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2016年11月20日日曜日

山の城の男

 
 山城の上にかつて立てられた天守閣。
 
 言っちゃ悪いがパチモン臭い天守閣。
 
 それは山城の遺構の上に立てられたもので、遺跡の保存にあまり熱心でなかった60年代の出来事であることを考慮しても、やはり感心できるようなものではない。

 それでもそれは一人の男の努力の成果であり、そして放棄された今、それは努力と夢の残骸でもあった。
 
 つまりこの話はhilihiliのhilihili: 天守閣の夢の続きである
 
 
   では今度は
 ∧∧ その山城を見に行こうー!
( ‥)
 −( ‥)山登りじゃー!
 
 標高差はおよそ400メートル。まあ運動不足の我が身にはちょうど良い案配だ。
 
 ∧∧ …ほう 良い案配か
( ‥)
 −(;- -)ぜーはーぜーはー
 
 
 ともあれ、山頂についてぼんやりと素人の目で見て回る。ネットで検索するとそりゃもう山城マニアな人が幾人もここを訪れて色々と考察しているが、それは参考にはしない。

 物事はなんでも1からだ。
 
例えば沢でもないのに尾根が切れている。


 







尾根は東西にほぼ同じ高さで伸びている。一方、この人為的としか思えない溝は幅が5メートルほど、南北に伸びている。ちなみに真ん中にあるビニールをかけられた木材はマツノザイセンチュウを駆虫しているものだ。
 
 こういう溝が3本、ほぼ等間隔に開いている。


あるいは天守閣の前にある駐車場の南はすとんと落ちて、そこにも東西にのびた溝がある。











 
この写真はそこを西から見たところ。この反対側、これを撮影した自分がいる場所は一段下がったテラスのようになっていて、そこには土壁があるのだ。こんな位置エネルギー的に不自然な地形、人為的なものであること疑いない。
 











   尾根の一番東は
   急斜面で東と北を
 ∧∧ 囲まれてるね
(‥ )
 −( ‥)防御から考えると
      尾根の一番東に
      拠点があったのかな?
 
 
 素人が描くのは危険だけども、ざっとスケッチするとこんな有様だった。










 
 ちなみに小さく書き込んだ数字は歩数である。*描き込んだ東西南北はちょっとずれている。
 
 ∧∧
(‥ )上が北で尾根が東西に
\−  伸びていて
    侵入されそうな
    尾根伝いに3本の溝
    観光用天守閣が建てられた
    尾根の東端は
    北と東が急斜面
    上の画像の
    テラスのような場所や
    溝や土壁があるのは
    登山道もある南側だよね
 
  (‥ )そんな複雑な作りじゃ
      ないみたいだけど
      防御を考えた
      構造だと分かるよな
 

 そしてどうも、観光用の道路は尾根の南の端を切るように通されたらしい。そして東端が山城の拠点だったとすると、まさにその上に駐車場と観光用天守閣を建ててしまったということのようだ。
 
 ∧∧
(‥ )遺構への損害は
\−  最小限度ですんだの
    でしょうかね?
    どうなんでしょうね?
 
  (‥ )まあ図書館で今度
      調べてみよう
 
 
 それにしても、この話を帰って人にしたら、今、真田丸で戦国時代の遺構は客を呼べるのだから、これもうまく使えばよかったのに、という話になった。
 
 ∧∧
(‥ )ああそういえばこの山城
\−  戦国末期のものみたいだよね
    真田丸でしたか...
    あのドラマにも登場する
    武将に
    この城は関わりがあるとか
    言っておりましたなあ
 
  (‥ )しかもこの山城
      隣の山の山城と
      道路で
      つながってるんだよな
 
 山頂にある戦国末期の山城に、足で登らず自動車でいける!! しかも二つ! 戦国期山城防衛網を直に体験しよう!! 確かに観光に使えるネタだが、誰も気がつかなかったらしい。
 
 ∧∧
(‥ )まあ忘れられた
\−  遺構だしね
 
  (‥ )気づいても
      めんどくせえしな
 
 それにどうせドラマが終わればすべては夢の後となる。山の城の男の夢は、やはり夢のままなのだ。
 
 
 
 

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