒙昧な連中がまたもやわめいている。しかしこの愚かな大衆を導くことこそ僕らの役割である。尊い信念を曲げてはいけないのだ。そんな感じじゃね?
 
 ∧∧
( ‥)つまり? 売国奴、
    この場合は利敵行為をする
    奴ら、という
    意味ですけども、
    そう罵られても
    そうか自分は正しいのだ
    そう思うだけではないかと?
 
 (‥ )というか、そう思っている
     から色々言われても
     ぜーんぜん考え方や
     スタイルを改めないんじゃね?
 
 言う側、言われる側、売国奴という言葉の受け取り方が全然違うのではないだろうか?
 
 ∧∧
(‥ )でも、冷戦終了から20年
\–   一時は絶頂に達したアメリカの
     一極支配も終わって、
     世界は列強がつばぜりあいを
     する場に移行中。おそらく。
 
  (‥ )日本と中国がにらみ合う
      というのも印象的だよね
      今だ強大なアメリカだが
      ずいぶん衰えたもんだ
 
 つまるところ、世界のお作法は変わってしまったのである。
 
 
 ∧∧
( ‥)そういえばパラダイムって
    お作法の意味もあるのですよね
 
  (‥ )あまり使いたくない言葉だが
      確かに世界のパラダイムは
      変わってしまった、
      そういうことだね。
 
 売国奴、という言葉の意味も変わってしまった、あるいは本来の意味に戻ったということだろう。
 
 ∧∧
( ‥)でも? どうやらマスコミとか
    はそれが分かっていないようだ
    そういうことですか
 
  (‥ )パラダイムシフトって説明は
      もともとそういうものだしな
 
 世界は解釈だ。解釈には枠組みがある。状況が変われば枠組み自体が変わる。パラダイムが変化すればすべてが変わる。しかし、変われるのはよく訓練された人間か、先入観のない若者だけで、老人は死ぬまで古い枠組みにこだわり続ける。
 
 予想するにマスコミは今の世代が全員死ぬまでこのまま。
 
 
 
 
 

愚痴を説明する

 
 
 
 どんな日常の単語や用語でも、それは難解な専門用語でありうる。
 
 ∧∧
( ‥)そういえば以前、理解不能な
     愚痴を聞かされましたよね
 
 (‥ )内容自体は普通の会社の
     普通の愚痴なんだけどな
     オレは山田さんも鈴木さんも
     彼らの役職も、専務も常務も
     責務もなにも知らんがな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、その会社の人間でないと
    会社の人間関係や業務は
    専門用語以外の何ものでも
    ないですからね
 
  ( ‥)いきなり、山田さんが
    –□ 鈴木さんに黙ってやった
       この作業が悪かったのだ
       と言われてもな、
       はあ? としか言えん
 
 せーめて、
 
 「なあ、聞いてくれよ、こんなことがあったんだ」
 
 と背景説明から話してくれないものか。
 
 *鈴木さん、山田さん、というのは仮名です。
 
 
 ∧∧
( ‥)あなただったらどう愚痴ります?
 
  (‥ )んー? 絵は下描きから
      始めるけど、そういう
      愚痴りかたをするかな
 
 ∧∧
( ‥)たとえば?
 
  (‥ )あいつは仕事をしなかった
 
 ∧∧
( ‥)またえらく、ざっくり来たな
 
  ( ‥)仕事には時々、ゼネコン的
      と言えばいいかな?
      そういう発注があってね
 
 大きな仕事というものがある。それを受注した大手も自分ですべてできるわけではない。作業内容があまりに多岐にわたるので、それぞれの事柄はそれぞれを専門とする人にそれぞれ別個に外注する必要がある。つまり客から依頼があり、大手がそれを受けて、下請けに発注するという構図。
 
 この場合の大手がいわばゼネコン(ここではこの言葉を比喩的な意味で使っている)。
 
 
  (‥ )おいちゃんの仕事は
      白亜紀後期、北米の風景を
      描く作業でね
 
 ∧∧
( ‥)あいつは仕事をしなかった
    というあいつとは、誰よ?
 
 彼はイラストレーターたちの中で年長だったので、皆を束ねる役割を担った。言うなればゼネコンとの仲介窓口である。
 
 ∧∧
( ‥)でっ? 仕事をしなかったと
 
  (‥ )監修者(USAの人)が
      ヤシだかソテツだかを
      描いてくれと言っている、
      そう言ってきてな。
 
 ヤシだかソテツだかって、全然違うじゃねえかよ。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)まあ、素人目には同じ
    かもですね
 
  ( ‥)まあ、素人目にはそれでも
      いいいのだろうな
 
 例えばこんな漫画があった。ジャングルの王者が活躍するというギャグ漫画。舞台はアフリカらしいのだが、オランウータンが出てくる1コマがあった(それだけ覚えている)。
 
 ∧∧
( ‥)オランウータンは東南アジアの
    動物だね。アフリカには
    いないよね。
 
  (‥ )漫画と読者はそれでいい。
      だがな、博物館みたいな
      施設でそれをやったら
      切腹ものだよ
 
 ヤシとソテツの問題も同じだ。両者は全然違う。そこで聞いたのである。ヤシですか? ソテツですか? あるいは木性シダということはないでしょうね?
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  (‥ )分からない、
      と言ってきやがった
 
 分からないじゃねえよ、聞けよ。
 
 ∧∧
( ‥)あなたが聞けば?
 
  ( ‥)困ったことにな、
    –□ ゼネコン業みたいな
       方式だと、発注を
       受けたのはあくまで
       ゼネコンを請け負った
       会社であってね。
 
 請け負ったのは下請けとか孫請けではない。当然、監修者に直接問い合わせることはできない。
 
 ∧∧
( ‥)なんで?
 
  (‥ )下請けが勝手なことを
      するな、とゼネコン屋が
      言ってくるのさ
 
 
 ゼネコン的な立場は全体を取り仕切る仕事である。それに下請け孫請けが勝手ばらばらに話を進めたら大混乱に陥ることは必至であるからこれ自体は当然。しかし、同時に非常にめんどうくさいシステムでもある(その分、ゼネコンの各担当者の力量が試される)。
 
 ∧∧
( ‥)でっ?
 
  ( ‥)いつまでたっても
    –□ ヤシなのかソテツなのか
       情報がこないわけよ。
 
 ∧∧
( ‥)言えば?
 
  (‥ )言ったよ。
 
 ∧∧
( ‥)ゼネコンの担当者に?
 
  (‥ )いや、イラストレーターを
      束ねる彼に。
 
 ∧∧
( ‥)なぜゼネコンの人に
    言わないの?
 
