自己紹介
- 北村雄一(北村@)
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2016年6月25日土曜日
意味のすり替え疑惑
あれは湾岸戦争の時であったか.
多国籍軍が民主主義の名の下に空爆を行い,軍人は当然としても一般市民にも次々に犠牲者が出ている状況で声が上がったのである.
民主主義は善なるもので,世界がとるべき選択肢で,平和を尊び,人権を尊重する体制であるとあなたがたは言う.だがしかし,あなたがたは民主主義の名において悪の独裁者を倒すのだと言いながら,実際には爆弾で市民を殺しているではないか? と
このような批判に対してある知識人は確か,こう書いていた.
彼が怒るのは無理もない.だが彼は政治体制と政治を混合している.政治が決断した爆撃で民主主義という政治体制を評価してはならない,と.
∧∧
(‥ )でもこれって質問に
\‐ 答えていない詭弁だよね
(‥ )いくら民主主義を
美辞麗句で飾り立てても
やることは独裁制と
変わりないじゃないか
という問いかけに
民主主義と独裁制は
別の分類枠ですと
答えているようなもの
だからな
見当はずれの返答だよね
まあ,知識人というのはこういうことをするが,これがなぜなのかよくわからない.
民主主義は別に良いものでもなんでもない.
まず民主主義において思想の自由などありえない.事実,市民が隊列を組んで戦う時,そこに思想の自由はあるだろうか?
∧∧
( ‥)ペルシャ襲来時の
ギリシャみたいに
主戦論もあれば
降伏論もあるだろうけど
いざ断を下したとなれば
市民総出で行動しなければ
ならないでしょうね
(‥ )彼らはそれを思想の自由と
呼んだけども
俺たちが言う
思想の自由って
こういうのじゃないんだよな
あるいはこの範疇を
逸脱しているのだ
あるいは民主主義に自由はあるだろうか? あるにはあるが,それは相互監視による空気読みが強制されたものではなかったか.
∧∧
(‥ )出陣しない自由なんかないし
\‐ ソクラテスが処刑されたように
空気を読まない人は
殺されたりするよねー
(‥ )日本のような相互監視と
空気読みを強制される
田舎の国は民主的でない
とかいう人いるけど
いやいや
これぞ民主国家ですよ
そして民主主義に多文化共生があったであろうか? これはまぎれもなく否だ.他国を攻め落としたら男は皆殺し,女子供を奴隷にして売り飛ばす,これぞ民主主義であった.そもそも投票で意思を統一する世界で多文化共生などありえない.
非寛容で村のように閉じた世界で,社会のための義務を強制する監視社会.これこそが民主主義である.
∧∧
(‥ )実際,民主主義から
\‐ ファシズムは生まれたしね
(‥ )生み出すってことは
元がそうなんだろ? って
ことだからな
以上を踏まえて考えると,次の根源的な疑問が生まれる.
一体全体,いつから民主主義は平和の使者であり,人権の帝王であり,寛容と多文化共生のおだやかな理想郷だと勘違いされるようになったのであろうか?
∧∧
( ‥)そもそもここがおかしいのだと
(‥ )民主主義だったら
思想統制
義務の強制
徴兵制
単一の文化を信奉する
非寛容で凶暴な軍事国家で
あるべきはずだし
事実としてそうで
ありつづけただろう?
古代から現在まで,ずっと一貫して民主主義はそうであった.総動員された市民たちはひるむことなく敵を粉砕し,相手の都市を蹂躙して暴虐の限りをつくし,あるいは異民族を文化ごと抹殺して奴隷化して,地上に荒廃をまき散らしてきた.
それを忘れたなどとは言わせない.
かように,これが民主主義のはずだのに,いつから一体,どうして,なぜ,民主主義は慈愛と寛容の象徴となったのであろうか?
問われるべき謎はむしろここである.
∧∧
(‥ )多分,WW2の後に
\‐ なにかおかしなことが
起こったのでしょうね
(‥ )冷戦と植民地の放棄
人種差別と公民権問題が
吹き荒れた
50年代,60年代
多分この時に
意味のすり替えが行われたと
見るべきだろうな
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