自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年1月15日水曜日
民主制も愛国心もついたり消えたりする
外へ出てみると昼間とは打って変わって曇天。月がどこにあるのかさえも分からない深い雲。
∧∧ その割には寒いですね
( ‥)
‐( ‥)曇りの夜は放射冷却が
弱いはずなんだけどな
まるで雪でも降りそうだけども、実際にはそんなこともなく、雲は高く、遠く仰ぐ丹沢の山なみはてっぺんまではっきりと見えた。
雪が上にあるのなら
∧∧ 山までかかるからね
(‥ )
‐( ‥)雪が降りそうになると
街の灯で空はもっと
明るく、近く見える
ようになるからね
さて
非民主的な未開で野蛮な社会。
この手の発言は、民主主義は人類が築いた社会の頂点であり、その進化の最終形である、という発想がおそらく背景にある。
∧∧
( ‥)進化って…それ、
進化じゃないじゃん
(‥ )世間一般的には
これが進化なのだ
鉱物からキノコが、キノコから植物が、植物に運動と神経が芽生え、昆虫が、魚が、獣が、そして魂を持つ人間が産まれた
こういう”進化観”は根強い。
∧∧
( ‥)それ進化じゃねーよな
(‥ )だが、これが一般的な
進化観なのだ。
だから、苦もなく騙されたのだろう? 資本主義は自動的に社会主義になりそして共産主義へと進化する。こんなたわいもない嘘っぱちを真に受けたのはなんのこっちゃない。人間がこういう”進化観”を脳内に持っているからだ。
∧∧
(‥ )なんでなんでしょうね?
\‐ そもそもダーウィンさんが
進化理論を形作る前から
あった発展の概念なわけで
”進化観”は進化理論と
全然別ものであることは
確実なんですけど
(‥ )分からん。ただ、
歴史を個人の成長に
見立てているのかも
しれない
あるいはこの”進化観=発展観”、実際にはそんな古くない可能性もある。人類社会は黄金時代から銀に、銀から青銅に、さらに鉄へと堕落した。かつてはそういう、時間の経過=劣化、という世界観もあったわけだから。人間の思い描く歴史像は必ずしも、未来=発展、とは言えないのかもしれない。
∧∧
( ‥)だけどもこういう進化観
というか発展の思想
つまり、
後から出たものが
すぐれているのだ!
という思想は現代社会では
根強いですよね
( ‥)そのひとつが
‐□ 民主主義が最終形態だ
という世界観で、
我々の現代社会は野蛮で
未開な封建主義から
進化してきたものだ、
という世界観だな
うはっ、笑わせてくれる冗談だ。ギリシャの直接選挙制はローマの世襲制議員たちに滅ぼされ、そのローマも元首制から帝政へ移行した。これは学校の授業で習ったことではなかったか?
ちょいと物忘れがひどすぎやしませんか? 民主制はついたり消えたりする。そんなはかない代物だ。
∧∧
( ‥)つまり、人間社会は
発展するのではなく
文字通り、進化するのだと
ダーウィニズム的な意味で
解を探索したその結果だと
(‥ )皮肉な話だけどね
ドワンゴ会長さんの
言い様は正しいのだ。
会長さんは否定的な
意味でいっていたけどね
あの人の主張は、
実は正しい。
人間はリレースイッチである。機械的な動きでオンオフを動作するのろまな演算部品でしかない。しかし、それゆえに様々な試行錯誤の果てに思わぬ解を発見する。
これ自体はこの話=>hilihiliのhilihili: 解探索にはリレースイッチで充分でしょう
∧∧
(‥ )単純に言えば、
\‐ ギリシャの直接選挙制は
素人の愚かさゆえに
ローマに敗北した
しかしローマも議員同士の
争いを終息させるには
独裁制に移行するしか
なかった
(‥ )なんかそんな感じ
なんだよな
今の僕らのように
官僚がいたらそんなことに
ならなかったのかも
知れないけど、
それこそそうは
ならなかったわけだ
彼らには彼らの制限や限界や受け継いだ枠組みがあった。考えてみれば誰だって枠組みの中でしか自由や可能性を行使できないんである。あるいは完全な自由を求めようとして枠組みを破壊すると….
