自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年2月17日日曜日
飛翔するには先人の肩が必要だ
∧∧
( ‥)つまり
( ‥)そうねえ、
国際宇宙ステーションが
軌道上を巡る様子を
地上から見ると、
動きと光度の変化から、
遠くから近づいて
また遠ざかるのが
分かるよね
∧∧
( ‥)昨日の2012 DA14も
そうでしたね
=>hilihiliのhilihili: そして去りゆく2012 DA14
(‥ )じょじょに減光する様子を
見ると、ああ、遠ざかって
いくのだなー、と
分かるからね
天体は宇宙風化とかで黒くなることもあるからか、数十メートルという結構な大きさの小天体でありながら、最接近時においてなお、肉眼では見えない。それでも反射された光はそれなりなものなのだ。だから望遠鏡の力を借りれば鈍い光点としてそれを見ることが出来る。
∧∧
(‥ )人間の目は10km離れた
\– ロウソクの火を感知できる
のでしたっけ?
(‥ )うろ覚えだし、実際は
大気があるからそこまで
見えないだろうけど、
でも、何キロも先の
家の明りが見えるからね
それに匹敵する能力を
持つのは実感するな。
ほんのわずかな光子も
検出できるのだ。
それを考えると大気圏外で太陽光を浴びる人工衛星、風化を経験していないぴちぴちの人工物である衛星たちが明るい星のように輝いて見えるのは当然。
∧∧
( ‥)暗い室内で、一カ所だけ
太陽光線を浴びて光る壁
のようなものですから
(‥ )反射しかしていないのに
夜に仰ぎ見る月が
明るく見えるのも
また必然
しかし、それに気がつくまで人は長い時間を要したのであった。
∧∧
(‥ )2012 DA14も、ここまで
\– 正確に軌道を予測できるのは
長い蓄積による賜物ですね
(‥ )昨日、望遠鏡で追跡して
途中で見失った時、それが
シェルタンとゾズマの間
だったから、ああ、自分が
見ていたのは人工衛星では
なくて小惑星だったのだ
そう確信できたよ。
∧∧
( ‥)時刻通り、アルラボレアリス
で待ち構えていると
やってきましたし
( ‥)この成果と演算能力を
知ったら、プトレマイオス
ケプラー、ニュートンは
目を丸くして、そして
自分たちの様々な成果が
予報の基礎に
あることを知れば
感慨も深いだろうな
自分たちが成し得たことは予想通り、確かに価値があったのだ。そう思ってくれるだろう。もちろん、現実の彼ら自身はそれを見ること無く死んでいったわけだけど。
∧∧
( ‥)2000年にも及ぶ
人々の蓄積ですね
(‥ )古代ギリシャ人は
この手前で止まって
しまったのだ。
プラトンもアリストテレスも、これらを扱う、扱わない以前に、そもそも扱うために必要な数学を知っていなかった。
∧∧
( ‥)惑星の運行を観察、記述する
ことに必要な、
円周の360分割さえも
彼らはまだ出来ませんしね
( ‥)ユークリッドの時点で
–□ 円周の10分割までは
来たのだけどね
ユークリッドの幾何学原論は別に幾何学の本ではないし、そう言う意味では証明の本だというわけでもない。
∧∧
( ‥)彼らは無理数も無限も運動も
扱えないから幾何学に
たくさざるを得ませんと、
そういう本ですよね。
(‥ )円周の10等分を解くには
二次方程式が必要で、
それを解く方法論を彼らは
それしか持たなかった。
それだけの話だよね。
幾何学原論では二次方程式で問題を解くことが行われている。ただし、それは方程式ではなく、作図を用いたものだった。
ここまで来るのに本当に長い、長い時間と世代が必要だった。
∧∧
(‥ )それを考えると、次の世代に
\– 基礎を伝えることは
大事なことですねえ
(‥ )能力のある奴は言われなくても
する、できる。それは正しい。
しかし、先人たちの肩に彼らを
乗せて飛翔させるには基礎が
必要だ。そういうことだね。
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