  (‥ )間に彼が挟まって
      いるからさ
 
 ∧∧
( ‥)効率悪いね
 
  (‥ )悪いね。でも問題は
      効率が悪いだけじゃ
      すまなかったことだ。
 
 ヤシかソテツか、あるいは木性シダのどれか聞いてくれ
 
 やっこさんの答えは、そんなに違うんですか? だった。
 
 いや、違うから聞いてるんだよ。
 
 
 ∧∧
( ‥)困った状況だね
 
 (‥ )困った状況さ。
     いつまでたっても同じ
     やりとりしてるし、
     仕事できないんだからな。
 
 待てど暮らせどヤシなのかソテツなのか、はたまたシダなのか? 指定がやってこない。
 
 ヤシ:パーム(Palm)
 ソテツ:キカッド(Cycad)
 シダ:ファーン(fern)
 
 どれだ? と聞いても、さあ、という返事がくるばかり。
 
 ∧∧
( ‥)彼もしょせんは雇われの身
    ゼネコンの人間じゃないから
    打つ手がないのでは?
 
 (‥ )そういう状況自体はありうる
     だが、この場合は違う。
     あの男はヤシやソテツは
     英語でなんて言うんです?
     と聞いてきやがったからね
 
 こちらの要望に応じてゼネコンに問い合わせているのなら、ヤシとソテツの区別も把握するだろう。そもそもそうでないと確認をする意味がない。監修者がUSAの人であるのなら英語のパームとキカッドも当然、頭に入れているはずだ。
 
 だが、調べたとか問題を把握した、とか、そういう痕跡が一切ない。
 
 ∧∧
( ‥)彼、イラストレーターですし
 
  (‥ )そいつの学部は生物系だ
 
 
 ∧∧
( ‥)...
 
  ( ‥)それにさ、仕事だろ?
    –□ 素人でも仕事であれば
       調べるし、覚えるだろ
 
 自動車の営業をすることになったけど、オレ、自動車に興味がないから調べないし、車種の区別もつかなくていい、なんてことはないだろう。
 
 
 ∧∧
( ‥)でっ? どうなりました?
 
  (‥ )さんざん待たせたあげくに
      ゼネコンの担当者の決定
      なのか、奴の無責任な
      言い様なのか知らんけど、
      もう好きにしてくれ、とか
      言い出したからね。
      こっちで勝手に
      問い合わせたよ。
 
 当時はまだファックスだった。翌日、監修者から返信が届いて、答えはパーム(ヤシ)
 
 これが意味することは明白である、ゼネコンの担当者も、間に立ったあの男も、ファックス1つですむような確認作業をしていなかったのだ。
 
 あれ以来、あの男とにわかゼネコン業は信用していない。
 
 ∧∧
( ‥)にわかゼネコン業ね
 
  ( ‥)経費のかかる特異な部門は
    –□ すべて外注して、自身は
       統括するという
       ゼネコン業に特化する。
       これは容易なことじゃ
       ないみたいよな。
 
 ボーイング社が世界中に部品を発注して作ったボーイング787が納期がやたら遅れるわ、納品したらしたでトラブル続きなのも、そういうことなんだろう(*言い換えると、こういう困難なゼネコン業のノウハウさえちゃんと把握して軌道に乗せれば、向かうところ敵なし状態になりうるということかもしれない)。
 
 ∧∧
( ‥)ボーイング社はともかく
    先のにわかゼネコンとやらは
    仕事をしませんでしたか
 
 ( ‥)最低限、責務を果たしている
     ようには見えなかったな、
 
 そしてそれはこちらとあちらの間に立ったあの男についても同様である。彼が皆の上とゼネコンの間に立つ役割をあてがわれたのは、年長というだけではない、出身学部や知識があることを買われたのだろう。
 
 ∧∧
( ‥)問題は
 
  (‥ )熱意とする気とやる気が
      なかったことだろうなあ
 
 
 知らないことがあるのは仕方ないが、調べないのは致命的だ。
 
 
*注:
木性シダはシダ植物で、胞子で増える。
ソテツは裸子植物で種子で増える
ヤシは被子植物で種子で増える

いずれもなんとなく形が似ているので混合されやすいが、比喩的に言えば蒸気機関車とディーゼル車と電車ぐらい違うと言えばよいか。素人はともかく、混同することは許されない。
  
 
 
 
 

2013年1月19日土曜日

分かったを捨てよ

 
 
 ∧∧
(‥ )教え方学
\–
 
  (‥ )分かるや分かりやすいも
      よく分かっていないのに
      教え方学かい?
 
 この時点でアウトだろ。
 
 ∧∧
( ‥)詐欺にひっかかっている人も
    ご本人の中では分かっているし
    納得もしているという事実
 
  ( ‥)分かったなんてなんの
      役にも立ちゃしねえ
 
 分かったを捨てよ。話はそれからだ。
 
 

日常オタクではないか? それもおかしい方

 
 
 科学者の言葉を分かりやすく説明しろ
 
 
 ( ‥)こういう言い様には真面目に
   –□ 答える必要はないんだよな
      「ではそれが分からない
      お前の人生を分かりやすく
      説明しろ。そうでないと
      お前向きの説明など出来る
      わけないだろう?
      800文字以内で説明な」
      と言えばいい     
 
 ∧∧
( ‥)まあ、もう少し穏便に
    最初の要求なり、
    ご要望なりを
    言い換えればですよ
 
 ある集団の中で通用する文章を、まったく別の集団で用いられる文章に翻訳できるか?
 
 という問題を解くことと、たぶん、ほぼ等価。
 
 ∧∧
( ‥)例えばですよ、
    宇宙ステーションで育った
    子供相手にですよ
 
  (‥ )夕立があがり赤い日が
      差し込むと、紫にけむる
      東の雨雲に見事な
      虹がかかった
      以上を翻訳せよ。
 

夕立があがり赤い日が差し込むと、紫にけむる東の雨雲に見事な虹がかかった
 
 
 ∧∧
( ‥)相手にとってこの文章は
    専門用語のオンパレードで
    意味不明でしょうね。
 
  (‥ )そもそも東西南北を
      知っているか?
 
