自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年1月16日木曜日
利便さゆえに簡略化された次元は牢獄になりうる
∧∧
( ‥)ネットで困ること
と言いますと
( ‥)そうねえ
‐□ 自分で広がりを
作らなければ
いけないところかな?
検索すれば良いじゃない。
∧∧
( ‥)検索のキーワードは
どこから出るの?
(‥ )これが自分の”知ってる”
からしか出てこないの
だよね
知っているから出たキーワードで検索されたものは、自分が知っていることであったりする。
∧∧
( ‥)自分が持つ、
知っているという
牢獄から外へ出る事が
出来ない
( ‥)不可能ではないが
‐□ 出るには
一工夫必要なんだ
だがその工夫、例えばこのキーワードとこのキーワードの組み合わせで検索してみよう、というその発想、それ自体がやはり自分の”知っている”から出てきたものだったりするから、やっぱり最初の牢獄から出ようとしても出れない、という問題。
∧∧
(‥ )図書館とか本屋さんでも
\‐ これは生じますよね、
自分の好きなジャンルや
興味のある棚にしか
いかないという
(‥ )だけどもネットよりも
楽なんだよね
棚の裏に回れば
良いだけだからな
頭の中に思い描いてみれば分かりやすい。図書館のすべての蔵書とその内部の単語を全部検索できたとする。
∧∧
( ‥)検索された情報を全部
線でつないでみると
考える
(‥ )図書館を縦横に走る
バーチャルな線を
考えてみるのだ
途端、検索というものの便利さと共に、その広がりのなさを認識してしまう。
∧∧
( ‥)次元が低い、とも
言えますかね?
(‥ )まあ、そんな感じだな
次元が低い、とは日常会話では愚かな、とか劣っているという意味で使われるが、ここではそういう意味ではない。縦、横、高さ、あるいは一次関数、二次関数、三次関数、というように要素の広がり、空間の広がりのことを示す。
∧∧
(‥ )図書館という厚みのある
\‐ 空間が線という一次元に
なってしまう
(‥ )厳密には分岐したり
交わっているから
一次元よりは広いわけだ
でも二次元でもないよね
1.5次元とか1.2次元かな?
もちろん、次元が低い、というか、単純である、だから便利なのだ、ということでもある。
∧∧
( ‥)地図は三次元世界を
二次元に押しつぶして
簡略化して
その代わりに
便利に使えるように
したものです
(‥ )ネットの次元、
検索の次元が
現実より低い
これは問題でも
なんでもない。
そうしたがゆえの
便利さだろうね
実際、検索機能が無かった場合の資料の探索を考えてみれば分かるだろう。
∧∧
( ‥)でも、その代わり我々は
検索機能に特化し
簡略化された次元の世界に
閉じ込められてしまったと
( ‥)地図は便利なんだが
‐□ その二次元の世界に
封印された
高さの無いこの世界で
上に向かう出口を
探すような状況に
追い込まれるって
感じかな?
図書館を走る検索の線、その世界に閉じ込められた。
∧∧
(‥ )より煩雑な高次元の世界で
\‐ あれば、すぐ隣にある世界、
すぐ隣にある情報に
たどり着けなくなる
(‥ )世の中の人がネットで
掲示板やまとめサイト、
炎上案件
あるいは雑学のコンテンツに
飛びつき群がるのは
気持ち分かるな
簡略化されたがゆえに
手に出来た利便さと
引き換えに失った事柄
新しい出口、
新しい刺激、
知らなかったこと、
牢獄からの脱出経路に
飢えているんだろう
では?
本を読んでこれらネットの振る舞いを馬鹿にしている賢しい知識人は次元が高い人種なのか?
∧∧
( ‥)どうよ?
( ‥)あいつらは
‐□ 自分で作った
牢獄の中にいて
自分の牢獄が最高だ
と言い立てている
連中だろ?
論ずるようなものでは
ないよね
分かったしかないから、どんな事態にも分かったような意見しか述べられないし、それゆえに一向に実行されることはなく、文句と言葉と言い訳だけである。連中は分かっただけの囚人だ。
我は高次元の住人なりと世の中を見下しながら、実際には自分で作った、簡略化された狭い狭い”理解という名の牢獄”に引きこもっておる。
∧∧
(‥ )他人様のことは放っておいて
\‐ 我々はどうすべきですかね?
(‥ )さてねえ、調べものを
している時
散歩している時、
そういう時が一番
ぞくぞくするから
やっぱあれだね、
知らないものを探しに
いくのが一番だね
以下はこの話=>hilihiliのhilihili: 解探索にはリレースイッチで充分でしょうの続きでもあるのだけども
リレースイッチとコンピューターについて調べようと、図書館から「コンピューター開発史」を借りて読んでいたら、こんな話を見つけた。
リレースイッチ、すなわち、電磁石でオンオフを行う装置を用いた初期のコンピューター、ハーバードマーク1(Harvard mark1) これのプログラミングを担当していたグレース・ホッパーさん(Grace Brewster Murray Hopper)。
1945年、彼女がハーバードマーク2(Harvard mark 2)を使用中、このコンピューターが動かなくなった。調べたらリレーに蛾が挟まっていたという。
∧∧
( ‥)これがプログラムの間違いを
指す、バグ:bugという名称の
由来であると
( ‥)このコンピューターは
‐□ 海軍で使われたせいか
きちんとメモと蛾が
残されているのな
=>https://www.google.co.jp/search?q=harvard+mark+2+bug+moth&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=rc7WUtftO8nlkgWlg4HIDw&ved=0CAcQ_AUoAQ&biw=1233&bih=…
∧∧
(‥ )調べると、
\‐ この話や逸話、画像
それ自体はwikiにも載って
いることだけども
(‥ )プログラマーや
バグに興味を抱いて
調べた人にとっては
既出だろうね
だが、知らない人や興味の無い人にとっては簡略化された次元の隣にある見知らぬ情報だろう。
∧∧
( ‥)ドワンゴ会長さんの
何気ない言葉から
ここにきましたか
(‥ )まあ、何事も
つらつら調べて
みるもんさ
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