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2016年6月4日土曜日

アメリカが負け戦であるように

 
 WW2のアメリカ軍が曰く、
 
 日本軍は負傷した者には冷たいが、いざ死ぬと、途端にもてはやす。
 
 この言動が事実かどうか? そんなことはどうでも良い。
 
 問題はこの評論が、今、警句として引用されていることにある。
 
 つまり重要なのは、この警句は一体何を警告するものとして引用されたのか。まずそこであろう。
 
 ∧∧
(‥ )普通に考えて
\−  日本は無茶な突撃をして負けた
    今も同じことを
    しているのではないか?
    そういう意味合いと
    警告でしょうね
 
  (‥ )いやさ
      突撃って無茶なもんだろ?
 
 突撃できない者に意味はあるか? 

 ない
 
 死んだ者に意味はあるか? 

 ある
 
 ∧∧
( ‥)人を突撃させるには
    生を軽視させ死と名誉を
    たたえるしかないですからな
 
  (‥ )でっ、しかも
      それでも
      実は勝てるんだよね
 
 ソヴィエトロシアの戦いが日本軍以上のひどいものであったことは良く言われるところだ。

 手ぶらで突撃、銃は死んだ味方のものを使え、逃げたら背後の機関銃で射殺。
 
 ∧∧
(‥ )人口が多くて
\−  素人でも突撃させられた
    陸戦だからこそ
    出来た技だけどね
 
  (‥ )まあ日本は海戦で
      船舶や航空機を
      大量に必要として
      だからアメリカに
      負けたんだが
 
 だが、実のところ、負傷者を軽視し、死んだものをおおいに讃える、という戦い方でもアメリカを倒すことはできる。
 
 というか事実としてアメリカはずっと負け続けている。
 
 ∧∧
( ‥)昨今の自爆テロは
    日本軍どころの騒ぎでは
    ないですからね
    死んだ者は聖者になり
    負傷者なんかどうでもいい
 
  (‥ )そしてそれに負けている
      しかも状況は
      どんどん悪化しているのだ
      ベトナム戦争の時は
      ベトコンという敵がいたが
      イラク戦争では
      誰が誰だか
      現地の人間も
      武装組織も米軍も
      何がなんだか分からんぞ
      という状態だったと
      いうからね
 
 ほら、

 負傷した者に冷たく、死んだ者を讃える、こんなのおかしいよねww 

 なんて調子ぶっこいて笑っている場合か。

 その戦法をもっと極端にしたものに負けて、今や尻尾巻いて逃げ出してしまったではないか。
 
 
 ∧∧
(‥ )負傷した者に冷たく
\−  死んだ者を讃えるから
    日本は負けたのではなく
    戦争の勝敗はもっと別の要因が
    支配しているのである
 
  (‥ )弱ったことにさ
      日本は補給を断たれて
      負けたと言われている
      それは事実なんだけど
      状況を見ると
      補給を整えていたはずの
      アメリカ軍も
      負けてるんだよな
 
 なんでか? 
 
 ∧∧
( ‥)単純に戦費の問題
    さらにいってしまえば
 
   (‥ )人件費の問題だべ
 
 
 もっと意地悪く言うとこうである。
 
 アメリカ軍はなぜ負けてるの?
 
 それは補給を整え、負傷者を手厚く扱い、人命を尊重しているからでしょ? と
 
  
 つまるところ世界を支配する要因は僕らが思っているようなものではない。
 
 これゆえ、負傷した者に冷たいが、死んだ者は祭り上げる、これが日本の敗因であるという言葉をそのまま受け取るのは危険だ。というかおそらくこれ、根本的に間違いだろう。
 
 ∧∧
(‥ )まあこの指摘が正しい文脈も
\−  存在するのでしょうけどね
 
  (‥ )そりゃあ存在するとも
 
 そもそも自分に都合の良い文脈で物事を語ることこそが人の目的である。

 何かを語った時点で、それはなにかしら目的が限定されたものだ。

 それゆえ、その状況があてはまる文脈それ自体は必ずある。
 
 ∧∧
( ‥)しかしその限定ゆえに
    必然誤ることがあるだろう
    異なる文脈で
    それは成立しない
 
  (‥ )そしていまや異なる文脈が
      支配的なのだ
      さらにアメリカは
      なんで
      自分たちが負けているのか
      おそらく
      理解できていないだろうし
      理解できても
      どうにもならないよね?
 
 まさか人命を軽視し、補給をいい加減にした上で負傷者を冷たく扱え、などと言うわけにもいくまいし、そうできない以上、勝ちはもはや無い、ということになる。
 
 そしてこれが世界の理だとしたら、では冒頭の人やアメリカが言うような、賢いはずの選択肢の未来はどうなるであろうか?
 
 

 
 

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