自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年6月5日日曜日
絶望した火星人は見ることを止めた
土曜日の夕方に寝た。夏至に近づき、遅くなっても明るい季節である。天気予報は後に雨であり、すでに空は雲が覆い、風が強くなっていた。
起きると、状況はほとんど変わらない。ぼんやりと明るい日差し、曇りであろう色。
( ‥)おかしいな
ずいぶん長く寝た感触が
あるんだけどな
体も少し固くなってるし
1時間程度しか経ってない
ようには思えないが...
∧∧
( ‥)もう日曜日の朝だぞ
きっかり12時間、まるで世界がタイムスリップしたかのように、土曜日の夕方と日曜日の朝が直結。
∧∧
(‥ )昨日は三時間ぐらいしか
\− 寝てなかったからね
(‥ )不足分5時間+8時間
つまり13時間は
寝ないといけない計算か
12時間なら1時間不足
後1時間どっかで
ねよーかな
さて
火星の運河でググるとやはり、火星の運河はどうなったのか? と疑問に思う人、あるいはそれをネットの質問箱などに書き込んでいる人もいる。
そしてその回答は、いずれもまあ基本的に愚にもつかないことであった。
∧∧
(‥ )眼の錯覚です
\− 見ようと思って見えただけです
解像度の低い望遠鏡の限界です
これらの説明はローウェルさんの
運河とかには当てはまるけど
それだけでは説明つかないよね
(‥ )実際の模様もあるからな
多分、運河=ローウェルの運河と思っているせいだろう。
まあ、質問者や回答者の理解の範疇なら、この説明を間違いとは言い切れない。実際、世間一般の人からすれば火星の運河とは単なる細い模様ではなく、糸のような細い水路のことであろうから。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した火星を見ると、火星を覆う運河などは見えない。
=>https://www.google.co.jp/search?q=hubble+mars&biw=1006&bih=764&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiwpvnByo_NAhWFXaYKHXd6AHEQ_AUIBygB
∧∧
(‥ )でもあれだね
\− アントニアジさんとかが描いた
100年前の
火星地図と比べると
ああここが運河に該当するのか
という部分があるね
(‥ )ごく薄い模様を
遠くから見たら
そう見えるよね
という部分があるからな
もちろん、怪しげな運河もある。だが対応する運河もある。もちろんそれは水路などではなく、暗い場所、わずかに色味が違う場所がなんとなく帯状、あるいは線状に見えるというだけの話なのだが、この意味において運河はそれなりに実在するのだ。
中には、色味が違う領域の境界線であったり、あるいは反対に明るい場所もあるように思われる。これは錯視の問題も含めて興味深いだろう。
そしてこれは眼の錯覚でありもしないものが見えた、というのとは少し問題が違う。コントラストが、人間には線に見えるという現象だ。
∧∧
(‥ )多分、世間一般的には
\− 昔の望遠鏡は精度が悪いだろう
そして火星に水はない
だから運河はないはずだ
するとありもしないものが
見えたに違いない
そういう
論理的な理解なのでしょうなあ
(‥ )望遠鏡の解像度は口径で
決定される
100年前には十分大きな
望遠鏡があったから
精度が悪いってことは無い
そして火星の運河は別に
水路じゃなくて
単なる細い模様
そういう基本的な理解が
いい加減なままで
論理的に考えるから
そういうおかしな結論に
なるんだべ
ただ、火星探査器がもたらした知見。火星には液体の水は存在しない。だから水路があるわけない。そういう知識が猛烈なインパクトを与えたことは確かであった。
実際、火星探査器到達後に発売された火星の本は探査機から得られた火星地図を熱心に掲載するだけであった。望遠鏡で見た時にどう見えるのか? 模様の名称は何か? そういうことをほとんどまったく載せないのである。
いや、あのさ、地球から火星のクレーターとか山とか谷とか見えないんだから、探査機から得られた知見だけを掲載して、あんたたちそれでどうするの? としか思えないのだが、ただただ使えもしない火星地図を掲載するばかり。
∧∧
( ‥)皆さん運河はなかったという
知見に絶望したのですかね?
(‥ )より正確に言うと
液体の水がなかった
水が無いなら水路はない
だったら運河はないし
細い模様もあるわけない
全部錯覚錯覚
絶望した人々は
そう思い込んで
自分の眼で
火星を見ることを止めた
そういうことじゃねえか?
火星のコンテンツ=>Untitled Document
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