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2016年4月27日水曜日

昔は井戸の底からいけたのです

 
 原典や、原典を収録した本を読んだわけではないものの、「世界昔話ハンドブック」なる本に曰く、

 
 ∧∧
(‥ )イランの物語
\−  マレク・ジャムシードは
    勇敢な王子ジャムシードが
    井戸の底におりて
    竜を倒し捕われていた娘を
    お嫁さんにする話
    
 
  (‥ )井戸の底に異世界が
      あるのか
      昔はいい時代だな
 
 井戸の底に異世界があるのは、他にも例があるそうだ。フランスの民話「熊のジャン」は熊と人の女から生まれた怪力のジャンが、井戸の底にある地下の異世界から女の子を救い出す話だそうだ。
 
 考えてみれば、地下というのは確かに本来は異界であった。地下は死者のすまう場所。日本神話では妻を失ったイザナギが地下世界に降りるし、ギリシャ神話のオルフェウスも妻を求めてハデスの治める地下へと下る。ギルガメシュ叙事詩でもギルガメッシュの友人エンキドウが地下へ降りる話があるという。
 
 ∧∧
( ‥)日本の民話
    おむすびころりんも
    おむすびが地下にある
    ネズミの世界にいって
    その縁で福をもらう話
 
  (‥ )19世紀のSF作家
      ヴェルヌの地底旅行も
      地下世界に降りるのだ
 
 しかし、地下という異界への旅は、だいたいこのあたりが終焉だ。

 今でも地球空洞説のような、過去の残骸をロマンを持って語る人もいるが…、まあ、それはたわ言かつ、無茶ってものである。
 
 地下の異世界などもはや存在しない。
 
 ∧∧
(‥ )映画のセンター・オブ・ジ
\−  アースでしたっけ?
    あれだって異界にいくの
    ではなくて
    過酷な地球中心にいって
    世界を助けよう
    という話ですし…
 
  (‥ )昔は井戸や洞穴で
      異世界にいけて
      冒険できたのに
      今じゃどうにもならん
 
 これを考えれば、現在世界ではトラックに轢かれて転生でもしなければ、異世界にいけないこと明白であろう。
 
 トラック転生が御都合主義で駄目だというのなら、だったら現実的で確実で、しかも大冒険が保証できて比較的お手軽にいける異世界とその移動手段を考えてみるがいい。
 
 ∧∧
( ‥)無理だねー
    最後に残った本当の異世界
    太陽系外惑星への冒険は
    人類にはまったく手が届かず
    しかも最短で片道何十年という
    旅でございます
 
  (‥ )井戸への旅で異世界に
      いけた過去を踏まえれば
      現在のトラック転生の
      どこが御都合主義だと
      言うのやら
      賢しい連中の言うことは
      分からんな
 
  
 

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