∧∧
( ‥)取り返しがつかないことに
なるか、あるいは
反発を食らって殺されると
( ‥)枠組みは一人のものじゃ
‐□ ないんでな
そりゃ当然だよね
∧∧
( ‥)あなたがたに自由はない
(‥ )あってもリレースイッチ
としての自由しかないのだ
オンかオフか?
生か死か?
成功か失敗か?
物事はしばしば
白黒ではないけども、
結果は概してそういう
ものよな
そして人間というリレースイッチのオンとオフ、つまり正否を決めるのは、その選択肢から利益が出るか出ないか。単純にそれだけだろう。民主制は最高。反民主的な社会は野蛮。そんなずさんな理解や理念なんぞ、生きる死ぬの前にはひとたまりもない。
∧∧
( ‥)例えばギリシャの市民軍は
士気は高いだろうけども
力任せの素人集団だとも
言える
(‥ )実際、勇ましい社会
だったわけだよ
だけどさ、
プロの軍人が出てきて、
戦争が複雑化して
それと同時に
落ち目になっていった
みたいなんだよな。
素人は舞台から退場し
そして民主制は終わりを
告げる。
当たり前ではなかろうか?
反対に素人でも容易に扱えるが強力な武器、銃が開発されると、素人の市民を大量動員して銃剣をそろえ、何度も突撃を繰り返すようになり、愛国心を煽り、市民はそれこそ市民権を得て民主制が確立し、同時に、敵国民に対して残虐で不寛容になった。
当たり前ではなかろうか?
民主制も愛国心もはかないもの。そんなものついたり消えたりする代物だ。
∧∧
(‥ )利益が出るか出ないかで
\‐ 制度が決定される
そういうことですかね
(‥ )それを考えると、
冒頭の言葉
非民主的で未開で野蛮な
社会って言葉はさ
やっぱ、
ちゃんちゃら笑える
精神論だろ?
精神論のくせに、
いや精神論だからか
根っこが腐って
基礎がありゃしない
ニートの大言壮語と
変わりやしねえ。
思えば、賢しい知識人は言うのである。民主主義は寛容であると。そうであろうか? 自国民ではない、という理由だけで差別し、敵国民を抹殺し、あるいは平然と奴隷化してきたのが民主制ではなかったか?
賢しい文化人は言うのである。愛国心は民主的ではないと。そうであろうか? 愛国心を煽り立て、一般素人を戦争に送り込む仕組み。これこそが民主制の恐ろしさと力の源ではなかったか?
そして彼らは言うのである。愛国心はいらない。寛容が必要であると。
ああ、それは矛盾ではないのか? 仮にそうであるなら、それはもう民主制ではない。
∧∧
( ‥)愛国心がなく
寛容である
おそらくそれは
(‥ )プロの軍人に支えられた
独裁制だろ?
独裁制って言うと
昨今の連中はすぐに
ファシズムを連想するが
あんなもの、
民主制の鬼子だからな
そうではなく、
プロの軍人と君主制だ。
確かに実際、過去においては公用語は存在せず、言語の強制もなく、愛国心とかそんなものもおそらくは希薄な、異民族と異言語が無数に使われる君主制国家が存在したのであった。その帝国はいまや瓦解して、それこそファシズムっぽい民主国家やら民族紛争の地へと変貌してしまったけども。
∧∧
(‥ )今の社会は、どこへ
\‐ むかうのですかね?
(‥ )さてねえ、今は
演算の最中だからな
みんな解を求めて
もがき苦しんどる
これはhilihiliのhilihili: 自由な意見は別に妥当性を意味しているわけではないの続き
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