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2013年2月15日金曜日

デッドコピーがぐるぐる回る

 
 
 ∧∧
( ‥)あなたはいいました
    ライターが年収300万に
    辿り着くには年に4冊は
    書かねば駄目だと
 
 (‥ )1つの本の作成で受け取れる
     原稿料が60〜70万程度
     だからね。
 
 1冊の本に当てられる作成期間は平均して3ヶ月。
 
 ∧∧
( ‥)本の質に限界が生じる。
 
  (‥ )これはね、個人の枠を
      越えた編集プロダクション
      でも同様なんだ。
 
 出版社のいわば下請けをする編集プロダクションというものが存在する。出版社の編集者はいわばゼネコンであり、総監督であり、編集プロダクションは漢字にルビを振る、写真を手配するなどといった個々の作業を担当する。
 
 ∧∧
( ‥)編集プロダクションも会社
    ですから、自分たちから
    出版社に企画を持ち込む
    そうですね
 
  (‥ )そうでないと仕事が
      こないってな。
      そうしないと会社が
      保たない、
      仕事を次々にこなし、
      自転車操業しないと
      いかんわけさ
 
 編集プロダクションには普通に社員もいればパートのおばちゃんもいるが、一時期フリーになった編集者や元は独立していたライターがいる場合もある。
 
 編集プロダクションには、企画が通ったら原稿を書く人間だっているわけだ。
 
 ∧∧
( ‥)しかし、その状況は
    個人経営のライターと
    まったく変わりません、と
 
  ( ‥)時間がないのだ。
    –□ おまけに扱う本は
       会社であるがゆえ、
       次々に変わる。
 
 今日は野球、明日はロケット、来月からは恐竜だ。こんな感じらしい。
 
 
 これだけ知れば書店に並ぶ本の有様の半分は説明がつくというものだ。
 
 以前の話題でいうなれば、あれ。
 
 中学、高校の生物学をおさらいしましょー、というフレーズの本。
 
 キリンの首を例にするとダーウィンの自然淘汰説はこのような説ですが、これでは生物の有様が説明できない、と反対する人もいます。例えば日本の今西錦司がそのような人です。他にド・フリースの突然変異説があり・・・・
 
 ∧∧
( ‥)明らかに、昔の間違った
     ずさんな本を丸写し
     したものですね
 
   (‥ )おいちゃんの子供時代の
        理科の本ってまじで
        こんな内容だった
        からな。
 
:キリンの首で用不用説と自然淘汰説を説明する(これ自体は悪いことではないが)
:ダーウィンの自然淘汰説は一応、スタンダードである
:しかし異論を唱える人もいる
:今西錦司、ド・フリースの突然変異説など時代や背景、妥当性、事実関係を無視してごちゃごちゃと説明する
 
 このような内容は確かに30年あまり前、高校理科の図説などでまじで書かれていた内容だった。まるでタイムスリップしてしまったような異様な感覚。
 
 
 ∧∧
(‥ )本を読むと、その人が
\–   どんな本を読んで
     その本を作ったか
     だいたい分かりますよね
 
  (‥ )まあ、大概の本は1000円
      2000円程度の本を
      ぱぱっと見て書いた
      だけだね。
 
 良い本が全部高いわけじゃないが、これは教科書と呼んで良いですよね、という本は、大概は3000円とか5000円、7000円、1万とか数万するもんだ(しかも、そう簡単には読めない難儀な本ばかりである)。
 
 
 ∧∧
( ‥)1000円の本を読んで
  –□ ぱぱっと作った
     間違いだらけの本を
     1000円ぐらいで売る
 
  (‥ )その本を別の奴が買って
      読んで、ぱぱっと書いて
      間違いだらけで
      1000円で売る。
 
 そうです、あなたのおっしゃる通りなのですよ。
 
 これは果てしないデッドコピー
 
 そうなのだ、本というのは、いや、出版界そのものが、そのかなりな部分は劣化した情報が果てしなくコピーされて渦巻いているだけなのだ。
 
 *本を読むと馬鹿になるよ、というのはこれが理由。
 
 
 ∧∧
( ‥)そしてこれは
    本を作る側からの説明
 
  ( ‥)もう半分は読み手の
    –□ 問題だよね。
 
:ダーウィニズムに納得できないから今西錦司を読んでみました
 
 これはいかにももっともらしいが、実は次と同じ行為に他ならない。

:微分積分に納得できないから、微分積分は間違っているという本を読んでみました
 
 ∧∧
( ‥)手の届くものばかり
    読み続けた結果が
    これですか
 
  (‥ )自分が理解できる本を
      読んで分かった。
      それじゃどこにも
      いけないってことさ
 
 
 適当に書く書き手と、適当に読む読み手、生活の都合と頭の都合、両者の思惑の一致により、とっくの昔に死んだはずのデッドコピーが今もなお、ぐるぐると回る。
 
 
 
 
 
 

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