 なんか微妙。
 
 ∧∧
(‥ )ステーションにいれば、
\–   地球の自転や自転軸、
     ステーションの軌道の向き
     見かけの動きなど色々な
     知識は知ってそうですが
 
  (‥ )問題はそれが僕らの言う
      東、朝の方角、太陽が
      登る方向、新しいを連想する
      方角と一致するかという
      ことさね。微妙だよな。
      夕暮れだって微妙だよ。
 
 少なくとも、軌道上から見る時、地球の昼夜境界線が赤く染まるのを見ていれば、通過する大気の距離が伸びると太陽光線が(すごい乱暴な言い方だけど)赤くなる、というのは理解しているだろうけども。
 
 ∧∧
( ‥)そもそも夕方の意味が
    分かりますかね?
    確かに軌道上からなら
    見かけ上、大気層から
    登る太陽、沈む太陽を
    見ることはできそうですが
 
  (‥ )地上にいる僕らとは
      ずいぶん違う視界だよな
      空、という言葉も
      よく理解できないだろうね
 
 地上人にとっては空と宇宙はずいぶん違う意味になることを、宇宙ステーションのその子は理解できるだろうか?
 
 雨雲はもっと意味不明だろう。
 
 ∧∧
(‥ )軌道上から雲を見ているなら
\–   分かることは分かるでしょう
     けどねえ。
 
  (‥ )結露を知っているなら
      雲が核を中心に結露した
      ごく小さな水滴で
      出来ていることや
      十分に成長した水滴は
      落下すること、それを
      僕らが雨と呼ぶこと、
      それはを説明できる
      だろうけども、やっかいよね
      表面積と重量、空気抵抗と
      サイズの問題も説明しないと
 
 ∧∧
( ‥)でっ、水滴による分光と
    虹ですよ
 
  (‥ )説明文がものすごく
      長くなる。確実。
 
 太陽に温められると、地球表面から水が水蒸気になり、さらに水蒸気を含む空気が膨張し、浮力を持つので上昇します。上昇した空気は今度は膨張します。地球の大気は下の方が密度が高く、上の方ほど薄いからです。膨張した大気は温度が下がるので、水蒸気は大気中を漂う微細な鉱物粒子などを核として、いわば結露し、ごく小さな水滴になります。これがある程度大きくなって落下したものが雨です。さて、夕立というのは雨の一種で、夏の午後によく発生する気象現象です。まず夏から説明しましょう。地球の自転軸は公転軸に対して傾いていますが、そのため、地球のある一地点から眺めると、太陽の軌道が見かけ上、季節によって南北へ移動するように・・・
 
 ∧∧
( ‥)...もういいですよ、というか
    あなた、雨の説明と夏の説明
    で心が折れたでしょう
 
  (‥ )雨と夏を説明しないと
      夕立は説明できんけど
      ごめん、折れました。
 
 この説明だってはしょりすぎである。宇宙ステーションの子供は地球の大気と宇宙に境目があることは知っているだろうが、なぜ高度が上がると空気を構成する分子の密度が減少するのか不思議に思うだろう。ついでにいうと南北の説明もきちんとしていない。
 
 太陽の軌道もそうだ。地上人にはまだしも、あからさまな天動説的な説明に、宇宙ステーションの子供はめんくらうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)地上人の何気ない文章、
    夕立と雨雲にかかる虹も
    専門外の人にとっては
    ちんぷんかんぷん
 
  (‥ )翻訳すれば
      多少分かるようになるけど
      今度は読むだけで苦労する
      長い文章になるわけよな
 
 
 しかもこれ、別に宇宙ステーションなんて大げさな設定でなくてもおよそどこでも起こることなんである。
 
 ∧∧
( ‥)先日、光熱をすべてガスから
    電気に変えて、なおかつ
    お父さんがタバコをすわない
    ご家庭では、火を見たことが
    無い子供がいるという話を
    聞きました
 
  (‥ )見たことないから
       火に触ろうとする、
       というのよな
 
 つまり、今や場合によっては、まず火を説明した上で色々なことを説明する必要があるということだ。
 
 これらのことから明らかなように、私たちが使う日常の言葉でさえ、その背景には膨大な予備的知識や経験がひかえている。説明するとは、それを説明しなければいけないことなのだ。それが通常、求められないのは、全員が同じ経験をしているからである。
 
 ∧∧
(‥ )そういう意味では皆さん、
\–   日常オタクなんだとも
     言えますよね
 
  (‥ )しかも自分たちがオタク
      だとは思ってないわけで
      たちが悪いよな。
 
 オタクはコミュニケーションするのがへた、というのはそれは日常オタクも含めたその領域外の人間から見た話でしかないのかもしれない。
 
 反対に、日常オタク(普通の人)はコミュニケーション能力が高いというのも、それは単なる勘違いかもしれない。
 
 *オタクやマニアと呼ばれる人が、平均以上の執着や集中力を持つことも意思疎通を邪魔する原因になるのだろうが、それだけではないだろう、という意味。
 
 *というか異文化コミュニケーションなんてほとんどの連中がへたくそだよな
 
 
 ∧∧
( ‥)日常オタクは日常以外と
    会話しないし、説明しないから
    自分が実はコミュニケーション
    できないことを知らないだけ?
 
  (‥ )かもしれん。
      さらに付け加えると、
      分かりやすく説明しろよー
      と相手に要求する手合いは
      日常オタクうんぬん以前に
      かなりおかしい奴じゃね?
 
 例えばの話、アメリカ人をとっつかまえて、アメリカのことを分かりやすく説明しろよー、とか、山田さんのところをとっつかまえて、お前のことを分かりやすく説明しろよー、とか普通はいわん。
 
 科学者をとっつかまえて、分かりやすく説明しろよー、と要求する人間も、これと同じ。日常オタクであるのはまあいい。しかし、そこから先の動作がなにか非常におかしい。
 
 ∧∧
( ‥)ここで最初に戻る
 
  ( ‥)分かりやすいを要求する
      これは一体なんだろう?
  
