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2013年11月28日木曜日

その人物像は怪異

 
 明の初代皇帝、朱元璋 

 いわゆる洪武帝
 
 元帝国末期の混乱で成り上がった貧農出身の人物で、非常に猜疑心が強く、多くの官僚を処刑粛清した。あまりにも多くを殺し、大粛清は後の世代でも起こったゆえに、残忍で血塗られた人物、あるいは、明、という呼び名とは裏腹の、血にまみれた王朝の創始者、と言う人もいる。

 
 ∧∧
(‥ )残された絵を見ると、
\‐  かっぷくの良い
    丸顔のおじいちゃん
    として描かれたものと
    やせて怪異な風貌に
    描かれたものとが
    あるんですよね
 
  (‥ )でもさ、絵で描かれた
      特徴を見ると、
      二つとも同じなんだよな

 解像度は悪いがネットで見る画像はこう=>朱元璋
 
 同じ人物を描いたとは思えない。本当はハンサムだがわざと怪異に描いた、あるいは反対に、本当は怪異な風貌だったが皇帝であるために丸顔に描いた、とも言われるけども、

 いやあ、これはどう見ても同一人物でしょう、区別する必要などどこにもない。
 
 ∧∧
( ‥)どこに注目するか
    どの情報を抽出するか
    そこであると
 
  ( ‥)相違点を見ると二つの
    ‐□ 距離は大きい、
      だが他の肖像画に無い
      共通点を見ると
      同一人物に見えてくる
      どこを見るか、
      どれを抽出するか
      そこが問題
 
 考えてみれば本だって同じだ。ネットやamazonの書評がしばしばくるくるぱーなのは、
 
 えっ? あんたこの本からそれしか抽出できなかったの??
 
 という事例を目の当たりにするからであって。
 
 ∧∧
(‥ )でも、本でも何でも、
\‐  予備知識がないと
    書かれてあることが
    理解できなくなるの
    ですよね
 
  (‥ )本を読んだごときで
      本を読んだつもりになって
      いるのは、
      出来の悪い証拠よ
 
 身近な小物一つ、名前を言い出せない道ばたの雑草ひとつにも歴史と情報と過程がつまっている。知って分かった人ならそこから言い出せることをつらつらと述べられる。
 
 それは詩人が語る言葉のようなものではない。お前の言葉は見たものから来たのではなく、お前の脳内で起こっているただの冗長な妄想だ、というものとは違う。根拠と適切さと推理と実証と論証がそこにある。
 
 だが出来ない人間にはこれが出来ない。

 つまるところ、それを”見た”だけでは”見た”ことにならない。本を読んだごときで本が読めたと思っているのなら、それはそ奴が絶望的に浅い証拠だ。
    
 
 

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