∧∧
(‥ )んー 昨日 今日と
\\− 見た限りでは...
⊥ 火星の砂嵐は
南半球を囲んだ
みたいだね
(‥ )一周したかは
定かかじゃないけども
火星の南緯40〜60度を
うねるように黄雲が
めぐっているのは
確かみたいだな
そしてスカマンデル運河の
あたりで合している
もちろん、一度に火星を観測できる面は限られていた。火星は自転速度が地球とほぼ同じなので、例えば同じ時刻に観察すると前の日とだいたい同じ経度が見える。もちろん、別の経度を見るのは簡単だ。そのまま見続ければいい。2時間後に見ると火星は自転して経度にして30度ほどずれた面を観察できる。火星が地球に近づき、火星と太陽が180度離れた条件だと、1日に6時間、つまり火星の4分の1程度を観察できる。しかし言い換えれば、そのままでは火星の反対側は見ることができない。
この問題は日数を重ねれば解決できる。火星は地球よりも40分ほど自転が長いので、同時刻に観察すると、毎日、経度にして10度ずつほど見れる場所がずれていく。だから36日間あれば火星の全経度を観察できる。
∧∧
(‥ )でもさー
\− 観察を一周し終える頃には
観察時間に
36日間のずれが
生じてるよねー
(‥ )時間差込みで
どう判断するのか?
そこは考え方だな
火星の嵐自体はじょじょに収束していた。初期に見られたくっきり見える強い黄雲(砂嵐)はもう見当たらなかった。とはいえ、明暗境界線で朝日を浴びて輝く黄雲はいまだにあったし、模様の隠れ具合からして、南半球のかなりの部分に砂が漂っているのは確かであり、そして明白ではないものの、砂嵐はオーロラ湾から西へ西へと流れて、さらにおそらくはヘラス盆地で生じた嵐と合わさって、火星の南半球をほぼ一周したようである。
*一応書いておくと、1956年にセルペンティスで発生した嵐は今回と同様、西へ流れたけども、一部はその反対、東のヘラス盆地に流れ込んだという。今回のヘラスの嵐もそういうもので、スカマンデル運河で西へ流れた黄雲と合流したのかもしれない。