 要求する人間はまず自分自身を説明すべきだ。なぜなら、なにかおかしな点があるかもしれない。というか、むしろ明らかにおかしいのではないか? それに、オレでも分かりやすく説明すべきだと述べているのだ、まず、オレ様自身とやらを説明しなければいけない。なるべく簡潔に、要点を踏まえてね。
 
 
 
 
 
 

2013年1月18日金曜日

本当に戦士の物語

 
 
 hilihiliのhilihili: リアルロボの続き
 
 
 ∧∧
( ‥)素材と技術は敵も味方も
    ロボも戦車も同じだ、
    それが問題であり、現実の壁
    でしょうね
 
  ( ‥)これ、以前書いた
      サイボーグ戦士*とも関連
      してくるのだけど
 
 戦車を素手で破壊できるサイボーグ、人類が知る既存の物体や物性ではありえないとしか言えない存在だけども、それに使われる動力と素材で戦車を作れば、サイボーグ戦士ではまったく歯が立たない戦車を作ることが可能。
 
 ∧∧
( ‥)同じことはリアルロボでも
    言えるわけですよ
 
 (‥ )既存の戦車では歯が立たない
     巨大ロボを作れるとしても
     その動力と素材を用いれば
     巨大ロボなんかでは
     歯が立たない戦車を
     作ることができるからね
 
 考えてみればガンダムのザクだってマゼラトップ(劇中で登場する戦車)の砲塔を使用する設定があったよな。
 
 ∧∧
( ‥)当時、小学生のあなたは
    その設定を見て、首を
    かしげましたよと
 
  (‥ )まあ、深く追求しては
      いけないと、なんとなく
      分かっていたけどね。
 
 *戦車のパーツが有効ならロボいらなくね? という禁断の突っ込み
 
 そもそも突っ立っているロボット兵では、高速で匍匐前進、重装甲、大口径の機械軍団たる戦車に勝てる道理がないのだ。素材と動力でロボだけを差別化しても、そんな不平等を戦車側が守る必要は(物語の都合を抜かせば)どこにもない。
 
 ∧∧
(‥ )考えてみれば戦闘サイボーグや
\–   巨大人型メカを物語において
     どう正当化するか? それは
     クリエーターが色々と
     頭を悩ましてきた歴史
     でもあるのでしょうねえ
 
  (‥ )当たれば壊れるが、
      操縦者の超絶的な
      反射神経で当たらない、
      あるいは完全防御できる。
      物性や動力、素材ではなく
      操縦者で差別化、正当化
      しよう、FSSはそういう
      例なんだろうな
 
 ∧∧
( ‥)宇宙戦争みたいに、19世紀の
    大砲でも、当たれば大破する
    火星人の多脚戦車
 
  (‥ )あれの場合、技術の不平等
      でもあるけど、それでも
      火星人は長距離遠征で
      軽い装備しか持ち込めない
      という制限つきなんで、
      奇襲攻撃と、
      大砲の射程外から攻撃する
      毒ガスロケット弾で
      かろうじて勝利を
      納めるという薄氷を踏む
      戦いなんだよね
 
 *実際、宇宙戦争では火星軍が思わぬ損害を被ったり、本星の機器の故障で後続部隊がこれなくなるなど、火星側にとって、これ、やばくね? という局面がある。
 
 *そもそも火星軍多脚戦車はアルミ製だ。大砲なんか当たったらひとたまりもない。というか、作中、コクピットに直撃をくらい、操縦士の火星人もろともふっとんで大破した機体が1両ある。いくら超絶的な技術差があっても出来んものは出来ん、という作者ウエルズの現実感が垣間見えるお話。
 
 
 ∧∧
( ‥)エヴァは人類にはまったく
    対抗できない物性を示す
    使徒を、使徒をコピーする
    ことで戦うという内容で
 
  (‥ )混淆世界ボルドーのように
      巨大メカは国を代表して
      戦う戦士で、機体が持つ
      超絶的な物性は魔法で
      維持しているというのも
      あったね。
 
 *巨大ロボは後で述べるように、戦士としての価値しかないことを考えると。ロボとしてのありようは戦士ゆえに、物性の超絶性については魔法で説明しているこのやり方は、いい正当化なんじゃなかろうか、と感想。
 
 *だいたい、巨大なくせに人間のように自在に走れるロボットなんて既知の素材ではありえないようなしろものなのだから、未知の科学で正当化しようが、魔法で正当化しようが、その怪しさは同じである。
 
 
 ∧∧
( ‥)巨大メカじゃないけども、
    デューン(砂の惑星)で
    戦争がナイフを使った
    白兵戦に戻っているのは
    携帯できるシールドが
    普及しているから
    でしたね
 
  (‥ )こういう場合は攻撃より
      防御が強くなりすぎて、
      飛び道具を使用する条件が
      厳しすぎる世界、という
      設定だよね。エヴァの
      ATフィールドも似たとこ
      あるよな
 
 *デューンのシールドの場合、速い物体ははじくが、遅い物体は受け入れるという性質がある。空気の分子運動を考えた場合、呼吸や換気はどうなるんだ? という問題はともかくとして、必然的に防御は速いが攻撃は遅く、それでも有効なようにフェイントを使った複雑な格闘戦が発達した世界、という設定。
 
 ∧∧
(‥ )ガンダムも、左手に盾、
\–   右手に弾数の少ない
     ライフル、さらに
     接近戦用のサーベル
     という出で立ちでして
 
  (‥ )武装が近代軍とかじゃ
      なくて古代戦士に
      近いのよね。
      戦士だからこそ主人公に
      焦点を当てられるという
      側面もあるんだろうな
 
 しかし、あるいは実際には、というべきか?
 
 盾とそこそこな遠距離攻撃武器、接近戦用の刃物を持つといえば、それは例えば古代ローマ軍である。あるのだが、
 
 ∧∧
( ‥)古代ローマやギリシャの
    兵士は確かに戦士社会の
    名残を残しているけども
    すでに集団戦ですよね?
    厳密には戦士ではないです
 
  (‥ )集団戦じゃ戦士になれん
      のよなあ。
 
 もし古代ローマ軍風だったら、何台かの巨大ロボでそれなりな陣形を組み、隊長の号令のもと戦うような様式になるだろう。しかしそうなったら物語の雰囲気や、主人公の立ち位置や重要さがずいぶん変わってしまうはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)戦車戦に近いというべき
    なんですかね?
 
  (‥ )だったら素直に戦車で
      よくね? という話に
      なるしな。
 
 実際、女の子が戦車に乗って、きちんと模擬戦を行うアニメが人気だそうな。
 
 
 ∧∧
(‥ )そういうことを考えると、
\–   リアルロボというのはもう
     この先の時代では無茶ぶりな
     感じがありますかね
 
 (‥ )無理矢理、戦車戦のような
     ロボット物を作るか、
     すなおに戦車戦の
     物語を作るか
 
 
 ∧∧
( ‥)あるいは
 
  (‥ )ドラゴンクエストのように
      本当に戦士の物語に
      するしかなくね? 
 
 
 
     

2013年1月17日木曜日

認識せず満足している以上、是正できず

 
 
 
 hilihiliのhilihili: 現状では疑似科学の域でしょうねえの続き
 
 
 ∧∧
( ‥)研究者の書いた文章は難しい
    から、僕ちゃんが手直しして
    分かりやすくしてあげよう、
    という動機
 
  (‥ )...あのさ、例えばだよ、
      数学の授業で微分積分が
      分かりにくいから、僕が
      手直しして分かりやすく
      書き直そう、と試みた時
 
 まあ、それが可能だとして、時間、どのぐらいかかる?
 
