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2013年11月16日土曜日

分母6万5000ではまだ足りぬ、ということなのか

 
 出版界は瓦解までカウントダウン
 
 =>hilihiliのhilihili: スリルとスリル
 
 ∧∧
(‥ )2011年10月4日に
\−  あなたが書いたことだね
 
  (‥ )そうだね、ほぼ2年前だね
      当時は電子書籍でかなりを
      食われると思っていたんだが
      というか、電子化という
      いわばサイボーグ化で
      合理化が進み、
      人員が整理される、
      端末はamazonなどに
      奪われるという見解だね
 
 一方、
 
 出版業界は版図の半分を失うが、こっちの半分は残る
 
 =>hilihiliのhilihili: 漫画共同体 ラノベ王朝 教科書ハン国
 
 ∧∧
(‥ )これは今年2013年の
\−  11月11日にあなたが言った
    言葉だよね。矛盾してね?
 
  (‥ )こちらはネットに客を
      奪われるという話だね
      半分失うのは
      帝国の瓦解であるし、
      半分残るのは連邦の
      存続でもあるよね
 
 片や電子化による合理化と人員整理、
 
 片やネットに客層を奪われた雑誌などの縮小、崩壊
 
 意味合いはずいぶん違うけども、半分失うことと半分を維持することは、壊滅であり存続だ。
 
 
 ∧∧
( ‥)だから矛盾しない?
 
  ( ‥)とはいえ、あれだよな
    −□ 電子が思いのほか
      伸びなかったのは意外で
      あったよね
 
 2011年10月4日当時は気づかなかったけども、既存の書籍を電子化するには、出版社は電子化にあたっての契約書を別途作らなければいけない。
 
 ∧∧
( ‥)これから作る本はともかく、
    すでにある本を電子化し、
    さらに新しい契約書を作り
    そして送る。
    そんな事務作業の増大に
    耐える体力が今の出版界には
    ありません、と
 
  ( ‥)電子化するには
    −□ 人員削減どころか、
      人海戦術が必要だ、
      少なくとも電子化の
      過渡期にはそうだ、
      おおむね、そういう理解で
      良いのじゃないか、
      というのはすでに述べた話
 
 =>hilihiliのhilihili: 考えてみれば会社は最適化されている、おおむね
 
  しかし、本屋にある本の種類が少なければ客はこない。本を電子化してコンテンツを増やしようにも、客がこなければ採算に合わない。これでは同じ場所をぐるぐる回るだけでにっちもさっちもいかない。
 
 
 そんな状況で経済産業省が始めた「コンテンツ緊急電子化事業」略称・緊デジ。
 
 =>緊デジ:経産省コンテンツ緊急電子化事業特設サイト
 
 これは2012年の1年間で、国内の出版物6万冊を電子化する事業で、2013年の3月31日に終了。
 
 ∧∧
(‥ )最終的に64833冊を
\−  電子化、ですか
 
  (‥ )およそ6万5000冊
      リンク先で示された
      タイトルを集めた
      PDFファイルはさすがに
      重いなあ。9.6MBある。
 
 =>タイトル申請数と達成状況の最終確定値ならびにタイトルリストの公開 | ニュース,プレスリリース,出版社さまへ,制作会社さまへ,電書販売会社さまへ | 緊デジ
 
 ∧∧
( ‥)どう見ます?
    これで日本の電子書籍は
    本格的に成長を始めるの
    ですかね?
 
  ( ‥)んー、しかしだな
    −□ これでも
      足りないってのは...
      なんか分かるなあ
 
 例えばpdfファイルにおいて「ローマ」をキーワードに検索をかけると、15件しか出てこない。タイトルから判断すると、そのうち専門書らしいのは7件だけらしい。一方、ギリシャだと3件だが、ギリシアなら13件。少なくとも哲学入門や神話に関する本がある。だが古墳だと13件、積分だと10件だけ、モンゴルだと8件、地学が3件、アルキメデスは2件、三角関数は1件、系統は...、系統学の意味では「系統樹思考の世界」、これ1件のみ。マントルとなると0だ。
 
 ∧∧
(‥ )アメリカで検索すると、
\−  82ページひっかかってきて
    タイトル数は100ぐらい
    ですかねえ?
 
  (‥ )タイトルからすると
      真面目そうな本が多いのは
      好印象だけども、
      言い換えれば、
      アメリカをタイトルにする
      本が6万5000の中に
      100冊程度しかない
      これは印象的だよね
 
 ∧∧
( ‥)つまりですよ
 
  ( ‥)6万5000冊、
    −□ これだけそろえても
      専門書籍がまるでそろわん
      そういうことだよなあ
      専門書に近似の本も
      駄目ってことだ
 
 ∧∧
(‥ )ラノベは幾つか
\−  電子化されてるし
    売れさえすれば、
    電子化は成功なのですけど
 
  (‥ )でもそれだと有名タイトルが
      電子でも買えるからそれを
      買いましょうって話にしか
      ならないとも言えるな
 
 ∧∧
(‥ )どう見るべきでしょう?
\−
 
  (‥ )以上の状況は、言い換えれば
      もっと普通の何気ない本は
      大量にあるということだよね
      だから、
      購入数は少ないが数は多い
      そういうお客を狙えるから
      これで十分と見るべきか
      反対に
      このタイトルでは
      数は少ないが本を大量に買う
      熱心なお客を取りこぼすから
      不十分と見るべきか
 
 ともあれ、

 あらゆる個人の好みはあらゆる意味で固有であり、それぞれの好みは外見がいかに普通でも個人個人の閉ざされた狭い、マニアックなものだ、という見解をとれば
 
 ∧∧
( ‥)すべての本は、
    実は個々のお客に合う
    マニアックなものでしかない
    そう考えた場合
    6万5000における
    専門書の少なさは、実は
    個人にあった書籍の少なさを
    反映しているのかもしれない
 
 *個人の好みにあった本は、個人に専門化した専門書。これは例えばの話、先のpdfファイル6万5000冊の中から、あなたならどれを買う? 買うものが見つかりますか? という単純な問いでもある。
  
 だとしたら、これでは足りない、ということかもしれない
 
 
  ( ‥)新しい本は年間に
    −□ 何万冊も出るけども、
      これらが全部
      電子化されるとしても
      10年かけて数十万
      緊デジの10倍ってとこか
 
 ∧∧
( ‥)コンテンツは、数十万、
    100万の単位でなければ
    需要に応じきれない
    商売として成立しない、
    そういうことだとすると、
    電子書籍が本格的に
    離陸するには
    まだ助走が必要だと?
 
  ( ‥)かもしれないねえ
    −□ 離陸したら色々なことが
      出来るはずだけど、
      今のところ、まだ
      離陸できてはいない
      みたいだな
 
 離陸はいつかはできるが、今ではない、そういうことかもしれない。
 
 一方、ネットに客を取られた雑誌などの領域は浸食されっぱなしのようである。
 
 ∧∧
(‥ )コンテンツ産業って
\−  なんか不思議な挙動を
    示しますよね
    あっさり奪われる一方で
    膨大なコンテンツが無いと
    機能しきれない。
 
  (‥ )基本的に業界の未来は
      半分壊滅、
      半分存続、
      そう見て良いだろうけど
      なかなかね、この状況下
      生き残りの道を探るのは
      難儀なことよな。
 
 

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