自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年11月9日土曜日
どんぐり地獄
hilihiliのhilihili: どんぐりでは現代生活を維持できない、らしいの続き
どんぐりでは、どうも現代生活を維持できないらしい。
∧∧
(‥ )まあ、その結論は
\‐ 早すぎかもですけどね
(‥ )どんぐりを大量に集める
乾かす、割る、煮る
アクを取る、砕く、
調理する、この行程を
どこまで効率化出来るか
そこまで論じたわけじゃ
ないからな。
とはいえ
∧∧
( ‥)どんぐりで生活費を
浮かしている人が
いないことも事実
( ‥)どんぐり産業も
存在しないしな
樹木だから駄目ってことはない。果実、オリーブ、樹木を使った産業はあるし、そもそもドングリに近縁である栗も産業になっている。
∧∧
( ‥)明らかにどんぐりは
産業にならない。
つまり
現代生活を支えられない
( ‥)前、なんかで見たな
‐□ 江戸時代の物品は
こんなに安かった
そういう物価の表
いや、そりゃあ安いでしょ。例えば当時、輸送費にかかるのは馬や人夫の食費とかだけで、ガソリン代が入っていない。
∧∧
(‥ )痛みやすいものを運ぶには
\‐ 保冷しなければいけない。
その分、ガソリンを食うし
電気代だってかかる
スーパーの陳列にも
電気が必要だ
(‥ )輸送には道路や鉄道が
必要で、
ガソリンを運ぶ組織、
電気を送電する機械や
送電網、
それらの部品を作る工場
工場それ自体を維持する
ための送電網、
それを維持するための工場
そしてメンテナンスをする
人々の人件費
その人々の人件費は、また彼ら自身が電気を使い、ガスを使い、そして生活していくための金を組み込まなくてはいけない。さらに言えばメンテナンスをする彼らに技術を教え込む学校と教育者を維持しなければいけないし、そこまた人件費が、そこにまたガス光熱費が…
∧∧
( ‥)それを忘れて
江戸時代の物価はこんなに
安いって、阿呆かと
(‥ )人はしばしば言うな
文明が発達して、人は幸せになったか? どうなのか? この有様はおかしいことじゃないのか? と
ありがちなこの意見は、実際のところ論点が間違っているのだ。
我々の世界の有様。ここから導きだされる結論は、人間は幸せになるためにこの文明を築いたわけではないし、幸せになることなど不可能だ、ということだ。
∧∧
(‥ )複雑高度化した技術社会を
\‐ 維持するために、
皆が大量に支払いを
しなければいけない世界
(‥ )だがそうして作られた
社会は、同時に圧倒的な
武力を行使できる。
それが出来なかった社会は単に搾取されるのみ。事実、我々は先進国として他の国を搾取してこの富を築いた。
∧∧
( ‥)人は幸せのために
この世界を築き上げたわけでは
ないのだと
(‥ )ここにあるのは
力を維持したものたちが
勝利者として生き残る
それだけのプロセスで、
幸せという部品は
最初からなかったのだ
もし、幸せという部品がこの世界にあったのなら、人は例えば、どんぐりで生活が出来ただろう。
言い換えれば、
人は幸せになったのか?
それは、この問いかけを行った者が、観察力もない、まったくもって愚か極まりない人間である、ということを意味している。
あるいは
∧∧
( ‥)あるいは、実は、
論理的な人なのかも
しれない
(‥ )幸せになるということを
至上命題にして、
論理的な言葉をつむぎ、
そして社会を悪とみなして
疑問の声をあげたのだ。
だがしかし、論理的な人間が陥りがちな誤りとは、ここなのだ。論理的な結論は前提を申し述べただけで、前提の正しさを保証しているわけではない。結論と社会がずれた時、正すべきは社会ではない。社会という現実すら説明できない前提の方だ。
人間を幸福にする。その前提はこの世界の有様を説明できない。ならばそれは空論でしかない。
∧∧
( ‥)これはロジカルシンキングの
誤りかもしれない。
(‥ )論理を渇望する人間は
正しさを望んでいる。
だが、残念ながら、
論理は正しさを
保証しないのだ
無様なものよな。
どんぐりで生活できない社会とは、人間が幸せでなく闘争を選択した社会であることを示す。果てしない無限地獄、それこそがこの世界。そういうことではないのか?
∧∧
(‥ )狩猟採集民の人たちは
\‐ 現代の工業化された
人たちよりも労働時間は
ずっと短いそうですからね
(‥ )そりゃあね、
ガスも電気も水道も
それを維持する人件費も
教育費もないわけ
だからね。
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