 ∧∧
( ‥)明日の紙面に使うから
    速くしてよ
 
  (‥ )でっ、破綻が起きるのさ
      当然だよね。
 
 分かりやすく書き直そう、分かりやすく書き直すのが仕事。
 
 それは傲慢不遜、自己を過大評価している以前に、学歴コンプレックスか何かではないのか? それも相当、悪質なやつ。
 
 
 ∧∧
(‥ )理解したい、だから
\–   分かりやすい文章を
     読みたい、切実な
     願いなんですけどね
 
  (‥ )分かりやすい文章を
      読みたい、
      と
      分かりやすい文章に
      する、
      は全然違う動作、要求だし
      とてつもない飛躍が
      あるさね
 
 
 
 おまけに、分かりやすい=正しいだろう(これは明らかに間違い)とか、分かりやすい、と、正確、なんていう、ほぼ相反する要求をごちゃまぜにしているのだから、おかしなことが起きるのは当然。
 
 この世界には、分かりやすい嘘、というものがある。それも大量に。分かりやすいものが良い、とか言っているとあっさり嘘をつかまされるし、自分の能力では嘘が認識できないから、分かりやすくて正しくて良いものだ、そう思い込んだままだ。
 
 分かりやすい、とはきわめて危険。詐欺の常套手段ぐらいに考えた方がいい。
 
 ∧∧
( ‥)だから? おかしな文章に
    書き換えてしまうぐらいなら
    研究者の文章を
    まんま載っけた方が良いと
 
  (‥ )出来もしないことは
      外注しとけってことさ。
 
 ∧∧
(‥ )それでも、手直ししたく
\–   なるのでしょうね。
 
  (‥ )出来もしないことに
      無駄にプライド持つなよ、
      迷惑なだけだろ、
      そう、言われることに
      なるだろうなあ。
 
 
 
 単行本でさえ、著者の文章を分かりやすく書き換えて、内容をちんちくりんにしてしまう編集者や編集部があるのだ、新聞とかはどうにもなるまい。
 
 ∧∧
( ‥)単行本でもしない編集部や
    編集者もいますよね
 
  (‥ )内容は著者と読者に丸投げ
      そういう立場でもあるが、
      出来ないことは出来ない、
      そういう潔い姿勢でもある
      それにだな
 
 そういう編集部は忙しい。
 
 ∧∧
( ‥)誤字、脱字、そういう基本的な
    間違い探しでもはや飽和状態
 
 (‥ )意地悪な言い方をすればだな
     書き直して間違いを増やす
     奴は暇人だってことなのさ
 
 ∧∧
( ‥)暇人だけど? 正しく改めたり
    下調べをしない?
 
 (‥ )下調べをしなくても
     文章を書き換えたり、
     正しく改めた”気に”なる
     ことはできるだろ?
 
 それに、正しさを追求するなら、書き改めた後で、例えば、少々分かりにくい表現がありましたので、こう手直ししてみましたが、いかがでしょうか? ご意見をおうかがいいたしたく、とか書いてメール添付で原稿を相手に送り直し、チェックしてもらわなければいけない。
 
 
 ∧∧
( ‥)つまり、分かる文章にする
    のは簡単だけども、
    分かりやすく正しい文章に
    するにはもう2、3余計に
    作業が必要であると
 
  (‥ )言い換えるとあれさ、
      これが出来ない連中は
      中途半端に暇人かつ
      怠惰だってことよ。
 
 人間、安楽な環境にいると中途半端な仕事で仕事をした気になって実際には手を抜き、余計な時間を無駄なことに費やして、肝心なことには使わない。それでも仕事をしているから自己満足にひたれる。
 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  (‥ )問題は是正できないって
      ことさ。認識しておらず
      満足しているのだからね
 
 
 
 

雪とさそり座

 
 
 ∧∧
(‥ )鳩山さんが、いった先の中国で
\–   尖閣諸島は係争地である、
     という主旨の発言をしたと
     一斉に報道されてますね
 
  (‥ )次に言うのはあれか?
      そういう意味で
      申し上げたわけではない
      かな?
 
 期待を裏切らない人だ(悪い意味で)
 
 *これで、とらすとみー、があれば期待以上
 
 
 ∧∧
( ‥)間接的とはいえ、こういう人を
    トップに選んでいたあなたたち

  (‥ )こういう過ちを経てだな
      人は大人になっていく
      ものさね
 
 日付が変わって5時を回り、もう6時近い時間。ふと、外に出てみると、夜明け直前だが空は黒々としていて、おとめ座と土星が高くあがり、さそり座も上半身が見えていた。
 
 ∧∧ 雪がかちかち夜空とさそり座
( ‥)
 –( ‥)寒くても、春は
      やってくる
 
 
 

現状では疑似科学の域でしょうねえ

 
 hilihiliのhilihili: なに簡単さ、人間やめればいいのだよの続き
 
 
 ∧∧
( ‥)つまるところメディアが
    仕事してないんじゃね?
    ということですか?
 
  (‥ )いや、出来ることの限界が
      現状で、それが端から
      見るとマスゴミと呼ばれる
      レベルになっている。
      それだけの話じゃね?
 
 例えばの話、ユーゴ内戦の時、ずーっとモスレム人、モスレム人とマスコミは言うのである。
 
 ∧∧
( ‥)ムスリム、つまり
    イスラーム教徒の皆さんの
    ことですよね?
 
  ( ‥)無理もない、と言えば
    –□ 無理もないんだ。
 
 本でしか知らないけども、西欧で発明された、国民国家、とか、一民族一国家、という概念は他の世界では奇妙な形で受け入れられたという(そもそも民族や国民、国家という概念が恣意的で、世界の有様を記述できなかった、ということでもある)。
 
 *そもそもユーゴ内戦もそういった外来の”民族という概念”を使った戦争だったとも言える。少なくともそういう側面があった。
 
 ∧∧
( ‥)オスマン家の支配領域だった
    トルコ帝国は多民族多宗教の
    国からいきなり
    トルコ民族の国民国家という
    設定になるし
    トルコ系でないムスリムが
    俺たちもトルコ人だろうと
    (無理もない)勘違いをして
    トルコに流入したとか
    聞きますよね。
    *どっちも紛争の原因になる
 
  (‥ )反対にユーゴでは
      ムスリムが民族として
      設定されたりした
      みたいね。
 
 文献が埋もれていて記憶だけで書いているけども。もしかしたら、そういう理由で日本のメディアもモスレム人、モスレム人と連呼した側面があったのかもしれない。例えば相手国政府の言い様や呼称をそのまま訳していたのならそうなる可能性もある(ただし、これ自体は解釈や推論)。
 
 ∧∧
( ‥)でも2週間ぐらいそのままで
    後からムスリム、とか
    イスラーム教徒と呼ぶように
    なったのでしたっけ?
 
