∧∧
( ‥)どう?
( ‥)色がまったくついていない
-□ 下描きが9枚ある。
ふーーーんんんん?? だいたい7枚あたり1枚って配分か。
∧∧
( ‥)7枚完成させる間に1枚色塗りを
しておけと。
(‥ )可能ではあるが、かなり厳しいなあ。
□-
他を完成に持ち込みつつ、色付けを同時並行。しかしこれしかない。
∧∧
( ‥)色がまったく乗っていないのと
0から塗るのとではずいぶん
違いますからね。
(‥ )前者は休みが入るからこそ
気づくことがある。
後者は集中してやってしまう
から効率が良いようでいて、
描き込みすぎて時間を食う。
ああ、そういえば先日、中国へいった時に、ふとしたことが理由で作業することになった。沖縄よりもずっと南。気候は亜熱帯。ずーっと作業している間に太陽は高く上がり
∧∧
( ‥)そこは暑いから入ったら?
と日本人と中国の人に
言われました。
(‥ )後で聞いたら、中国の人が
言うにはだ。
「日本人って我慢強いのね、見習わなくちゃ」
と言っていたそうで。
∧∧
( ‥)...完璧な誤解ですよね?
(‥ )ごめんなさい、暑いことに
気がついてませんでした。
というか、亜熱帯の気候でそんな作業しちゃ駄目だよね(言った中国の人も、まあ、真面目にそんなことはしないだろう。体に悪い)。
ともあれ、あれだ、何かに集中するってのはそういうことだ。
∧∧
( ‥)痛みや苦痛が分からなくなると。
( ‥)まあ、自分の痛みが分からないってのは
良いことでもあるんだけどね。
自分の苦痛が分からない。するとつまり他人の苦痛や痛みや苦しみはもっと分からない。
∧∧
( ‥)他人を切り捨てると。
(‥ )これは大事なことだぞ。
人は知識を自身では更新できない。
今西進化論を信じている奴らが自分で教科書を読んだか? ワンダフルライフを読んだ奴らがバージェス頁岩の系統解析に目を通したか? 100年前にマントルが固体で岩石だと分かったのに、なぜ今もマントルがマグマでどろどろだと信じている奴らがいる?
∧∧
( ‥)大部分の人間は自分では自身の知識を
更新できない、が妥当ですよね。
( ‥)それはできないに近似だよ。
ああ、だから新しい世代は新しい知識を得て、そして古い知識は古い世代と共に死んで終わる。
だから
死ね、産め、更新しろ。生き急げ。
∧∧
( ‥)それが仕事だと。
(‥ )知識の伝達。それが仕事だというのなら
人間というのは単なる媒質なのだ。
自力ではなく集団でしか更新できないのなら
個体に意味はない。
あるいはこう? 知識を更新するという過程を説明する仮説において、自立した個人という要素を組み込む必然性はない。
人は媒質だ。ただそれだけだ。波を伝える水は分子の集合であって、分子単独では意味がないように、媒質である人の、個人個人はどうでもいい。
∧∧
( ‥)取るにたらない存在だと?
(‥ )仮想する必要すらない
要素だ。そういうことだね。
ようするに僕らは説明において存在する必然性がない。
∧∧
( ‥)そして旧世代をすみやかに死滅させ
新しい妥当性を拡散させるのが
仕事ですか。
( ‥)どれだけ犠牲者が出ても
かまわん、成果が必要だ。
いや、むしろ犠牲は最大に、さすれば効果も最大に。
科学ジャーナリズムとかいうしろものが本当に機能したいというのなら、死を引き連れないと意味がない。
(‥ )人は考える動物で知的生物であり、
正しい知識を教えれば正確に
理解でき、過ちを是正するだろう。
こういう前提が
そもそも破綻しているのだ。
∧∧
( ‥)まあ、教育ってそういう意味合いや
大前提がありますからね。
だけどほら、そんな非現実的でお上品な仮定を敷くから破綻して効果が出ない。
(‥ )そうではなく、苦痛と恐怖と死を
ばらまかねばならん、
死ねや苦しめ、そうしないと我ら、
一歩たりとも前へ進めない。
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( ‥)まあ、そういう仮説で行動するのだと。
ああ、しかし、今は頭痛がするんだよね。少しだけど。
( ‥)さすがに限界か?
∧∧
( ‥)一度休みますか?
古の人は言ったのであった。補給がないと戦争が継続できぬ。