ウクライナ南部の港町マリウポリ
現在、ロシア軍に包囲されて市街戦を展開している要地であるけども。
この画像をアパート群、河川、侵食された谷間、とそれぞれ色分けすると...
∧∧
(‥ )これを陥せとおっしゃるか
\−
(‥ )この町
ほぼほぼ要塞だよね
マリウポリは北と東は川で囲まれた、台地状の地形であった。南東のやや濃い緑で塗った場所は、台地が雨で侵食されたと思われる谷。わかりにくいが北東も帯状に木々が生えているので、ここは台地を縁取る斜面なのだろう。
*斜面は開発されないので、しばしば帯状の林になって取り残される。河岸段丘などを思い出すと理解がしやすい。
つまりこの町、西から町の中心に入る大通りがほとんど唯一の侵入経路。
∧∧
(‥ )そして赤紫はアパートの配置で
\− 各アパートが幾重にも
建築されて厚みがある
旧ソ連邦の都市でしばしば
見られるものだね
まず間違いなく
敵軍を阻止するバリケード
自軍が立て篭る要塞として
使われる防護壁
キエフにもあったよね
(‥ )河川や谷、斜面のような
自然の防壁がない
そんな
町の北西に集中的に
アパートが
配置されているのは
このためだろうな
ロシア軍本部は、現地部隊にこれを陥せとおっしゃるか?
とはいえ、開戦から1ヶ月、ロシア軍はこの包囲戦で大きく前進し、本日、25日、ついに町の中心部にある教会にまで到達した。
確認は困難だが、本日2022年3月25日におけるロシア軍の進軍は、だいたいこんな感じでは? とネットで言われている。
∧∧
(‥ )黄色い点が町の中心街にある
\− 教会だけども
いや驚いた
よくここまで進軍できたね
やるねロシア軍
(‥ )どうも町の北西部にある
第一の防御壁たる
アパート群は
抜いたっぽいのよね
さすが腐っても
世界一の陸軍国だわ
とはいえ、この場所まで前進するのは、単純に大通りを突っ切ればいい。つまり、できて当然ではあった。
しかし、この町の中心街とその近辺の道路ときたら。
∧∧
(‥ )微妙に曲がったり
\− 折れたり
食い違ったり
見通しがいかにも悪い
嫌な道だな...
これも意図的かい?
(‥ )どうだかね
元々かもしれんし
意図的かも知れんし
でも少なくとも
日本の城下町でも
所々で配置された
防御術に似たものに
見えるよね
曲がると見通しが悪くなる。食い違うと部隊が展開できずに足止めを喰らう。
実際、マリウポリの大通りのこの先には、道がぐるっと大きく回るように曲がる場所がある。これなどはほぼ明らかに企画されたものに見えた。そこで待ち伏せしたり、防衛するためものではないのか?
しかもその道のさらに東もまた奇妙であった。反対側から、しかし中心の大通りから遠く離れて海岸沿いをあえてぐるっと回り込むような道や線路が続いている。そしてそれを守るように配置されているアパート群。
これらの構造は単に古い町の古い設計の跡なのか、それとも幾度も開発するうちにそうなったキメラ的な構造なのか、それともなにか防御的な意味合いがあるのか。
例えば、大通り沿いに中心まで敵が来るのは想定内。それでも迎撃できるように、人も補給も、敵の手が届かぬ、海岸沿いの道や線路から調達できるようにしているのか?
ともあれ、本日25日は、かようにロシア軍がマリウポリの中心部に到達する一方で、隣町の港ではロシア軍揚陸艦が撃沈された日でもあった。
ウクライナ軍の攻撃手段は当初の話ではトーチカ弾道ミサイルだと言われたし(破壊力は説明できるが当たるのは驚き)、あるいはドローンの攻撃だとも言われた(当てられるだろうけどもこんな破壊力があるかは疑問)。
ともあれ、港で燃え盛るのが揚陸艦Orsk 右へ脱出するのは、重なってわかりづらいが三隻のロシア軍船で、一隻はすでに船首近くが炎上しており、この後、この船は着底してしまった模様。
撃沈1 着底1 破損2の大損害。しかも戦闘車両を運搬する揚陸艦を喪失。
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(‥ )これでマリウポリを
\− 包囲するロシア軍の補給は
滞りますよと
物資も食料も
戦闘車両も弾薬も欠乏だ
(‥ )マリウポリ
陥落しないよねえ
さてもさても、ネットでは逆張りしたいだけの、それだけの理由で反対意見を述べるものがいる。彼らはロシア軍を影の政府から世界を守る正義の味方と信じて、マリウポリに立て篭るネオナチはもうすぐ全滅する! とロシア軍の市中突入を大喜びでtweetしているが。
∧∧
( ‥)...無理だろ
(‥ )ああいう人ってさ
陰謀論で満足して
それ以上の現実を
調べないからな
底が浅いのよな
ロシアを擁護する人間を自称していながら、市街戦の恐ろしさを知らぬとは、それは独ソ戦を知らないということ。
そんなものは手抜き以外のなにものでもないからに。