 (‥ )つまりだ、僕は
     文系だから理系のことは
     分かりませんって言う
     ジャーナリストの言い様は
     おそらくは嘘っぱちなんだよ
 
 
 ジャーナリストは文系のことも知らないし、分からないし、調べない。
 
 これがおそらく正しい。
 
 *あるいは調べたか、指摘されて是正するにしても、かなり時間がかかっている、ということ。報道内容が文系の事柄でも、前もって調べていないのは明らかである。
 
 
 ∧∧
(‥ )でも、プロとしての仕事も
\–   しているのですよね
 
個人的に、マスコミってなんだかんだ言って報道のプロなんだな、と思った事例=>hilihiliのhilihili: 知恵をつけてきやがった
 
  (‥ )ああ、あれには正直
      感動したな。
 
 いかに間違いない表現で消費者を煽ることができるか? シーベルトが使えないのならミリシーベルト、マイクロシーベルトを、それも使えないとベクレル、ついには自然状態の何億倍(そりゃ短寿命核種を比べればそうでしょうよ)、と表現を変えていく。
 
 *ちなみにリンク先における、ベクレルが原子の数、という表現は、崩壊する、などの厳密な表現を省いています。
 
 ∧∧
(‥ )でも、こういうやり方こそ
\–   マスコミならぬ、
     マスゴミの真骨頂と怒る
     人もいるのですよ
 
  (‥ )だからこれが限界だし
      これが報道だってことさ
 
 理系のことばかりか文系のことも分からない、知らない、調べない。それでも報道という作業、それ自体はプロだ。それがマスコミやジャーナリズムであり、あるいは科学ジャーナリズムとかいうものの正体ではないのか?
 
 ∧∧
( ‥)そういう動作がマスゴミだと
    揶揄され、軽蔑されるの
    ですよ
 
  (‥ )いやだからさ、
      かくあるべしで考えては
      いかんのよ。
      それじゃ疑似科学だよ。
 
 現実を説明できる理論がある。その理論に基づいて予想するに現状が限界、と見なされた時、それが限界となる。
 
:報道は時間が限られている
:限られた時間内に責任が生じない記事を書く必要がある
:例えば”安全ですとは言えない”、実際に危険だった時に責任を問われるからである
:問題だ問題だと言えば良い(例:病院が患者をたらいまわし、と報道する)
:間違いのない範囲で煽れば売れる
:ただし少数の人間が気づく間違いは、大多数の消費者には認識されない
:少数の人間が気づく間違いは、間違いの範囲には含まれない
:科学的には嘘、大げさ、まぎらわしい、はマスコミにとって商業的に許容できる範囲内(類似例:病院が患者を以下略)
 
 ゆえにマスコミに科学的な報道は不可能。
 
 もちろん、以上はあくまで仮説的な限界、大げさに言えば理論的な限界だが、事実、現状を突破出来ていない。
 
 つまり理論的に不可能なことは、実際にも不可能だということだ。
 
 これを突破するには、突破したい、などという、念じればスプーンも曲がるというオカルト的な発想では無理だ。
 
 例えば、マスコミの動態を説明できる、”より精密で説明能力の高い理論”を発見した時、しかもその理論が突破を許しているのなら、理論上、条件を満たせば突破が可能になる(*注:突破を許す理論があれば良い、ではない)。
 
 ∧∧
( ‥)そして実際に突破できれば
    その理論は、例えばあなたの
    理論に取って代わり、以後、
    突破した報道が可能になる
    はずだと
 
  (‥ )だが実際はどうだね?
      できたか?
      やれるか?
      やったか?
 
 科学ジャーナリズムをいかに成立させるのか? という議論は、この意味においては現状、まったくのトンデモ。唾棄すべきオカルトでしかない。
 
 やれるものならやってみろ。出来ないのならそんなもの机上の空論以下だ。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)では、正しい科学報道は
     やはり原理的に無理だと?
 
  (‥ )いや、できるよ。
      ものすごく簡単。
 
 研究者が書いた原稿をそのまま載せる。
 
 ∧∧
(‥ )...それだと分かりにくいので
\–   書き換えるでしょうね
 
  (‥ )いや、だからさ、それを
      やって、本人はうまく
      やれたと思っても、
      実際には間違いだらけに
      なっちゃうから馬鹿に
      されてるわけじゃんよ
 
 かくて話は振り出しに戻る。
 
 分かった、分かりやすい、は、”正しい”とイコールではない。分かったとは、ただの自己申告であり、それ以上の意味はない。そもそも、そんな申告で良ければテストなんてこの世界にないのである。

 分かったから良い、分かったから正しい、そう思っている時点で駄目なのだ。分かりやすい、という言葉も同様である。単なるたわ言だ。
 

 
 
 ∧∧
( ‥)そういえば、大手新聞よりも
    スポーツ紙の方が科学記事は
    正確だって揶揄が
    ありましたね
 
  (‥ )彼曰く、大手は無駄に
      プライドが高くて
      間違った解釈を書くが
      スポーツ紙はそのまま
      載せる、ってな。
 
 もちろん、これはあくまでも揶揄。統計的なデータがあるわけではない。
 
 
 続く=>hilihiliのhilihili: 認識せず満足している以上、是正できず
 

2013年1月16日水曜日

なに簡単さ、人間やめればいいのだよ

 
 
 
  (‥ )科学報道ー?
 
 ∧∧
(‥ )科学報道をどうするか?
\–   そういう議論がある、
     あるいは、あった、
     みたいですね
 
 なぜいまさら?
 
 ∧∧
( ‥)去年の後半、ノーベル賞関連で
    大誤報があったからじゃ
    ないですかね
 
  (‥ )いや、その、なんだ、
      その誤報とやらが
      意味するのは
      報道機関は科学を正しく
      報道することが原理的に
      不可能です、だろ?
 
