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2013年11月15日金曜日

グレートパワーズ・ネックレス

 
 遠交近攻

 ∧∧
( ‥)古代中国で提案された
    戦略のことですよね
    近隣諸国には対抗し
    遠方の国とよしみを
    結ぶ
 
  (‥ )近隣とは国境を接する以上
      対立せざるをえない
      一方、遠方とは対立しない
      むしろ遠方によって近隣を
      背後から脅かしてもらおう
      だからよしみを結ぼう、
      交わろう、
      必然、合理的な考えよな
 
 当然、こちらから見た近隣は遠方にとっても近隣である。そして、遠方から見れば近隣はやはり敵であり、遠方から見たこちらはやはり遠方であって、近隣を背後から脅かしてくれる友邦国たりえる。
 
 列強
 
 英語ではGreat powers
 
 ∧∧
(‥ )現在の地球における
\−   列強は、
     米、日、中、露、独、仏、英
 
  (‥ )北半球をぐるりと一周する
      配置だよね。
 
 さながらネックレスのように。
 
 ∧∧
( ‥)遠交近攻からすれば
    これは、例えば
    米、中、独 、英
    VS
    日、露、仏
    なんですけども
 
  ( ‥)きれいなネックレスでは
    −□ ないんだよな。例えば、
      日本と中国とロシアは
      互いに近隣で、
      互いに国境問題を抱えて
      お互いに対立関係にある
 
 一方、日本はWW2の敗北でアメリカの勢力下に入れられてしまったから、アメリカとは友邦国の関係にある。一応は
 
 ∧∧
(‥ )でもアメリカの民主党政権は
\−   日本と敵対したり、
     中国寄りだったりしますよね
 
  (‥ )WW2の時の支配政党だし
      そういうこともあるのかな
      日本人だって、経験世代は
      アメリカに良い思いを
      抱いていないし、
      戦争から一世代しか
      経っていない議員が
      いるのはお互い様だしね
 
 日本とアメリカは所詮は隣国。仲が良いわけがない、とも言えるし、事実、戦争をしている。
 
 いくら友邦国でも、あるいはアメリカに支配されていても、時々、両国の本音なり、あるいは国の配置による必然的な態度があらわになる、そういうことなんだろう。
 
 *あるいは、ひょっとしたらアメリカの民主党は、自国がすでにアメリカ合衆国などではないこと、とっくの昔に世界帝国になっていることを自覚していないのかもしれない。
 
 ∧∧
(‥ )フランスも、古くは
\−  オスマントルコと結んだり、
    かの国亡き後はロシアと
    結んだりしますしね
 
  (‥ )ハプスブルク家の全盛期、
      フランスは
      スペインとドイツに
      挟み撃ちにされたからね
      敵と戦うために異教徒とも
      連合する。
      遠交近攻は別に中国だけの
      専売特許でも文化でもない
      普遍的なものだ、
      そういうことだよね
 
 スペインの凋落後、フランスはドイツに対抗するためにロシアと結び、一方、島国のイギリスは対岸に敵勢力がやってこない限り、ドイツがフランスをたたくことをむしろ黙認する。ベルギーをドイツが占領することを許さない一方で、しかし、フランス海軍を破壊する。
 
 ∧∧
( ‥)一方、イギリスとアメリカは
    強い結びつきがあるけども
    近親憎悪もある
 
  (‥ )はたまた、
      アメリカとロシアは実は
      北極海やベーリング海峡を
      挟んで隣国なので
      日本も交えて、
      猛烈な敵同士でもある
      実際、互いに戦争している
      ややこしい話よな
 
 米、日、中、露、仏、独、英という配置も、単純にネックレスになっているとした場合でさえ、回転すると組み合わせの顔ぶれが変わるし、ある意味、それぞれの諸国における外交のぶれってこういうことか? と思えることもある。
 
 ∧∧
( ‥)そしてまた、
    日、中、露が隣国
    米、日、露が隣国という
    複雑な面もある
 
  ( ‥)なかなかね、
    −□ さて、どうなりますかね
 
 例えばオバマ大統領率いるアメリカ民主党政権が、このままの姿勢でいたら、日、中の対立はどうなるか?
 
 ∧∧
( ‥)手をこまねいていたら
    ほーら、
    ロシアのプーチンさん
    出てくるしね
 
  ( ‥)アメリカからすれば
    −□ 面白くないだろうけど
      身から出た錆だとも
      言えるよな、
      軍部は政権の運営を
      どう考えているんだろうね
 
 あるいは中国が混乱して分裂したらどうなるか?
 
 ∧∧
( ‥)例えばチベットやウイグルで
    内乱が起きたりしたら
    どうなるか?
 
  (‥ )近隣諸国からすれば
      最近の中国の拡大姿勢は
      ちょっときな臭いからね
      状況次第では
      平和維持部隊として
      駐留させて、
      緩衝国家として独立させて
      しまうかもしれないよね
      あわよくば、
      南方の大里もな
 
 あるいは、中国が南北に分裂したら?
 
 ∧∧
(‥ )北中国さんは日本やロシアと
\−  国境を接するから、
    遠交近攻、
    お互いに仲悪い、
    ということになるの
    ですかね?
 
  (‥ )南中国が北と対立するなら
      日本とかと友好国だ、
      ということになるのかな?
      実際、南は日本企業も
      多いよなあ
 
 ∧∧
( ‥)分裂って言っても、
    中国さん大きいから
    分裂してもそれぞれは
    大国だよね?
    どうなるのですかねえ
 
  ( ‥)どうなるかねえ?
    −□ 中国って歴史を見てると
      後になるほど分裂期間が
      短くなっていくように
      見えるのだけども
      これは技術や統治機構の
      進歩のせいなのかな?
 
 さてもさても、未来は予測しがたい。とはいえ、色々物の見方が大きく変わる局面がくるんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )ウイグルやチベットで
      争乱が起こる、
      国の力関係が変わる
      その時、
      中国政府が何をしたか?
      とか、そういう話が
      わっと出てきたら、
      これまでの世界観や
      道徳観がほぼ180度
      変わっちゃうだろ?
 
 発展した中国が対外進出、海洋への進出を積極的に押し進めた時、日本や近隣諸国で防衛や国防の見方がまるで変化してしまったように、それ以上にもっと色々な認識が変わりうる。
 
 ジュンガル帝国に清朝中国が何をしたのか? とか、そういうことがもっと注目される日もくるんだろう。
 
 ∧∧
(‥ )日本も過去の敗戦で
\−  大きく考え方が
    変わったからね。
    また変わるのだろうね
 
  (‥ )人はその都度、その都度、
      必要な服をまとうように
      思想や道徳を着るのだ
      平和と知恵こそが
      普遍の真理と信じた
      人間は、
      日本やアメリカの悪口を
      言っていれば良い、
      そう信じた人々には
      堪え難い拷問と
      審問の季節がやってくる
      そういうことだろうね
 
 別に物理的な暴力をふるわれるわけではない。時代の変化についていけないというのは意外と、特に頭でっかちの知識人には拷問に等しい。
 
 しかしそれもこれも自己責任なのだ。真理に安住したのは本人の選択だ。しかし、真理に安住すると、いざという時に服を着替えることができなくなる。まるで生皮をはがされるような恐怖と痛みに、知識人や文化人は絶叫するんだろう。いや、もうしているのか?
 
 
 あるいはそれとも、恥知らずに衣装を変えるのか、さて、どうなることやら。
      
 ∧∧
( ‥)時間と現実は容赦ないですね
 
  (‥ )時間はどんなものも
      腐食していく
      強烈な酸のようなもの
      そういうことだね


 

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