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2014年1月23日木曜日

火星の農夫

 
 火星にいく人を募集
 
 ∧∧
(‥ )いったまま帰還出来ず
\‐  それを了承できる方
 
  (‥ )そもそもいけないと
      思うし
      いってもすぐに全滅
      しそうだし
 
 というか、火星へいくなら南極に自給自足できる居住区を造り、定住し、最終的には独立を宣言しよう、とか言う方がまだ現実感がある。
 
 ∧∧
( ‥)火星にくらべれば
    南極って天国ですからね
 
  (‥ )寒さは同じぐらいか
      あるいは火星より
      暖かいし、
      大気は一気圧
      水も山ほどあるし
      重力も1Gだし
      厚い大気などで
      放射線や紫外線も遮断
      あるいは軽減されてる
 
 南極に入植できるようになってから、火星へいこう、と言うべきなんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )火星定住はテレビ中継して
\‐  金を集めようとか
    そんな話が聞こえて
    きますけども
 
  (‥ )そこんところは
      南極じゃだめなのかな
      南極だとインパクトが
      ないからなあ

 もし、火星が地球並みに大きな惑星だったら。
 
 ∧∧
( ‥)もっと水を持っていた
    でしょうね
 
  (‥ )液体の水があれば
      惑星は死なないですむ
 
 地球の火山は異様に偏った分布を示す。例えば日本は火山列島だが、すぐ近くの朝鮮半島や中国大陸には例外的なものを抜かすと火山がない。
 
 地球の火山は実は水の作用で出来る。地殻の下のマントルは地震波で見れば分かるように固体だ。地球の内部はまだ分かっていないことだらけなのです! とかほざく馬鹿もいるけども、マントルが固体であるかないか、その成分は何か、岩石の組成が何かとか、そういうことが分かっていないわけじゃない。そして固体である以上、地球内部の温度ではマントルが溶けないことは明白だ。火山とマグマの生成を理解するとは、本来は固体であるマントルを融解させる仕組みを考えることでもある。
 
 ∧∧
( ‥)マントルを溶かす一つの方法は
    水を加えて融点を下げること
    である
 
  ( ‥)地球はそれが出来るけど
    ‐□ 液体の水が
      事実上存在しない
      火星はそれが出来ない
      わけだよな
 
 日本が火山列島なのは、水分を含んだ海洋プレートが沈み込む場所だからだ(圧力や温度の上昇による鉱物からの脱水などについては教科書を参考にせよ)。
 
 そして火山があれば二酸化炭素が放出される。
 
 ∧∧
( ‥)二酸化炭素が放出されれば
    温室効果が維持される
    惑星は暖まり、
    水は液体として存在できる
 
  (‥ )火星がもしも地球並みの
      大きさだったら、
      充分な温室効果が
      歴史を通じて
      維持されるような
      惑星だったかもしれない
 
 そうであれば、その火星には海があって、プレートテクトニクスが働いていて、火山列島があって、大陸が移動して、そして生物がいたんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )地球から見る火星は
\‐  たぶん、青く見えるの
    でしょうね
 
  (‥ )火星、ネルガル、マーズ
      古今東西あの惑星の名前は
      火の星、
      あるいは戦闘神の惑星
      だったわけだけど、
      そういう名前では
      呼ばれなかったんだろうな
 
 それこそ水星と呼ばれたり、あるいは女神の名前をつけられたのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)そういう火星がある
    世界だったら、
    人類はもっと熱心に
    火星探査を行っている
    でしょうね
 
  (‥ )もう有人宇宙船が
      到着しているのかもな
      あるいはそれこそ、
      政治的亡命者や
      新天地を求める宗教団体が
      火星に入植しようと
      計画して
      物議をかもしているかも
      しれないなあ
 
 問題はそっから先である。火星の森、火星の海、火星の植物、そして動物。いずれも地球起源の存在ではない。
 
 ∧∧
(‥ )たぶん、同じアミノ酸も
\‐  使っているだろうけども
    異なるアミノ酸や
    人間にとっては有毒な
    化合物を体の基本に
    組み込んでいる可能性
 
  (‥ )食べても消化し切れない
      あるいは有害
      あるいは有毒物質が
      体に蓄積する
 
 森を焼き払って畑を作っても、水にも雨にも風にもそういう化合物が含まれている。栽培する穀物は土壌で火星の微生物と接触するのだから、色々な異常が出てくるかもしれない。あるいは有毒物質を蓄積するということもありうる。
 
 ∧∧
( ‥)もう、土に触れる栽培は
    やめて水耕栽培にするか
    タンクの中で地球の藻を
    育てたり、酵母を培養して
    食料を生産する方が良いのでは
 
  ( ‥)栽培に必要なリン酸とか
    ‐□ 水でさえ可能な限り
      施設内で循環して
      回収、利用できるように
      してね
 
 そうはいっても限度はあるし、野外の生産物を処理して利用する局面もあるだろう。あるいは可能な限り周囲の森を切り開いて、畑を隔離し、最小限の汚染にとどめることでなんとか生活はできる。そういう暮らしの知恵が成立するのかもしれない。
 
 そもそも地球の工業社会から隔離された火星で生活する以上、部品の交換とメンテナンスが必要な、高価な機械に頼った生活は破綻するのが眼に見えている。
 
 ∧∧
( ‥)でも、どうしても微量に
    混入してくる火星化合物で
    体がじょじょに蝕まれたり
    するんですよ
 
  (‥ )なんか、風の谷のナウシカ
      みたいな話だよな
      そういう汚染に
      ある程度なら
      対応できるよう
      体そのものを改造したり
      したらまんまだよね。
 
 青と緑の火星に農夫が入植しても、その生活は非常に過酷なんだろう。
 
 
 そして現実の火星は現在はおとめ座にあり、明け方の空、南に見えている。
 
 ∧∧
( ‥)だんだんスピカに
    近づいてきましたよね
 
  (‥ )そして明るくなって
      きたのだ
 
 今はスピカよりも、さそり座のアンタレスよりも明るい。
 
      
 これはhilihiliのhilihili: 果てしない時間による変貌の続き
 

 

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