 不可能なものをどうするか? とは議論の目的がかなり不明。というかトンチンカン。
 
 今まで出来なかったことがいきなり出来るわけがない。
 
 オレ、心を入れ替えて働くから、とか言う奴は信用できないし、それすら言わない奴は信用以前の問題だ。
 
 そもそもこういう時に必要なのは、こうすれば良い、でもないし、私はこうしているでもない。
 
 なぜ出来ないのか? 現実を記述できる理論やら仮説やら解釈が必要だ。
 
 出来ないです、だがやれ、というのは無意味。
 
 落下する物体の運動も記述できないくせに、ロケットを月まで飛ばそうというくらい無茶無謀。
 
 
 
 ∧∧
( ‥)フリーが年収を上げるには
    分かりやすい嘘を書けばいい
    企業に所属する物書きが
    利益を上げるには
    働かなければいい
  
  (‥ )科学ジャーナリズムは
      ゆえに成立しない
      あくまで私見だけど
      現実はそうだろ?
 
 現実を記述できる=正しいではないけども、トンデモ本が売れ、疑似科学医療の広告を新聞が載っける時点で、まあ、そういう世界ではないのか?
 
 ∧∧
(‥ )正しい記事を書くために
\–   私はこうしました、
     そういう意見もありますが
 
  (‥ )こうしました、なんて
      どうでもいいんだよ。
      こうするには以下の条件が
      必要です、その条件は
      他のみなさんにも
      あてはまるでしょうか?
      あてはまるなら
      うまくいきますよ
      これ大事ね。
 
 ∧∧
( ‥)あてはまりませんと?
 
  (‥ )皆はできませんが、
      私はできています、
      その時点で条件が
      成立していないって
      ことだろ?
      つまり意味ねえべや
 
 個別であるということは普遍ではないということだ。その時点で意味がない。
 
 あるいはこう言えば良い。
 
 あなたのおっしゃる解決方法は通貨に例えるなら普遍性を持っておりません。せいぜい商店街限定のクーポン券レベルです。
 
 ああ、以前も少し話題にしたけども、科学ジャーナリズムを論じた本であった。例えばジャーナリズムなのだからスタンダードに異論を述べることで問題提起することも必要ではないか? 例えばダーウィニズムは本当に妥当だと言えるのか? 獲得形質は本当にないのか。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、事実上存在しない、
    あるいは興味深い事例は
    あるけども、それとて、
    過去、言われていた
    ようなものではない、で
    終わりですけども
    そういう知識は
    調べてないのですかね?
 
  (‥ )調べてないのは明白。
      思うのだけどさ
      ジャーナリズムである
      ことを言い訳にして
      楽な方へ逃げてるよな
 
 調べないでお馬鹿な異議申し立てをしても良い、だってジャーナリストだもん、という逃げ。
 
 あるいは曰く
 
 僕/私、文系ですから
 
 ああっ?? じゃあ、あれかい、理系なら経済学や歴史学に対して調べもしないでてきとーに書いていいってか?
 
 ∧∧
( ‥)言い訳だと
 
  (‥ )言い訳じゃないなら
      逃げだろうよ。
      他にどう解釈しろと?
 
 
 手間ひまをかけずに記事を書けば、利益は上昇する。
 
 一定の給料が支払われている場合、利益を上げるにはコストを下げるしかない。上がらない給料を”上げる”には損失を減らせば良いし、それ以外に方法がない。

 もういかなる出世もできない派遣社員がサボることで利益の最大化をはかるように。大企業の人間とてしょせんは人間。やることは同じである。
 
 では問題、以上を踏まえた時、理解にコストがかかる科学の話を、マスメディアが正しく伝えることができるでしょうか?
 
 答え:できるわけがない
 
 *注:より正確にいうと、能力的には不可能ではないが、する理由がない。むしろ、しない理由の方があるのでしない。しない方が自然、ということ。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、生物としては
    当然の選択肢ですね
 
  (‥ )ゆえに不可能。
      それだけさ
 
 無理なものは無理なのだ。出来ないものは出来ない。事実、出来ていない。それだけである。
 
 ∧∧
( ‥)それでもなお、
    やりたいのであれば
 
  (‥ )以上の条件をすべて
      破壊すればいい
 
 増収のために嘘を書く、あるいは手抜きをする。それは人として生物としての戦略に他ならぬ。
 
 ∧∧
( ‥)その限界を突破せよとは
    つまるところ
 
  (‥ )人間やめればいい
      簡単な話だよ。
 
 人のままでは人の限界は抜けられない。それだけのことなのだ。
 
 
 続く=>hilihiliのhilihili: 現状では疑似科学の域でしょうねえ
 
 
 

リアルロボ

 
 
 
 ∧∧
( ‥)不真面目な話?
 
   ( ‥)すごーく不真面目な話
       するとだな
 
 戦争する巨大ロボットアニメ、いわゆるリアルロボ路線って将来的にはほぼ消滅に向かうのじゃなかろうか
 
 ∧∧
( ‥)というか、もうほとんど
    消えたんじゃないですかね?
 
   (‥ )というかだね
 
 近隣諸国と軍事的なつばぜり合いをしている、実際に軍事衝突がある、軍隊に犠牲者が出る。
 
 
  (‥ )そういう時代に巨大ロボ
      なんていうリアリティーの
      欠片も無いようなものが
      たとえフィクションでも
      見てられるか? という
      疑問なのよな
 
 ∧∧
( ‥)まあ、巨大ロボなんて、
    工学や軍事の視点に立てば
    ただの欠陥品ですからね
 
 例えば、戦場で突っ立っているところを戦車に狙われたら一撃おだぶつ
 
 ∧∧
( ‥)戦車って匍匐前進しながら
    高速移動できて、超射程の
    砲撃が出来るロボット兵
    みたいなものですから。
    しかも超重装甲
 
  (‥ )二本足の巨大ロボなんて
      現在の戦場に紛れ込んだ
      中世の騎士とか
      ナポレオンの兵士とか
      みたいなもんで、
      あっさりぶち殺されるよな
 
 例えば、ロボットなんて関節多いから、歩くだけですぐ壊れるんじゃね、という突っ込み
 
 ∧∧
( ‥)軸を中心に回転するという
    かなり単純な動作をする
    戦車でも、あれだけ重くて
    あれだけ過酷な運用すれば
    整備が必要ですし
 
  (‥ )巨大ロボなんてなあ
      動かすだけですぐ
      ぶっ壊れそう
      特にかかと、ひざ、
      腰がね。
 
 ∧∧
( ‥)おじいさんやがな
 
  (‥ )生物もそうだけど、
      でかいって、色々
      負荷がかかるんでな
      特に重量がかかる
      場所にはね。
 
 
 紛争で自国民に犠牲者が出る時代になれば、補給とか整備とか、素材とか物性とかがどうしても話題になりうるだろう。しかも自国民に犠牲者が出るのである。そんな状況におかれた国家において、戦場を巨大ロボが駆け抜ける、しかも”リアルロボットもの”というふれこみで。そんな物語をのほほんと見ていられるのか? という問題。
 
 ∧∧
( ‥)人造の巨人が悪魔や
    得体の知れない敵と
    戦う、なら神話的で
    受け入れられるのでは?
 
