自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2016年4月15日金曜日
賢き人は批判の自由に隷属する
これだから日本は駄目なんだ。
うちの会社はこれだから駄目なんだ。
裏を返せば、ここでないどこかに理想の国や会社がある。という主張。
∧∧
(‥ )だが実際のところ
\− そんな場所はないのである
(‥ )そもそも彼は理想の地へ
実際に行く気はないのだ
実際にいくのだったら、日本は駄目なのだ、うちの会社は駄目なんだ、とは言わない。
別の国へ行ったらこうでした。
あるいは
別の会社ではこうだった。と結果を述べるのみである。
∧∧
(‥ )でも世の中には
\− 実際に出て行って
以上のようなことを言うけど
それでも不幸そうな人
いるよね
(‥ )実際に海外へ出た俺様は
意識高いから勝ち組だ
という謎理論の展開だけで
人生を満足しちゃった
連中な
もちろん、こう言えば怒り狂う人がいるであろう。
文句を言えば実行力が無いと言い、実行すれば嘘つきだと言う。
何をしても否定するだけじゃないかと。
∧∧
( ‥)でも実際には
何をしても否定して
いるのではなくて
(‥ )何をしても
どうにもならねえんじゃね?
と指摘しているだけさね
現状批判は理想論であるが、理想論は現実から乖離しているのでうまくいかない。所詮は机上の空論、砂上の楼閣である。
さりとて、有言実行してもほとんど全員、失敗する。当然だ。結局、手元に残るのは、私は有言実行しました、という誇りだけで、そんなものに意味などない。
∧∧
(‥ )そして愚痴をこぼす自由と
\− 批判する権利だけが
残るのである
(‥ )それでいいのだ
演算とはそういうものだ
人間が解答を発見するための演算機械なら、個人はONOFのみの装置だということになる。この時、必要なのは失敗すれば死ね、という条件で、それ以上のことは特に期待されていない。
∧∧
( ‥)つまり現状批判も有言実行も
そんなものどうでも良いこと
なのである
(‥ )演算には関係ないからな
かくて
我々に残されるのは
現状を批判し
会社を批判し
社会を批判し
日本を批判し
人類を批判する
その権利だけなのだ
社会と日本と会社を鋭く切りながら、実際には今の職場と出世コースから一切外へ出ない。外へ出る自由を行使しない。
権利を行使しているが、自由は行使しない。
皆々、よく分かっていらっしゃるではないか。自由とは不幸であり、自由とは隷属なのであると。
事実、有言実行すれば死ぬのだ。みんな、死にたくはないであろう? 有言実行した意識高い俺様偉いなんていう、みっともない残骸になりたくないであろう。
かように自由とは隷属である。なれば批判だけしているべきである。批判だけして今のコースから一切外へは出るな。自由を放棄せよ。それが幸せへの道。
だが人は、批判することこそ自由であると、錯綜したことを申し述べる。なればこうである
社会批判をする自由に服従し隷属すること、これこそが賢き人の道なのであると。
自由は隷属なりとは、かくのごとき意味であった。
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