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2015年2月21日土曜日

考えてみれば商談に言語は必要ないよね

 
 150年前、西欧列強の躍進に直面した時、西方イスラム世界の大国、オスマン・トルコ帝国と、東方アジアの島国である日本はそれぞれ同じような対応を余儀なくされた。
 
 ∧∧
(‥ )でも明治維新後
\‐   列強のひとつに
    まがいなりにも躍り出た
    日本に対し
    オスマン帝国は
    衰微を止められず
    ついにWW1以後崩壊してしまう
 
  (‥ )それに関して
      昔、こんな論評を
      読んだことがある
 
 オスマン帝国は異民族、異教徒が混交する大国であった。帝国の官僚や外交官は複数の言語を自在に使いこなし、西欧世界の言語にも堪能であった。
 
 しかるに日本の官僚はそこまで言語に堪能ではなかった。
 
 ただ、日本の官僚には農学や工業などに関して知識を持つものがいた。オスマン帝国の官僚は、そうではなかった。
 
 ∧∧
( ‥)うろ覚えだけど
    こんな話であったと
 
  ( ‥)うろ覚えだが
    ‐□ 納得させられる
      話ではあるな
 
 言葉は通訳がいれば良い。だが技術はそうはいかない。
 
 例えばの話、技術書を読むために英語を使う、ということはありえても、英語が堪能だから技術書が理解できるわけではない。
 
 それは世の中の理系の翻訳本で、時々、トンデモ馬鹿翻訳があることを見れば分かること。いくら英語が堪能でも単純な専門用語からして誤訳しているようでは話にならぬ。そもそも母国語ですら理解出来ていない概念や知識を英語で理解できるわけがない。
 
 ∧∧
(‥ )でも残念だけど
\‐  日本って技術立国では
    ないんだよね
 
  (‥ )今日は電車で
      英会話教室の広告を見たよ
 
 考えてみれば技術者になろう、という広告は無い。いや、無いわけではないが、少ないのだ。少なくとも技術者の育成が望まれているとか、技術者になれば箔がつくとか、収入が上がるとか、そう思われているわけでないことは明らかである。
 
 ∧∧
( ‥)単純に工業化社会の技術は
    あまりにも専門化
    高度化していて
    それを身につけるよりは
    英語をしゃべるほうが
    簡単だということかも
 
  ( ‥)まあ、ものすごく単純な
    ‐□ 英語でも
      通じることは通じるからな
 
 とはいえ、社内用語を英語にするとか、そういうことをする人々がいることからすれば、結果的に技術が軽んじられてることはあきらかだろう。
 
 そしてまた英語さえしゃべれればどうにかなる、そう思っている人々が多いこともまた事実だろう。
 
 ∧∧
(‥ )日本は技術立国などではない
\‐  むしろしゃべりで
    商談をまとめようと
    考えている
 
  (‥ )だけどよ
      売る物が無ければ
      商談なんか
      まとまらんのだがな
 
 考えてみれば沈黙交易という言葉があるように、商談には言葉すら必要ない。だとすれば、言語と技術と、どっちが重要であるか、それは明らかだ。
 
 そして英語にせよ他の言語にせよ、無駄に語学を重視した行く先がどうなるのか、それもまた明らかだろう。
 
 ∧∧
(‥ )売るものなくなるよね
\‐
 
  (‥ )商談も無理になる
      そういうことだ
 
 
 *沈黙交易:例えばある場所に品を持っていって置いておく。翌日、自分が用意した品の近くに別の品物が置いてある。それでよければ相手が置いた品を持って帰る。足りないと思ったらそのままにする。そのままにした場合、翌日、品が増えているか、あるいは品物が変えられている。それに満足したら持って帰る。自分が相手の品を持って帰ったら、相手も交易が成立したと判断して、こちらが置いていった品を持って帰る。会話することもないし、お互いに顔を見せることもない。

 
 

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