  (‥ )それだとエヴァとか
      だし、どっちにしろ、
      リアルロボって
      ジャンルは終わりそう
      だけどね。
 
 そもそも戦場のリアルロボって、無人偵察機や攻撃機、兵士の弾避けにもなれる自動化された車両とかだよね。
 
 
 

2013年1月15日火曜日

本には色々あるんですよ

 
 
 hilihiliのhilihili: まあ、確かに経済の話ですのでねの続き
 
 
  ( ‥)ああ、そういえば
      原発反対派の人を揶揄した
      人がいたよな
 ∧∧
( ‥)なんて
 
 カモがネギしょってきた
 
 ∧∧
( ‥)...激怒するでしょう
 
  (‥ )べつに、おいちゃんが
      言ったわけじゃないし、
      おいちゃんがやっている
      わけでもないんだがね
 
 実際には原発反対といっても色々な立場がある。
 
 単に不安な人、あまり関心はないがなんとなく無くなればいいかな、と思っている人、もちろん絶対嫌な人もいる。その中でも、いやならどうすればいいのだろう? 太陽光はどうもだめだ、と感づく人もいれば、風力や太陽光発電でまかなえると信じている人もいる。火力発電有害論や地球温暖化、石油の枯渇は原子力推進派の陰謀だと思っている人もいる。
 
 ∧∧
( ‥)だからもっと適切に言うと
 
  (‥ )非現実的な反対論者で
      非現実的な本を買って
      しまう人は、ある種の
      物書きや人間にとって
      良いお客さまである。
      こう言えばいいか?
 
 しかし人によってはこう言うだろう。
 
 原子力が絶対に安全だということはない(正しい)
 
 事実として汚染が起こった(正しい)
 
 
 ∧∧
( ‥)このような現実を見据える
    私たちを、非現実的と
    言い切るとは何事か?
 
  (‥ )じゃあ、こう言えば
      より正確か?
 
 地球と元素、原子核の振る舞いを記述できない理論を採用する人は、ある種の物書きや人間にとって非常に有望な消費者となりうるし、それで終わるだろう。
 
 ∧∧
( ‥)単純に言うと、トンデモ本と
    消費者であると。
 
  (‥ )地球の振る舞いを記述
      できない
      つまり、正しくない理論。
      それを振りかざすのを
      トンデモというのなら、
      それを消費するお客がいて
      そのニーズに答える作家が
      いる、簡単な話だよ。
 
 本というものは、そういうものだ。
 
 よもやと思うが、本を読めば事実を適切に把握できるなどと思っちゃいないだろうね。
 
 ∧∧
( ‥)あなたはそれを責める?
 
  (‥ )経済的には責めないね
      消費者も作家もね
      買う人も作る人もね
      どちらも責めないよ
 
 納豆を大量に食べるとやせる。それを信じた人間が買う、どうかなる
 ホメオパシーなるものが有望だ、それを信じた人間が実行する、どうかなる
 
 ∧∧
( ‥)あなたはそれを責めない?
 
  (‥ )経済的には責めないよ、
      言った、信じた、
      どうかなった
      事実はそれだけだ
 
 自動車は高速かつ大規模な陸運を可能にする。道路網をはりめぐらしてそれを実現する、時々、死亡事故が起こる
 
 ∧∧
( ‥)...同列には扱えないでしょう
 
  (‥ )確かにね、陸運は大きな
      利益を生むから、犠牲が
      黙認されているとも言える
      だがそれだけじゃない
      自動車は事実として高速、
      かつ大規模な陸運を
      可能にする仕組みを持って
      いるし、事実としてそれは
      検証されているのだ。
 
 納豆ダイエットとホメオパシーはそうではない。
 
 どっちも大きな利益を誰かさんにもたらすから、犠牲が黙認されている、そこまでは同じだが、そもそも理論として検証されていないのが問題になる。
 
 *誰かさんが誰なのかも問題なんだが、それはここでは省略する。
 
 
 ∧∧
( ‥)検証されていない理論を
    さも効果があるように売る
    つまり嘘じゃんよ
 
  ( ‥)本人が信じていれば
    –□ それは嘘ではない。
       買う方も売る方も
       言う方も信じる方もね
       それが本ってものさ。
 
 嘘ではない。
 
 嘘かそうでないかでは、理論の妥当性は区別できない。
 
 理論として検証されているかどうか、そこが大きな相違点で、かつ重要。
 
 地球と元素と原子核を適切に記述できる理論を採用してもなお、反原発という立場を取ること、それ自体は可能だ。
 
  (‥ )石油掘削技術に金を
      振り向ければいい。
      大深度掘削に特化した
      採算の取れる仕組みを
      開発すればいい
      技術開発に大規模な
      予算を投入すればいい
      枯渇した油井を再開発
      する技術を発達させ、
      石油などの炭化水素
      資源がすべてつきる前に
      核融合技術を確立する
      予算と人員と計画を
      全力投入すればいい。     
 
 ∧∧
( ‥)むちゃくちゃ金がかかるし
    容易なことでもないし、
    コスト高になれば
    そのままでは、それを
    しない国に競争で
    負けるかもですけど、
    まあ、可能と言えば
    可能でしょうね。
 
 温暖化が恐ろしいのなら、二酸化炭素を排除する方法と技術に金と予算と人間と組織を振り向ければ良い話。それだけのことだ。実際、可能ではある。まだまだ遠い射程ではあるが。
 
 それらをしたか?
 
 だが、そうではない。
 
 ∧∧
( ‥)つまり、
 
   ( ‥)指摘するとしたら
     –□ 最終的にここよな
 
 地球を記述できない本をいくら買っても読んでも、現実には辿り着けないよ。
 
 ∧∧
( ‥)そして話は最初に戻る
 
  (‥ )現実に辿り着けないとな
      本を書いた、読んだ、
      どうかなった、
      金のやり取りだけで
      終わっちゃうのだよ
 
 本というものには、そういうものが混じっているのだ。本を読めば読むほど体に良いなどということはない。それは買った人間が取るべき責任でもある。
 
 
 一部、次に続く=>hilihiliのhilihili: なに簡単さ、人間やめればいいのだよ
 

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